アフターストーリー 『十年後のオオトリ家』
テンマの他の子どもたちの設定も考えていたので、その後の話を作ってみました。
最後の方に設定を書いています。
「兄さん、トウカ姉さんは?」
「トウカは婦人会に連れて行かれた」
「アンは?」
「アンも一緒だ。本人はああいった集まりは苦手だと言っているが、母さんとジャンヌ母さんが強引に引っ張って行った」
「アレン兄さんは?」
「いつも通り引き籠っている」
「クルトは?」
「もうすぐ来る」
春の祭りでオオトリ家として何か出し物をするようにと父さんから命じられたのはいいが、せめてもう少し早く言って欲しかった。流石に一か月前では、色々と時間がなさすぎる。おまけに、オオトリ家として兄妹の力を合わせてと言われたのに、半数がやる気がないと来ている。
「すいません、遅れました」
「遅いぞ、クルト」
「ショウマの言うことは気にしなくていい。クリス母さんと一緒に、今度の祭りの警備に関する会議に出席すると事前に聞いている。ああいった会議は、時間通りに終わることの方が珍しいからな」
警備を担当する騎士の大半は元冒険者や新人なので、どうしても説明が長くなってしまうのだ。
「それと……母さんからの命令で、下級騎士として祭りが終了するまで警備の方に参加するように言われました」
「クリス母さんには私の方から言っておくから、こちらに専念しろ。流石にお前まで抜けられたら、こちらの人手が足りなさすぎる」
「ですよね」
「兄さん、俺の方からディンさんにも口添えしてもらえるように言おうか?」
「頼む」
クリス母さんは何を考えているんだ……と一瞬思ったが、多分私に断らせることを前提でクルトに命令したのだろう。
将来的にオオトリ家を継ぐ身としては、いくらクリス母さんが父さんの妻の一人とは言え、身分としては私の方が上になるのだから、それくらいは断って見せろとでも思っているのだろうな。
「トウマ兄さん、トウカ姉さんは……」
「トウカとアンは婦人会に連れて行かれ、アレンは絶賛引き籠り中だ。ついでに、クイールとユエは戦力にならないから、初めから呼んでいない」
トウカとアンは仕方がないが、アレンはどうにかして引きずり出して手伝わせたいのだが……あいつが本気で部屋に引きこもったら、父さんかじいちゃんでなければ難しい。私でも出来ないことは無いが、恐らく一日がかりなってしまい、こちらの仕事が全く進まないことになってしまう。
「アレンは父さんが帰ってきてからお灸をすえてもらうつもりだが、今は出来る限り仕事を進めなければならない」
「仕事って言っても、祭りで何をするか決まっていないんですよね?」
「俺たちで勝手に決めたら、トウカ姉さんが文句言わない?」
それは確かに問題だ。トウカは自分の都合でその場に居なかったとしても、自分も参加しなければならないものの内容を勝手に決められるのを嫌うだろう。間違いなくごねるはずだ。
「せめて、ヨシツネさんがこの場に居れば、喜んで決定に従うだろうが、いない以上はこのまま進めなければならない。かと言って、私たちで決めれば文句が出るのは確実だ。そこで、今日はいくつかの案を出し、それぞれの案には何がどれだけ必要なのかを決めることにする。そうすれば、トウカも次の話し合いで自分の意見を言うことができる」
「それでも文句を言った場合は?」
「流石にそれ以上は許さん。トウカも私をオオトリ家の嫡男として認めた以上、私が譲歩した範囲で我慢してもらう」
いずれトウカは南部伯爵家に嫁いでいく身だ。オオトリ家の迷惑になるようなことは許されないし、それでもわがままを言うようなら、父さんにヨシツネさんとの婚約そのものを考えるように進言する……まあ、進言するだけで、本当に破談になるようなことはまずないだろうが、将来のオオトリ伯爵は結婚を認めないかもしれないとなれば、少しは大人しくなるだろう。
「それで、何をするかだが、トウカに文句を言わせないような案は当然として、同時にアレンにも協力させやすいものでなければならない」
「そうなると、食べ物関係か……アレン兄さんの得意分野だし、引っ張り出すことは十分に可能だな」
「ライバルは多いですが、食べ物の屋台でしたらクイールとユエも売り子として参加することができますね」
