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第5章-3 ナミタロウのターン

皆様のおかげで700万PV、100万ユニーク突破しました。

今後もよろしくお願いします。

 俺の呟きが聞こえたみたいで、ナミタロウが急に暴れだした。


「魚が暴れだしたぞ!」

「避けろ!怪我するぞ!」

「あれはやっぱり魔物だったんだ!」


 暴れだしたナミタロウによって、周囲の観客達は一斉に逃げ出した。

 ただし、観客の中にいた冒険者や、腕に自身のある者達だけは武器を構えてナミタロウに近寄り攻撃を仕掛けようとしている。


「おらっ!」

「くらいやがれ!」

「くたばれ化物!」


 真っ先に三人の冒険者がナミタロウに仕掛けた。武器は順に、両手剣、槍、斧であり、それぞれかなり使い込まれているようだ。尚且つ、冒険者達の連携も申し分ない。

 しかし……


『邪魔や!』


 周囲の人間が理解できない言語(日本語)で気を吐くナミタロウ。掛け声と共に尾っぽをひと振りすると、冒険者達の武器が宙を舞った。


『せいっ、せいっ、せいっ!』


 さらに続いて、ナミタロウの尾っぽの三連打。そのそれぞれが冒険者を捉え、今度は冒険者が宙を舞う。


「ば、化物だっ!」

「こ、殺されるぞっ!みんな逃げろー!」


 ナミタロウの強さに、退治しようとした冒険者達まで混乱し始めた。

 そんな中、化物認定されたナミタロウは、俺の所まで地を滑るような素早い動きで近寄ってきた。


「坊主!逃げろー!」


 誰かが叫び、辺から悲鳴が上がる。

 ジャンヌはナミタロウの接近に驚き固まり、プリメラはナミタロウに横槍を入れる為に突進しようと動き出し、三姉妹はプリメラの後に続いて攻撃しようと武器を構えていた、が……


『加速〇置!』


 どこぞのサイボーグ戦士のような事を叫びながら、ナミタロウは一瞬で速度を上げてプリメラの機先を制した。

 それによりプリメラはタイミングを外されて二の足を踏んでしまい、そのせいで三姉妹も飛び出す事が出来なかった。


 ナミタロウは速度を落とさずに俺に近寄ってくるので、ナミタロウが避ける事の出来ないタイミングを見計らい……


「せいやっ!」


 俺はシロウマル達の入っているディメンションバッグの口を広げて、ナミタロウを収納(・・)した。


『バ~イバ~イキ~~~ッ!』


 俺にしか意味を理解できない言葉を響かせながら、ナミタロウはバッグの中に吸い込まれていった。


「意外と使えそうだな、これ……」


 俺は、新たな活用法に満足しながらバッグの口を閉じた……ナミタロウが吸い込まれていった直後に、石がぶつかりあった様な音とシロウマルの叫び声が聞こえた気がするが気にしないでおこう。

 そう決心した直後、バッグが内側より開けられて、中から頭にたんこぶをこしらえているシロウマルが飛び出してきた。


「ガウッ!ガウガウ、ガウッ!」


 どうやらシロウマルはかなりご立腹のようだ。

 シロウマルをなだめつつ、たんこぶの治療を行い、ご機嫌取りに夕食に肉の塊を出すと約束すると、シロウマルの機嫌は少し良くなったようなので、足早にこの場から立ち去ろうとしたが……


「おい坊主……魚は置いていけよ」


 ナミタロウの事を思い出した魚屋の主人に、俺は肩を掴まれてしまった。

 その後の交渉の末、ナミタロウの所有権は俺の物となった。ちなみに、ナミタロウの値段は金貨一枚、日本円で10万円ほどだった。



 じいちゃんの屋敷に戻った俺達は、まず最初に庭に即席の池(のような水たまり)を造って水を満たした後、バッグからナミタロウを引きずり出して池に放り込んだ。

 放り込まれたナミタロウは、水面に逆さまに浮かんだ状態でピクリともしなかったので、三人娘達が近くにあった箒などでつつき出した。


「テンマ、これどうやって食べるの?」

「かなりウロコが堅そうだし、泥抜きもしないといけないよね」

「死んでるみたいだし、泥が抜けないよね……どうする?」


 三人の発言に、ナミタロウが少しだけ動いた気がした。


「まあ、泥抜きさせたいところだけど、死んでるんならしょうがないよな!切り身にした後で、水にさらしたり濃い目の味付けや香草を使ったらなんとかいけるんじゃないかと思っているよ!」


