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第1章-6 初めての眷属

 じいちゃん(マーリン)に師事してから2年が経とうとしていた。…えっ、はしょるなって、そう言われても魔力コントロールのやり方を教わってから、毎日やる事が同じで特に変わった事がなかったんだもん。コントロールのやり方も簡単だったし、

 こんな感じで、


1、水に入りまっすぐ立ったまま心を鎮める


2、体中に魔力が流れるための回路が張り巡らされていると想像する


3、想像したら回路に魔力が流れるイメージをする


4、体が軽くなったように感じ、隅々まで暖かくなったら成功


5、慣れたら手に持ったものや身に付けているものにも、魔力を通せるようにする。

                                   以上


 回路の代わりに血管と血液を想像したら一発で出来た。後はほぼ毎日、出来るだけ魔力を体に通した状態を維持したまま生活をするだけだった。勉強内容で変わった事と言えば、母さんとの勉強が減り、代わりにじいちゃんとの勉強が増えたくらいだ。

 そんなこんなで俺は6歳に成長した。今日から父さんが狩りの仕方を教えてくれるそうだ。まあ、前世では経験済みなんだけどね。

 そんなわけで今、俺と父さんは早朝から大老の森に出向いた。


「父さん、あの木の陰にマル鳥がいるよ」


「よし、任せろ」


 と、父さんは言うと素早く矢を放った。マル鳥の首元に矢が当たり、その場に倒れた。


「すごいな、テンマはもう8羽目じゃないか。まだ、昼前なのに」


「でも、見つけるだけで3羽も逃がしちゃったよ」


「それでも、ベテランでもこんなペースで獲物を見つけるのは難しいぞ。弓矢はこれから上達するさ」


(まあ、見つけるだけなら鑑定と探索を組み合わせれば簡単なんだけどね)


 と、天馬は心の中で呟いた。


「テンマ、予定よりだいぶ早いが今日は終わろう。予定していた量を越えたからな」


 と、リカルドが提案した。その時、すぐ近くの茂みから音がした。二人はすぐに距離を取りナイフを抜いた。茂みからでてきたものは、


「スライムか、テンマ大丈夫だ、こいつらは魔物の中でも最弱と言われる奴だ」


 と、若干警戒を緩めたリカルドが言う。


「テンマ、いい機会だ。こいつを倒してみろ」


 リカルドに言われ若干緊張しながらスライムに近づく天馬。スライムは天馬をじっと見つめて?いる、一歩一歩距離を縮めていき後2メートルと言う距離で

不思議な感覚を天馬は味わう。


(なんだ、スライムに意識が引かれる感じがする?)


 天馬は動きを止めナイフを鞘へと戻し、再びスライムに近づく。


「テンマ!何をやっているんだ!」


 リカルドが慌ててスライムに飛びかかろうとするが、天馬は手で制し、


「大丈夫だよ父さん、こいつは僕に攻撃する気が無いみたい」


 と、言いスライムへと手を伸ばす。スライムは体を震わせながら近づき、天馬の手に触れた。その時、スライムとの間に何かが繋がる感覚を天馬ははっきりと感じた。


「父さん、何か懐かれたみたい!」


 リカルドは天馬を驚いたように見つめ、


「テンマ、お前『調教テイム』の才能もあったのか!」


 と言った。


「『調教テイム』ってなに?」


「『調教テイム』と言うのは魔物を飼い馴らす事のできるスキルのことだ。魔物を眷属として使役して戦わせたりもできるぞ」


「へぇ~、楽しそうだね(前世のなんちゃらモンスターズみたいなものか)」


「スライムは魔物としては低級だが、それでも使役できたのはすごいぞ」


「母さんやじいちゃんは驚くかな?」


「マーリンは分からんが母さんは驚くだろう。先にスライムの事を教えてから見せた方がいいかもしれん」


「何で?内緒にして驚かせたいんだけど」


「下手をすると驚きすぎて、スライムを攻撃するかもしれん」


「それは困るよ!」


「念のためマーリンに先に見せて、ついて来てもらってから母さんに見せよう」


「うん!分かった!」


「じゃあ、帰るか」


 二人は帰り支度をすると村へと歩いて行った。スライムは天馬に抱かれ時折嬉しそうに体を震わせていた。




「マーリン、いるか?」


 村に帰り着くと天馬達は真っ先にマーリンの家に向かい、スライムの事を話した。


「ほぉ~、『調教テイム』の才能を持っていたか、よかったのう。シーリアの件は分かった、わしもついて行こう。スライムについてわしも話したい事があるしの」


 そう言うと天馬達とシーリアの待つ家へと向かった。

 案の定シーリアは驚いていたが、天馬達の話を聞いて褒めてきた、


「やったじゃないテンマ!この村で『調教テイム』に成功したのは久々よ!」


 と天馬をほめるシーリアにマーリンが話があると言い、テーブルへ移動し皆を座らせた、スライムは天馬の膝の上に乗っている。


「どうやらこのスライムは魔法が使えそうなんじゃ」


 唐突なその言葉に驚く天馬達。天馬は『鑑定』を使いスライムを覗き込んだ。


名前…????