ショウマとクルトも、すぐに私の考えていることに行きついたようだ。
クルトの言う通り、オオトリ領は父さんの影響で食に関しては王国でも指折りと言われているので、祭りでは食べ物に関する出し物が多くみられるだろうが、アレンはオオトリ家でも三本の指に入る程の食通であるし、料理の腕に関しては父さんより上かもしれないのだ。
なので、アレンの気に入るような案を……いや、もしかしたら、アレンが作りたいものにすれば、アレンはもちろんのこと、トウカからも文句は出ないかもしれない。
「ショウマ、クルト、少し休憩していてくれ。私はアレンを呼んでくる」
アレンを呼ぶと言うと、二人は無理だと言うような顔をしたが、アレンに好きなものを作らせてやるという約束で交渉すると言うと、それなら出てくる可能性は高いと納得していた。
「それで兄さん、本当に何でも作っていいの?」
「ああ、流石に材料費が高すぎるものや、採算が取れないようなものは駄目だが、何を作るかはアレンが決めていい」
「よし! 丁度作ってみたいものがあって、さっきまでその道具を作っていたんだよね」
「それはナイスタイミングだ。それで、その道具の完成度はどうなんだ?」
思った通り、私はアレンを引っ張り出すことに成功した。しかも、アレンはこの話し合いを無視してでも作りたかったものがあったらしく、それを堂々と試作できる機会を得ることができてとても生き生きとしていた。
このままだと、話し合いを忘れてその道具とやらを完成させる為にまた引き籠りそうだったので、先にその料理がどんなもので、どういった材料を使うのかを聞き出すことにした。
「そう言うわけで、料理の材料費も道具の材料費も、あまりかからないと思う」
「ふむ、確かにどちらも思っていたよりも安く済みそうだな……道具の準備は、一週間でどれくらいできそうだ?」
「一週間もあったら、百個分は余裕で作れる」
「百もいらない……いや、念の為百は用意していた方がいいか。使わなければ予備として置いておけばいいだけの話だ。だが、まずは一度作ってみた方がいいだろう。幸い、料理に使う材料は、台所にあるものばかりだしな」
「例え台所に無くても、僕のマジックバッグに全部入っているよ」
「アレン兄さん、一回に何個作れるものなの?」
「一度に四個かな? ただ、一度に四個作れるのを二つ作ったから、計八個だね」
「それじゃあ、アムール母さんたちを呼んできましょうか? 食べた後でバレたら、もう一度作れと言われるのは目に見えていますから」
確かに、アムール母さんなら、台所に残っている匂いで何か美味しいものを作ったとすぐに分かるだろう。そうなれば、もう一度作れと言うのは確実だ。
「アムール母さんは、恐らくクイールとユエと一緒に中庭か裏の畑にいるはずだ。ショウマ、クルト、手分けして探してきてくれ」
「「了解!」」
二人の弟を見送り、もう一人の弟へと視線を向けると、
「キャベツよし、お肉よし、玉子よし、お出汁よし……」
私が少し目を離した隙に材料の準備を終えたらしく、今は材料の最終確認をしているところだった。
「それで、アレンは何を作るつもりなのだ? 見た感じ、お好み焼きの材料と同じもののようだが?」
「基本は一緒だよ。ただ作り方が違うから、普通に作るお好み焼きとは違う感じになると思ってね」
そう言ってアレンが取り出したのは、鉄板にフライパンのように取手の付いたものだった。だが、よく見てみると、その鉄板には円形のくぼみが四つあった。
「これとこれをこうすると、一つになるでしょ。だから、途中まで二つに分かれた状態でこのくぼみで生地を焼いて、ある程度火が通ったところで一つに合体させたら、面白い形のお好み焼きになるんだよ」
「なるほど、確かに変わった形だが、箸などが必要な普通のものと違って少し冷めれば手でもいけるな……実に屋台向きだ。そう言うことだから、どんどん試作品を作ってくれ」
「はいよ~」
アレンに新しい形のお好み焼きを作るように言うと、アレンは嬉々として生地をくぼみに流し込み始めた。
一度に四つ作れるが、最終的に二つを一つに合わせるので倍の八つを同時に焼かなければならないことになる。なので、まずは四つ分焼いてもらうことにしたのだが……