 俺はナミタロウが聞こえるくらいの大きさで答える。すると、今度は先程よりも少し大きく動いた。


「でもウロコはどうするの?」


 ジャンヌの質問には俺では無く、何かを思いついたようなプリメラが答えた。


「ギガントの新装備で試してはどうでしょうか?いくらウロコが堅いと言っても、さすがにギガントの一撃に耐え切るとは考えにくいですし」


 と、いう事なので、早速ギガントを召喚(・・)した。ギガントの右手だけを剣に変更し、左手はそのままにしてある。


「それじゃあ、始めるか!」


 俺はギガントの左手でナミタロウの尾の付け根を掴み、逆さ吊りにしながら庭に設置してある石で出来たテーブルに乗せた。

 ギガントの左手でナミタロウをしっかりと押さえて、右手を振りかざして……

 

「堪忍やーー!堪忍してや、テンマっ!」


 ナミタロウがついに降参した。さすがにギガントの一撃を受けて、無事でいられるとは思わなかったらしい。


「にゃーー!しゃべったっ!」

「化物ーー!」

「テンマ!早く叩き潰してっ!」


 三人娘は急に人語をしゃべったナミタロウに驚き、慌てて俺の後ろに隠れてしまった。三人が驚いた瞬間にネコミミと尻尾がピンと立ち、その場で少し飛び上がったのを見た時には、獣人と言えどもやっぱり猫なんだな、と思ってしまった。

 プリメラとジャンヌは悲鳴こそあげなかったが、二人共かなり驚いたようで一瞬動きを止めていた。しかし、プリメラはすぐに気を取り直してジャンヌを庇う様に前に出て剣を抜いてナミタロウを警戒し、ジャンヌはいつでも魔法を放てるように準備をしている。

 まあ、俺以外にナミタロウに対してまともにダメージを与えられるか分からないが、俺の知り合い同士が争うのを黙って見過ごす必要はないだろう。


「あ~……皆大丈夫だから、こいつは俺の知り合いだよ」


 俺がナミタロウを逆さ吊りにして紹介すると、ナミタロウは体をくねらせて地面の上に着地(落下)し、片方の胸鰭(むなびれ)を動かして挨拶を始めた。


「オッス、オラ、ナミタロウ。よろしくな!」


 ナミタロウは明るい声で挨拶をするが、女性陣には『しゃべる魚=化物』にしか見えず、尚且つ俺の知り合いと言う事で、どう対応していいのか分からないようだ。


「そんなに緊張せんでもええんよ。わいはただのお魚さんやし……仲ようやろうや」


 などと言いながら、器用に体をくねらせて皆に近づいて行く。


「にゃーー!こっちくんなーー!」

「化物ーー!」

「キモイーー!」


 そんなナミタロウの接近に耐える事の出来なかった三人娘が、またも悲鳴を上げて逃げ出した。

 それを見たナミタロウはターゲットを三人娘にロックし、その後を追いかけ始めた。


「テンマさん、本当にあれ(・・)と知り合いなんですか?」 

「テンマ、あれ(・・)はなんなの?」

 

