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第3章-10 テイマーズギルド(仮)

新しい年度となりましたので投稿します。

エイプリルフールとは関係がないので期待しないでください。

 エイミィを囲んでいる男は全部で四人。俺は素早くエイミィの腕を引き、男たちの囲みを抜け出す。

 それと同時に、シロウマルが俺達を飛び越えて、男達の背後を取った。上空はソロモンが飛び回っている。スラリンは、と言うと……いつの間にか男達の足元にいた。


 完全に男達を挟んだ状態になり、こちらが断然に有利な状況だ。


「ちょ、ちょっと待ってくれ!俺達は怪しいもんじゃない!」


 男の一人が弁明するが、


「怪しい人間は、誰もがそう言うぞ」


 俺は男の言葉を一刀両断に切り捨てた。慌てる男達だったが、


「あの~先生……その人達、テイマーだそうです……」


 とエイミィが言ったので思わず、


「狙いはソロモンか!」


 と攻撃態勢を取ろうとした……その時、


「わ、わ、待って、ちょっと待って!俺達は君達を勧誘しに来ただけなんだーー!」


 エイミィに確認すると、男の言う通り、ただ単に俺とエイミィを自分達の集まりに誘おうとしていただけだったらしい。俺を訪ねに行く途中でたまたまエイミィを見かけたので、先に声をかけたところを俺が目撃しこのような事態になったそうだ。


「……本当ですか?」


「神に誓って、本当だ!」


 俺的には、それは信用する材料ではないが、嘘は言ってなさそうだ。


「失礼しました。俺の早とちりでした」


 素直に謝ったが、男達は特に気にした様子を見せずに、


「いや、最近君に起こった事情は聞いているから、誤解するのも仕方がないよ」


 と許してくれた。最近の事情とは、ソロモンを誘拐しようとする奴らが現れた事だ。いずれも撃退し、二度とそんな気がを起こさないように、ちゃんと、O・HA・NA・SHI、をしているのだが、その手の馬鹿は定期的に現れるのだ。


 取り敢えず、シロウマル達を俺のそばに戻して、男達の話を聞くことにした。場所はギルドだというので、特に後ろめたい気持ちは無いようだ。


 男達の案内でギルドに入り二階へと進むと、端のテーブルに案内された。そこには初老の男性が先に座っていて、俺とエイミィを見るなり立ち上がって歓迎した。


名前…アグリ・モナカート

年齢…61

種族…人族

称号…一流の冒険者・テイマー


「私はこの集まりのまとめ役をしている、アグリ・モナカートだ。よろしく」 


 そう言って、手を差し出してくる。俺はその手を握り、


「テンマです。そして、こっちが……」


「エイミィです。初めまして」


 挨拶を返した。エイミィは少し緊張しているようだ。


「それで、これはなんの集まりなんですか?」


 俺の問いにアグリは驚いた顔を見せて、俺達を連れてきた男達に向かって、


「お前達!何も説明せずに連れてきたのか!」


 馬鹿者が!、と怒り、男達は必死に弁解をしていた。


「すまんかったの……ほれ、まずは自己紹介でもせんか!」


 そう言って、男達の紹介が始まった。


「最初は俺からだな。俺はテッドだ。よろしくな」


名前…テッド

年齢…28

種族…人族

称号…冒険者・テイマー・運び屋


「俺はライト・シードルだ。よろしく」


名前…ライト・シードル

年齢…26

種族…獣人族(犬族)

称号…冒険者・テイマー・行商人


「私はアカギ・サカラートです」


名前…アカギ・サカラート

年齢…24

種族…人族

称号…冒険者・テイマー・鍛冶師


「私はアオキ・サカラートだ。アカギとは双子の兄弟になる」


名前…アオキ・サカラート

年齢…24

種族…人族

称号…冒険者・テイマー・鍛冶師


 皆、称号にテイマーがついている。他に共通するところが無いという事は、


「我々はテイマーズギルドを名乗っている……ギルドといっても小さな互助会だがな」


 アグリがそう説明した。確かにテイマーズギルドというのは、あまり聞いたことがない。少なくとも、グンジョー市には存在しなかった。

 アグリに詳しく聞いてみると、最近ではテイマーの数が、20年前から徐々に減ってきているそうだ。昔はテイマーの為のギルドが存在していたが、最近では珍しいものになってしまっている。セイゲンにも最初は存在していたが、10年と少し前に潰れたそうだ。