「兄さん、大誤算。これ、二つを合わせようとすると、その途中でこぼれそうになる……」
生地が半生の状態で組み合わせるので、組み合わせる時にどうしてもこぼれそうになってしまうということだった。
幸い、アレンが機転を利かせて、串で型から外したものを一つずつ片側の生地に乗せることでどうにか完成させたが、この欠点はちょっと無視できないものだ。
「とりあえず何個か出来たけど、思っていたよりも時間がかかった感じかな? 僕としては、二つに合わせた後は、火を強めてひっくり返しながら一気に焼き上げるつもりだったんだけどね……どうしようか? なんか、すっごく面倒になって来たよ」
傾けても生地がこぼれないくらいまで焼くこと試したが、そうすると二つに合わせた時に上手くくっつかずに、型から出した時に真ん中から割れてしまったのだ。それはそれで美味いのだが、それなら最初から片側だけで焼いた方がいい。
「そうだ、アレン。この金型のくぼみを片方だけ倍の深さにして、反対側は鉄板にしたらどうだ?」
「ん……ああ! それなら行けそうだね! それじゃあ、早速……」
「お兄ちゃん! おやつちょうだい!」
「ちゃんと手は洗ってきた、だから早くちょうだい!」
アレンが金型の改良版を作りに行こうとしたところで、ユエとクイールが乱暴に食堂のドアを開いて入ってきた。その後ろにはマリア様とルナ母さん、そしてアムール母さんもいる。
マリア様は二人に対して何か言いたげな顔をしていたが、まだ二人が幼いのと他家のことだからと遠慮しているのだろう。多分この後で、二人の代わりにルナ母さんとアムール母さんが注意されるに違いない。
「アレン、金型の改良は後回しだ。少し作りにくいが、このまま量産するぞ」
「は~い」
私だけならアレンはそのまま出て行っただろうが、流石に妹二人と母さんたちにマリア様がいる状況では、まだ自制できるようだ。
「クイール、ユエ、ショウマとクルトはどうした?」
「クルト兄はお片付け中!」
「ショウマ兄はユイナを呼びに行った!」
「クルトは押し付けられたんだね」
「ショウマは嫁を呼びに行ったか」
クルトがクイールの後片付けを押し付けられたということは、その場にマリア様は居なかったということだろう。いれば押し付けようとした時点で怒られているはずだ。
ショウマに関しては……まあ、いつも通りか。流石に許嫁をのけ者にするのはよくないと考えること出来るようになったのは、大分成長してきたという証だろう。こうなると、ユイナがつくづくアレンの許嫁でなくてよかったと思う。アレンなら間違いなくユイナのことを忘れて、後で喧嘩になるはずだ。普段は大人しいが、ユイナも気の強いところがあるしな。
「どんどん作っていくから、トウマ兄さんも手伝ってよ。早く終わらせて、新しい金型を試作しないといけないんだから」
「ああ、任せとけ。そこまで難しいものではなさそうだから、最後の合わせるところだけ気を付ければいいだけのことだ」
私がそう言うと、「じゃあ、全部お願い」などとアレンが口にしかけていたが、流石にここで逃がすほど私は甘くはない。それに、どうせもうすぐしたらトウカたちも帰ってくるはずだ。そうなれば私一人では手が足りなくなるのは目に見えている。
その後、二人掛かりで新型のお好み焼きを量産していったが、作り始めてからすぐにショウマたちが戻ってきたので三人増えて、しばらくすると屋敷に戻ってきたトウカたちが匂いに気付いて四人増え、その後も父さんやじいちゃん、アレックス様にディンさんにアイナにアウラと増えたので、私とアレンは全員が満足するまで焼かされることになってしまった。
それだけでもかなり疲れたと言うのに、このお好み焼きを食べた父さんが、
「オオサカ……大判焼きみたいな感じか」
などと、新発明だと思っていたこの料理と似たようなものを知っていたというのが判明し、アレンが部屋に引きこもる事態になってしまったのだ。ただ、引き籠りながらも金型の改良版はしっかりと作っていて、その金型は父さんも見たことがないと言ったのを聞いて、ようやく部屋から出てきたのだった。