 三人娘を追い掛け回しているナミタロウを指さしながら、プリメラとジャンヌが問い掛けてきた。


「ああ、ナミタロウとはククリ村を出た時に知り合ったんだ。それと詳しくは分からないが、一応分類上は魚のはずだぞ……自信はないがな」


 そんな事を話している内に、三人娘が俺達がいる方向へと逃げてきた。


「へいへ~い!嬢ちゃん達、観念しいや!」


 そんな事を言っているナミタロウだが、少しは手加減をしているようで、三人とは一定の距離を保ちながら追いかけている。

 しかし、さすがに調子に乗りすぎているので、ここらで一つお灸を据える事にした。

 俺はナミタロウが近づいてくると、タイミングを見計らってバッグを開いた。


「甘い!」


 ナミタロウは直前でジャンプをして、俺を飛び越そうとしたが……


「お前がなっ!」


 ナミタロウの着地点に、魔法を使って分厚い土壁を作り出した。


「ふげっ!」


 バッグに気を取られていたナミタロウは、壁を回避する事が出来ずに正面からぶつかり、ようやく動きを止めた。

 壁に突き刺さっているナミタロウに対して、三人娘が近くにあった箒や木の棒などでタコ殴りにしているが、大したダメージは受けていそうにないので気の済むまでやらせておいた……ナミタロウの自業自得だしね。




「とまあ、お調子者で怪しい奴だけど、敵対しなければ無害……だと思うから」


「よろしゅうな!」


 三人娘にタコ殴りにされても、持ち前の防御力(鱗)で耐えていたナミタロウを皆に紹介すると、ナミタロウは再度挨拶をした。


「ところでナミタロウ……前より口調が怪しくなってないか?」


 以前の怪しい方言から、今回はさらに色々な方言(前世のもの)が混ざっており怪しさが増している。


「人間、長生きしていれば色々とあるんよ」


 なんだか、ある種の悟りを開いたような答えだが、恐らくは元の方言を忘れたのであろう。あとお前は鯉だ!決して人間ではない!

 すまし顔で答えたナミタロウに、とりあえず言っておくことがあった。


「ナミタロウ、一応今のお前の立場は、俺の所有物(・・・)だからな。働いてもらうぞ」


 魚屋で売られていたナミタロウを買い取ったのは俺なので、現在の所有者(飼い主)は俺という事になっている。その事を説明すると、ナミタロウは意外とあっさり納得した。


「ええよ。テンマの為に働いたるわ!」


 との事なので、チーム戦のメンバーに入れる事にした……この調子では俺はチーム戦で戦わなくてもいいかもしれない……

 現在の俺のチームの戦力を見てみると……


 スラリン……B~Aランク相当

 シロウマル……Sランク相当

 ソロモン……Bランク相当 

 ナミタロウ……Sランク相当以上(水中限定、陸上未知数)


 と言った感じになる……正直、スラリンの強さが読めないのでB~Aランクだと考えるが、実はSランクだったとしても俺は驚かない……ソロモンはまだまだ子供なのでこんなものだろう。