 その理由の一つとして、テイマーはダンジョン攻略に向いていない、又はやりづらい、というのがある。テイマーは大まかに言って、数を揃える者、補助をする者、少数精鋭の者に分かれるらしい。

 

 数を揃える者とは、そのまんまの意味で、強さを眷属の数で補う者の事だ。

 補助をする者とは、眷属による偵察や牽制、鳥型などを使っての伝令、大型の魔物による運搬や移動の補助に力を入れている者の事だ。

 最後に少数精鋭型の者は、簡単に言えば俺のような奴のことらしい。力の強い魔物による強襲や迎撃などを得意とする者の事だ。


 そしてダンジョン攻略に向いているのは、補助と精鋭型だが、補助の得意な魔物は戦闘に向かず、精鋭型は他の者と組む必要があまりないので、結果的に即席のパーティーが組みづらく、テイマーを目指すよりも、戦士や魔法使いを目指したほうが活躍の場が多く、有名になるチャンスも多いというわけで、次第にテイマーの数が減っていったそうだ。

 その中でも俺は異常らしい、俺自身の戦闘力が高く、魔法も使えて眷属は強力なものばかり、となれば自分達の集まりに勧誘しない手はない、と思ったそうだ。


「あっ、勘違いしないように言っておくけど、この中の誰かとパーティーを組んでダンジョンに潜れ、と行っているわけではない。ただ、いざという時に、少しでも多くのテイマーがいれば、それだけ相談した時に解決法が見つかり易くなる、というのが目的の一つだ」


 そうテッドが言うと、付け加えるようにアグリが、


「それと、新規にテイマーになろうとする者の手助けもだな。エイミィの場合はテンマがいたが、普通はそんな幸運なことは起こりにくい。なので我らの名前を知ってもらえれば、手助けもし易い、というのもあるな」


 他にも眷属の育て方や、眷属に関するちょっとした事の意見交換などもやっているらしい。

 ただ、それぞれが冒険者家業などをしているため、全員が集まることは希らしいのだが。


 そして、話はそれぞれの眷属に移っていく。

 アグリの眷属は、グラップラーエイプという大型の猿だ。体長1.5m程のゴリラとチンパンジーの中間のような見た目で、筋力、敏捷性が高く、器用に人間の武器を扱う事が出来るそうだ。それが三頭いて、それぞれに剣、槍、弓を装備させているそうだ。もちろん、その名の通り素手での近接戦もこなす。


 テッドの眷属は、サンダーバードという大きなワシだ。体長2.5m、翼を広げると4m弱の大きさで、テッドはこのワシに掴まって長距離を移動したりする為、運び屋、とも呼ばれることがあるそうだ。

 ちなみに、雷属性と風属性を持っており、ダンジョン以外ではかなりの戦闘力を持っているらしい。

 

 ライトは、ハードリンクスと呼ばれる山猫型の魔物を十匹も眷属にしているそうで、ダンジョンでも活躍しているそうだ。ハードリンクスは体長1.2mで、ネコ科にしては珍しく群れで行動する習性があるそうだ。しかし、他の冒険者達からは、犬の獣人なのにネコ科を使役するのか、と言われることもあるらしい。


 そして、変わった眷属の使役法をしているのが、サカラート兄弟だ。

 この兄弟は、二人共同で眷属の主人をしているそうだ。最初に聞いた時は耳を疑ったが、どうやら事実のようで、今のところテイマー最大の謎の一つ、と言われているらしい。

 そんな二人の眷属は、マウンテンタートルという、甲羅の大きさが2m程ある亀型の魔物と、フレイムタイガーという火属性を持つ虎型の魔物を使役している。


 ちなみにそのほかの謎は、眷属の最大数はどうやって決まるのか、上級以上のドラゴンはどうしたら眷属にできるのか、が議論されており、ドラゴンに関しては俺とソロモンによって、なにか判明するのでは?と言われているらしい。