年齢…1

種族…スライム

称号…テンマの眷属


HP…500

MP…500


筋力…E-

防御力…E-

速力…D-

魔力…C+

精神力…D-

成長力…B

運…B


スキル…異常耐性5・忍耐2・格闘術1・時空魔法1


 と、表示された。普通のスライムに比べると明らかに強い、スライムは大体の能力がF-~F+くらいのはずだ。


「たまにの、上位の魔物が突然変異で生まれることがあるんじゃ、このスライムもそうじゃろう。そういった個体は知能が高く、強くなるものも多いのじゃ」


「それじゃあこのスライムは珍しいやつなのか?マーリン」


「そうじゃよ。突然変異と言っても所詮はスライムじゃ、強く成長する前にやられてしまうのが普通じゃ。そういった意味では珍しいのう」


「それで態々(わざわざ)おじさんがきたの?」


 シーリアの疑問にマーリンは天馬とスライムを見ながら、


「それもあるが、一番の理由はテンマの魔力に関係する事じゃ」


「僕の魔力に関係する事?」


 マーリンの思いがけない言葉に天馬は首を傾げた。


「そうじゃ、テンマは最近魔力のコントロールがうまくなったから、そろそろ魔法を教えようと思っていたのじゃ」


「その事とスライムに何の関係があるんだ?」


 マーリンの言葉にリカルドが反応した。


「まあ少し落ち着け。初めはこれを使おうと思っていたんじゃが」


 と言ってマーリンがポケットから2~3cm程の小石のようなものを取り出し、テーブルの上に置いた。


「これは、魔力の込められていない空の魔石よね。これがどうしたの?」


 シーリアの疑問に対しマーリンは、


「これに魔法を込めさせて魔力の使い方を覚えさせるつもりじゃったが、スライムにも魔力を与えさせようと思っての」


 マーリンの言葉に耳を傾ける3人。続けてマーリンが、


「魔石なら魔力をいっぺんに込めすぎると壊れてしまうからの。魔力の放出の訓練にちょうどいいし、眷属となったスライムならパスが繋がっておる分だけ魔力のやり取りも簡単じゃろうからの」


「大体分かったけど『パス』ってなに、じいちゃん?」


「眷属との間にできる回路のようなものじゃ。人によっては絆とも言うがの」


「でもスライムに魔力を流して危なくないのじいちゃん?」


 天馬の疑問はもっともだった。初めて『調教テイム』したスライムに魔力を流して、もし爆発でもしたらトラウマになってもおかしくはない。


「大丈夫じゃよ。もともとスライムは雑食性ではあるが、水と魔力だけでも生きていける魔物じゃ。むしろテンマの魔力を食べて強く成長する可能性もある、まさに一石二鳥じゃ」


 との言葉に胸を撫で下ろす天馬。


「シーリアよ、空の魔石ならまだ家にあるから後で持ってこよう。魔力を込めた魔石は行商人にでも売ればいい。売った金を使って新たな空の魔石を注文すればよい」


「ありがとうおじさん。でも魔石を貰ってもいいの?」


「なに、よく料理をごちそうになっておるからの、その代金だとでも思えばいいわい」


 マーリンの言葉に遠慮なく受け取ることにしたシーリア、そしてリカルドが思い出したように、


「そういえばテンマ、スライムに名前を付けてあげないと。いつまでも名前がないと不便だろ?」


 と言った。続いてマーリンとシーリアも


「そうじゃの、テンマの新しい家族じゃ。良い名前をつけてあげなさい」


「そうね、名前を付けてあげなきゃかわいそうね。でもテンマ、あなたがちゃんと世話をするのよ」


 とのことだったが、実は天馬はスライムの名前をすでに決めていた。


「このスライムの名前は、『スラリン』にするよ!」


 天馬はスライムを『調教テイム』した時から、前世で遊んでいた某RPGに出て来たスライムの名前しか浮かばなかった。それを聞いた他の3人は、


「スライムだからってちょっと安直だな。覚えやすいけど」


「あら、いいじゃない。可愛らしくて」


「そうじゃの、テンマが付ける事だしの。それに当のスライム自身は気に入っているようじゃよ」


 マーリンの言う通りスライムは体を震わせたり弾ませたり喜んでいるようだった。その様はまるで踊っているかのようにも見えた。


「これからよろしくな、スラリン」


 天馬は新しく家族になったスライムにそっと語り掛けるのであった。

 はい、と言うわけでスライムが仲間になりました。最初に仲間になる魔物はスライムが定番ですよね?作者はそう思っています。名前に関しては勘弁してください、スライムの名前と言ったらこれしか浮かびませんでした。

 ルビを打つのが面倒になって来たのでルビの方のみにするかもしれません。

 作品の感想等お待ちしております。


----ステータス----


名前…テンマ・オオトリ

年齢…6

種族…人族

称号…賢者の弟子・テイマー・(神々の寵児)


HP…1500

MP…8500


筋力…E-

防御力…E

速力…D

魔力…A

精神力…B-

成長力…SS-

運…B


スキル…投擲術5・調教5・夜目5・忍耐5・料理4・解体4・罠4・弓術4・剣術3・格闘術3・槍術3・棒術3・斧術3・火魔法2・水魔法2・全魔法属性1(6)(鑑定10・探知能力10・隠蔽10・技術習得力増強10・眷属強化10・成長力増強8・生命力増強8・回復力増強8・異常効果耐性8・感覚強化7・身体能力増強7・破壊力増強5・魔力増強5・創世魔法5・付与魔法5・破壊耐性5・即死耐性5・武芸百般5)


ギフト…神々の加護


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― 新着の感想 ―
[一言] 次はスラキチで(//∇//)
[一言] スラリン···ピエール程ではないにせよ、相棒として御世話になったプレイヤーは多かったでしょうね。 スラリンとスラぼう以外にアキーラ(元ネタは鳥山先生の名前)とサスケ(鳥山先生の息子さんの名前…
[一言] ???「プルプル…ぼくはわるいスライムじゃないよ。」
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