 ナミタロウにしても、その実力を発揮するのは水中での事だろうが、魚屋での暴れっぷりを見る限りでは陸上にもある程度対応できているのだろう。

 なんにせよ俺のチームのように、眷属の平均ランクがAを超えている所はそうそうないだろう。


 そんなことを考えていると何やら三人娘やプリメラ、おまけにジャンヌまでもがヒソヒソと話し合いをしていた。


「テンマって、ホント何者なの?」

「スラリンにシロウマル、今度はナミタロウが眷属でしょ……どれも強い魔物だし……」

「ナミタロウはキモいしね……」


「それに加えて剣に魔法、体術までもが一流です……普通に考えたらスゴイを通り越しておかしいレベルですよね」


「おまけに薬に料理、その他にも色々と知っているし……」


 何やら五人で固まって俺の事を話しているみたいだ。五人とも俺に聞こえないように小声で話しているが、身体能力を少し強化するだけで丸聞こえだ。


 五人が話し合いを終えるまでナミタロウの住処を作っておこうかと思って振り返ると、何故かナミタロウは屋敷の二階に向かって胸鰭を振っていた。

 ナミタロウの視線を追ってみると、そこにはじいちゃんが立っていた。

 じいちゃんは俺と目が合うと、その場から動き出して俺達の所へとやって来た。


「なんじゃテンマ、また新しい眷属が増えたのか?」


 俺に問いかけてくるじいちゃん。そんなじいちゃんに向かってナミタロウが挨拶をした。


「オッス!オイラ、ナミちゃん。よろしくね!」


 ……何故かキャラを変更して。


「おお、喋れるのか。珍しいのう。わしはマーリン、テンマの祖父じゃ。よろしくな」


 そしてじいちゃんは気にもしなかった……いろいろな意味ですごいと思う。

 それから直ぐに二人は打ち解け、俺を放ったらかしにして談笑している……少し寂しかった……


 何故か少しさみしい気持ちになりながら、俺は一人でナミタロウの為の池を作る事になった。

 広さは10×20m、深さは1~1.5m程の大きさにしてみた。池の縁は土魔法で一枚岩みたいになるまで固めたので、そう簡単には壊れないと思うし濁りも少なくなると思う。水も魔法を使って満たしたのだが、水中の酸素をどうするかと悩んでいたら、ナミタロウが自分でどうにかすると言うので任せる事にした。

 池が出来上がる頃には五人の話し合いも終わっており、そろそろ夕食の準備でもしようかという話になった。

 しかし、今だにアウラ達は戻ってこない……どうやらアイナとクリスさんのOHANASHIが長引いているようだ。

 なので、今回は俺が料理をする事になった。最近は外で食べたりアイナが作ってくれる事が多かったので久々に腕を振るう事にする。

 

 今回の料理は念願のカレーに挑戦するつもりだ。

 実はついこの間、屋台で香辛料を使った料理を発見し、作り方を勉強したのだった。

 最も、その料理は串焼きだったので、俺の知識を加えて半ば実験のような感じになってしまうのだが、そこは仕方がない。材料を無駄にしないように頑張ろうと思う。


 その串焼きを出していた屋台の人に無理を言ってスパイスの配合を教えてもらい(最も、串焼きを50人前以上買ったので喜んで教えてくれた)、教えてもらった店でスパイスを買い占めるが如く入手したのだ。

  

 まず大量の玉ねぎを飴色になるまで炒めて寸胴鍋に投入、次にジャガイモや人参、牛肉などを一口大の大きさに切ってこちらも寸胴に投入する。

 具材の入った寸胴に水を入れ、沸騰させて出てきたアクを取り除きながらしばらく煮込む。

 その間にフライパンで小麦粉を焦がさないように気を付けながら狐色になるまで炒め続けた。

 炒めた小麦粉とスパイスの半分を混ぜ合わせて、煮汁で少しずつ溶かしながら寸胴に投入していく。

 後は味を確かめながらスパイスを足していき、好みの味にしていくだけだ。


 調理開始から一時間程でカレーのような物が完成した。今回はあまり辛くはせずに、ハチミツなどで甘口と中辛の間くらいの辛さにしてみた。ただし、俺が食べる分だけは残していたスパイスを少し加えて辛さを増してある。

 こうして完成したカレー(もどき)は、皆のいる部屋へと運ばれていった。

 ご飯はジャンヌに任せていたので、若干柔めの炊き方となっていたが特に問題はなかった。尚、カレーの調理の途中でアイナ達は帰ってきており、調理を手伝えなかった事を謝っていた(アイナだけが)。

 

 カレーの入った寸胴鍋とご飯を炊いた土鍋の蓋を開けると、部屋の中にはカレーのスパイスの匂いが充満し、慣れていない面々(特に三人娘)は驚いていたが、拒否反応は無かったので皿にご飯を盛り、その上に薄い茶色をしたカレーをかけて配っていった。