 眷属の最大数は、昔、あるテイマーが狼型の魔物を50匹テイムしたところで、狼型はテイムすることが出来なくなってしまった。しかし、他の魔物はテイムができていたので、それを解明しようとするテイマーが昔からいるらしい。


 そして、それぞれ移動する時は、容量の小さなディメンションバッグを利用しているらしいが、10mクラスの物でも、一個数十万Gは最低でもするので、5mクラスの物で我慢させているそうだ。

 ちなみにエイミィには、お祝いに、という名目で、使わなかった10mクラスのバッグをプレゼントしてある。

 狙われると厄介なので防衛機能として、契約者以外が無理に使おうとすると、強力な『スタン』が発生して相手だけを攻撃する仕掛けになっている。

 しかし、完全に盗難を防ぐことが出来るわけではないので、雛達が成体になるまでは使ったり、誰かに喋らないように言ってある。


 取り敢えず、男達は危害を与えたりするつもりはなく、一方的に利用しようという訳ではなさそうなので、誘いに乗る事にした。何よりも、エイミィに危害が与えられる可能性を低くするのにこいつらは使える、と判断したからだ。

 ギルドに入ると言っても、契約書や登録書は無く、ただ意思を表示して許可を得るだけで済んだ。

 最も、向こうから勧誘に来たのだから、断られることなどあるわけ無いとは思っていたけどな。 


 ついでなので、ギルドの掲示板を覗きに行くと、


「おっ、いたのかテンマ」


 ジン達とエンカウントした。ちょうどいいので、俺はバッグから大ムカデの頭部を取り出して、


「こんなの退治したんだけど……多いのか、これ」


 鑑定で、ギガントデスムカデ、Bランク、と知ったが、初見の魔物で聞いたことがなかった。

 ムカデを見るなり、ジン達は、


「そいつを近づけるんじゃねぇ!」


 と叫びながら、後退りをした。周囲にいた冒険者達も同じような反応だ。

 素材的には悪くないと思っていたので、周りの反応を見て首を傾げるしかなかった。


「お、おい、テンマ……触って大丈夫なのか……」


 ジンが恐る恐る聞いてくるので、


「噛まれたけど、すぐに解毒したら何とかなったぞ」


「「「それはおかしい!」」」


 ジン、メナス、ガラットが声を揃える。リーナも驚いたような声で、


「テンマさん……このムカデ、その名の通りに巨人種……オーガなんかを数分で殺すほどの、強力な毒を持っているんですけど……」


 普通の人間サイズの生き物なら下手すれば即死です、と教えてくれた。


「あっ、俺、毒なんかが効きにくい体質だから、それが関係しているのかも」


 そう説明したのだが、


「いやいやいやいや、「毒が効きにくいから~」のレベルじゃねえって……さすが化物だな……」


 最後の一言は俺に聞こえないように、小声で呟いたつもりだったのだろうが、俺の耳にはしっかりと届いていた。なので、


「ジン、ほら」


 と、ムカデの頭部を投げつけた。ちなみに牙は事前に抜いているので、危険性はない……と思う。


「……へっ、ギャーー」


 ジンは反射的にムカデの頭部を受け取ってしまい、慌てて横に投げ捨てた……メナスの方に……


「こっちに投げるなーーー」


 メナスも慌ててムカデの頭部を打ち返した。そのムカデの頭部は見事に打ち返されて……ジンの顔に命中した……いや、命チューと言ってもいいかもしれない。なにせムカデの頭部は、口の部分がジンの唇に当たったのだ。


 ムカデの頭部がジンにぶつかってから床に落ちるまでの時間は、僅かに1~2秒ほどだったであろう。

 しかし、その瞬間に周囲の冒険者は動きを完全に止めて、皆揃ってジンを見ていた。

 床をコロコロと転がっていくムカデの頭部、まるでこの辺りだけ、時間が止まってしまったかのような錯覚すらある。そんな錯覚を打ち破ったのは、


「いやーー、こんな死に方は嫌だーーー。だ、誰かーー、解毒を、解毒をしてくれーーー」


 そんな感じに慌てふためく、ジンの悲鳴だった。ジンは、散々に床をのたうち回っているが、そんな様子を見たリーナが遠慮がちに、


「あの~ジンさん……デスムカデの毒は経口摂取では効力を発揮しません……」


「……どうゆうこと?」


 リーナの言葉に、床に寝転んだままのジンが質問をする……まだ混乱しているようで、リーナの言葉の意味が分かってないらしい。


「つまり、ジンさんは死にません、ってことです」


 またもや周りの時間が止まった……かのような錯覚が、俺たちを襲う。


 ジンはゆっくりと起き上がり、服を軽く叩いて汚れを落とした後、


「ごほんっ、……テンマ危ないじゃねえか!いくらムカデの毒が経口……摂取?……では効果がないからって!」


 何事も無かったかのように、仕切り直して俺に詰め寄ってくる。その後ろではメナスやガラットを筆頭に、必死になって笑いをこらえている者が大勢いた。


「ジンさん、いくら毒が経口摂取では効果がない、と言っても、量が多いと中毒症状を起こしたりしますからね」


 リーナの一言に、ジンは動きを止めて、


「まじで……俺、大丈夫?」


「あれくらいならば問題ありません。コップ一杯くらいだと危険ですけど」


 その言葉に明らかにホッとしたような表情を見せるジン、


「ブハッ、も、もうダメだ……は、腹がよじれそう」


「み、見たか、ジンのあの顔……すっげえ安堵の表情をしていたぜ……」 


 後ろにいた二人は、我慢ができない、といった感じに爆笑し始めた。そして二人を皮切りに、周囲は爆笑の渦と化した。


「……だ、誰かーー、解毒を、解毒をしてくれーーー」


 俺が棒読みで先ほどのジンのセリフを繰り返すと、それを起爆剤として周囲はより一層笑い声が大きくなった。


「てめぇ、おいこら、テンマ!」


 ジンが俺を捕まえようと手を伸ばすが、するり、と躱して、


「いやーー、こんな死に方は嫌だーーー」


 更なる挑発を繰り返した。必死になって俺を捕まえようとするジンだったが、


「くそっ、捕まらねえ!メナス、ガラット!テンマを捕まえるのを手伝ってくれ!」


 遂に、仲間に助けを求めたが……二人は笑いすぎて、腹を押さえながら床にしゃがんでいる。

 あまりジンをおちょくるのも悪いので、


「悪い悪い、ジン。お詫びにこれをやるから」


 そう言って俺は、あるものをテーブルの上に置いた。それは……


「ちょっと待て!これは、ムカデの牙じゃねえか!」


 先程まで、ジンが大騒ぎしていた原因、とも言えるモノだった。


「あっ、毒なら心配ないぞ。毒は洗い流した上に、念のためアンチドート(解毒魔法)をかけてあるから」


 そうは言っても、ジンは近寄ろうとしなかった。それを見たガラットが、


「よかったじゃないか、ジン。ギガントデスムカデの牙ならかなり使えるぜ!」


 そう言ってガラットはジンの肩を叩くが、その顔は笑いをこらているようにも見える。

 そして、ガラットとは反対の肩をメナスが叩き、


「そうだよ、ジン。ムカデの牙を持つことで、苦手を克服するいいチャンスじゃないか!」


 そんな事を言っているが、メナスの顔もやはり笑いをこらえているように見える。


「そ、そうか?」 


 そんな風に二人に丸め込まれながら、ジンは恐る恐る牙をバッグにしまう。


「そう言えば、このムカデは初めて見たんだが、30階からはこんな奴がよく出るのか?」


 俺の質問に周囲が一瞬静まった。なにかまずいことを言ったかな?、と思ったら、正気に戻っていたジンが、


「それは本当か?こいつらは数が少ない上に、普通は40階層近くまで潜っても、滅多に見かけることができないはずだが……」


 そんな事を呟いてからギルド職員に知らせて、掲示板に注意するように書かれた紙を貼らせた。