「それじゃあ、いただきます」


 俺は手を合わせてからカレーをスプーンですくって口へと運んだ。


『おお……ちゃんとカレーの味がする』


 感想としては、美味しい、よりも、懐かしい、の方が一番最初だった……何せおよそ15年ぶりのカレーだ。俺は夢中でカレーをかき込んでいく。

 皆は俺の反応を見てからカレーに手をつけ始めた。

 各々の反応は……


「変わった味じゃな。少しピリッとするがイケるのう」


「スパイスの新しい使い方ですね。スパイスを使ったスープは飲んだ事がありますが、小麦粉でとろみを付けた物をご飯にかけて食べるのは聞いたことがありません」


「悪くないわね。これ以上辛かったら辛いかもしれないけど、クセになる味ね」


「そうですね。でもスパイスのせいなのか、先程から体が温まってきて汗が出てきました」


 じいちゃん、アイナ、クリスさん、プリメラからは評判が良かった。

 それに対して……


「にゃ~、辛い~……お水ちょーだい」

「舌がピリピリするよ~」

「スパイス多すぎだよ~」


「テンマ……これ苦手……」


 と三人娘とジャンヌからは不評だった。


「テンマ、おかわりや。それと、そっちの姉ちゃんはさっきから動いとらんで」


 ちゃっかりカレーを食べているナミタロウ。そして『そっちの姉ちゃん』ことアウラは、屋敷に帰ってきた(連れてこられた)時から変わらず目に光がない。


「……ほらよ、ナミタロウ。あとアウラにはこいつだ」


 俺はナミタロウにおかわりを与えて、アウラには俺の食べているカレーに、さらにスパイスを加えたものをスプーンですくい口に突っ込んだ。


「……ほ」


「ほ?」


「ほんぎゃ~~!!なんじゃこりゃ~~!!」 


 仮にも年頃の娘が出していい声なのかはさておき、アウラはカレーの力によって現世へと引き戻された……ああ、偉大なりカレーの(ちから)……


「テンマ様!そんな事はいいからっ!みずっ!水ください!」


 大慌てのアウラは俺の差し出したコップを奪うように受け取り、ガブガブと飲み干していった。

 そして、その行動をアイナに怒られていた。


 そんな調子で初めてのカレーは、まずまずの成功だったのではないかと思う……ちなみに俺の最終的な感想は、『確かにカレーと言えばカレーだけど、俺の食べたかったものとはどこかが違う』だった。


 

 夕食の後、アイナとクリスさんは城へ、プリメラは仲間の騎士達の所へ、三人娘は自分達の宿へとそれぞれ引き上げていった。

 勝手に屋敷に上がり込んだナミタロウは、じいちゃんと晩酌をした後で庭の池へと戻っていった。

 その途中で、俺はナミタロウに気になっていた事を聞いてみる事にした。


「なあ、ナミタロウ。お前また釣られたのか?」


 するとナミタロウは真剣な表情?で……


「テンマ……わいが魚やからって、そう何度も釣られると思ったら大間違いやで」

「す、すま……」


「ちょっと寝ぼけながら泳いでいたら、網に掛かってもうただけや!」


 何故か胸を張ってそう言うナミタロウ(魚類)……申し訳なく思って損したわ!ホンマに!


「途中で逃げれば良かったのに……」


「いや、そう思ったんやけど……一緒に大量の貝やらも運ばれていてな。ついつい食べ過ぎて眠ってしまったんや……十日ほど……気がついた時には、まな板の上やったわ!まさに『俎上(そじょう)の鯉』やな!」 


 ハッハッハッ、と笑っているナミタロウ……お前、それだと後は調理されるだけだぞ……


 そんなこんなで、大会前日の夜は更けていった……

ナミタロウが仲間になった……

でも、ナミタロウはテンマの眷属ではありません。

立場としてはテンマの所有物ですが、双方共に助っ人だと認識しています。

なので、大会の後はどこかに旅立つかもしれませんし、そのままテンマの世話になるかもしれません。

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― 新着の感想 ―
[一言] カレー、多分、日本の家庭のカレーはリンゴやら何やらを入れて、なめらかで、クドすぎず、旨味を持った状態でとろみを持ってご飯に絡まるので、あのルーを追求するのは大変だと思う リンゴとか入…
[一言] カレーはインドで体調に合わせてスパイスを配合するので薬膳料理の側面も持ってますね。 ナミタロウ用の池は深さが足りない様に感じますね。
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