「まあ、なんにせよお手柄だ、テンマ!これまで30階層付近での目撃例が無かったが、これからは注意して進むことができる。ムカデの毒にやられにくくなるだろうさ」


 ジンはそう言って、周りの冒険者達にも気を付けるように呼びかけた。

 そのついでに、ムカデの使用法を聞くと、身は苦味があって食えたもんではないが、干して乾燥させてから火であぶり、煎じて飲めば滋養強壮の薬になるらしい。

 さらにその甲は、軽く丈夫な為、防具に使えて魔法耐性も持っている。その為、身軽さを身上する者や魔法使いなどからは人気が高いそうだ。


「そう言えばテンマさん。ムカデの毒にも利用価値がありますよ」


 そう言ったのはリーナで、何やら遠慮がちに辺りを見回してから、そっと俺に近づき耳打ちした。

 それによると、ムカデの毒液に火を通して、数種類の薬草を煮出した液で薄めると、男性機能が元気になる薬ができるらしく、結構いい値段になるそうだ。

 毒は念のため瓶に詰めており、その量は500mlくらいある。しかし、今のところそんな薬に興味がないので、毒は狩りなんかの時に使おうと決めて、バッグに直しておくことにした。なお、毒は加熱すると効力が薄まるので、この毒を使って仕留めた獲物も、火を通せば問題なく食べられるそうだ。


 そんな感じで騒いでいると、二階からエイミィが降りてきた。

 どうやら色々とテイムや、雛達の育成方法について聴き終わったようなので、一緒に帰ることにした。


 道すがらエイミィは、育成方法について知った事を色々と教えてくれた。

 例えば、鳥型の魔物は虫型の魔物を餌にすると育ちがいいとか、餌に魔石や魔核を砕いたものを混ぜて食べさせると、魔力の多い眷属になりやすい、などであった。

 いくつかバッグの中に、ゴブリンやオークの魔核が大量にあったので、エイミィに分けてやった。

 最初は遠慮していたエイミィだったが、正直に言ってあげようとしている魔核は、質が悪く大量にあり、売っても大した値段にならないので遠慮する事はない、と少し強引に渡したら喜んでいた。


 今日のところは予定がなくなり、何かするにも中途半端な時間となっていたので、早めの夕食作りに取り掛かることにした。


 材料は……(一応)豚肉だ。まず一品目・トンテキ、二品目・生姜焼き、三品目・豚の角煮、四品目・酢豚、五品目・とんかつ、六品目・ローストポーク、七品目・軟骨煮込み、八品目・焼売、九品目・餃子、十品目・肉まん。

 今できるものを思い出しながら作ったら、こんな事になってしまった……本当は、もっと中華やヨーロッパの料理も作りたかったが、思い出せなかったのだからしょうがない。

 しかし、本命はこの中にはない。前世でも作ったことは無かったが、大体の作り方は知っている。

 その作り方は、骨をきれいにして、根気よく骨の出汁をとっていくとできるもので、玉ねぎや野菜、卵の殻を一緒に煮ていく事もある料理だ。しかしながら、煮込む時間が足りない上に、もう一つの主役が揃っていない為、今日のところは食卓に上ることはない。

 ああ、早く食べたいものだ……前世において、国民食とまで言われたあの料理……ラーメンを!しかも、俺の大好きだった豚骨ラーメンだ!

 それには麺も自作しないといけないが、最悪の場合はスープだけで我慢しよう。

 変な麺で食べるよりは、スープだけで我慢したほうがいいに決まってる!

 ゆくゆくは、鶏がらや塩、味噌、醤油とバリエーションを増やすつもりだが、まずは豚骨だ。幸いな事に、前世のテレビ番組で作り方を見る機会が多かったので、何とか再現できるはずだ!

 

 そんな風に気合を入れながら夜は更けていった。

 ちなみに料理はほぼ無くなりました……多めに作って、何回かに分けて食べようと思っていたけど、我が家の食いしん坊バンザイに、ペロリ、と食べられました……最近では、バンザイ二号が出来つつあるのが心配です。  by.テンマ        

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[気になる点] テイマーの謎で挙がったドラゴン等強力な魔物の使役条件と使役可能数の上限(同種では追加使役出来なくなっても他の魔物であれば使役出来た為)に関しては気になりました。  個人的な予想としてス…
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