それにしても……この間もあったことなのだが、アレンは引き籠るたびに身長が伸びている気がする。私も十五にしては身長が高い方で、成長期ということを考慮すればあと一~二年で父さんに並ぶか追い越せそうなのだが、アレンは三つも下だというのに私とあまり変わらない。おまけに、本人はあまりやる気を見せないが、魔法や格闘技の才能も私と同等……いや、もしかするとそれ以上かもしれないのだ。
私よりも強くなるかもしれないのは兄として喜ばしいことではあるが、同時に男としては負けられないという気持ちもある。
「兄としても辺境伯家の後継者として、もっと頑張らなくては……手始めに、今度の祭りで売り上げ一位を狙ってみるか」
去年、一昨年と、二年連続で売り上げ一位を記録している『満腹亭』のドズルさんは強敵だが、兄妹で力を合わせれば勝ち目はあるはずだ。売り上げ一位の為にも、綿密な計画と打ち合わせが必要だな。
そう決心した私は、早速トウカとアレンに声をかけたのだった。
物陰からトウマを見ていた父親と巨鯉SIDE
「えっ? 俺の子供、優秀過ぎない?」
「ホンマやな。わいやテンマは別世界の知識っちゅうチートがあるけど、トウマとアレンにはそんなもんが無いのにな。間違いなく、天才やで。そんなトウマに警戒されるアレンも、同じように天才って言っていいやろな」
「いやまあ、いい意味での警戒みたいだから、今のところは大丈夫そうだけど、兄弟で泥沼の喧嘩にはなってほしくないな」
「そこは大丈夫やろ。トウマは他に適任がいないから跡取りになったわけや市、もし仮にアレンが後を継ぎたいとか言い出したら、すんなり譲って自分はアレンの補佐に回ると思うで。まあ、アレンは自分の好きなことには夢中になるけど、興味のないことにはホンマに無関心やからな。そこら辺は、昔のテンマに似とる……いや、それ以上やな」
「ショウマとクルトも、いつも上二人の兄の陰に隠れているけど、普通に考えたら優秀だよな」
「二人共まだ十歳やし、十分すぎる程優秀やろ。むしろ、上二人が天才すぎるせいで、オオトリ家では優秀っちゅう評価になっとるけど、他のところやったら十分天才って言われるレベルやで。正直、オオトリ家の評価が厳し過ぎるわ」
トウカも上の男子二人程ではないにしろ魔法の才能はかなりあるし、もしかするとカリスマ性ではオオトリ家で一番かもしれない。
アンも接近戦はからっきしだが、最近は回復魔法や治療に関する技術の向上が著しいし、クイールは魔法が苦手な分、格闘技に関しては天性の才能を持っていると評判だし、何よりアムール譲りの勘を備えている。ユエは……幼いので分からないが、オオトリ家の子供で唯一王位継承権を持つ血筋で、現国王陛下の孫だ。血筋も才能である貴族世界では、かなり上位にくる存在である。
「もしかして、その気になったら子供たちだけでオオトリ領は独立できそうじゃない?」
「十分できるやろ。テンマも含めてオオトリ家はそんな野心とは無縁な人物の集まりやけど、もし身内に危害が加えられそうになったら、迷わずに各々が持てる力で抵抗するやろうし、場合によっては王国を敵に回して独立することも考えるやろ。まあ、なんかあったら、わいも皆の力になったるわ。わいはテンマと違って数千年は生きるやろうし、出来る限りオオトリ家に気を配っとったるわ」
「頼むな、ナミタロウ。ただ、無理はしなくていいし、もし俺の子孫がナミタロウを利用するだけの存在になったら、見捨ててくれてもかまわない」
「この時のナミタロウとの約束が、まさか数百年後に守られることになるとは、流石の俺も予想できないのであった……」
「変なナレーションは入れなくていい。とっておきの芋ようかんを出すから、プリメラたちを誘ってお茶にするぞ」
声色を変えてナレーションを入れるナミタロウに呆れた俺は、軽い突っ込みをナミタロウに入れてからプリメラたちを呼びに行こうその場から離れた。
「まってえな、テンマはん。そんなええもん食べさせてくれるんやったら、何百年でもオオトリ家の守護をやらせてもらいますさかいに……あっ! ようかんは分厚く、お茶は渋くでお願いします~」
物陰からトウマを見ていた父親と巨鯉SIDE 了
トウマ 家族会議(誰が跡を継ぐかという話し合いの中で、トウカたちから推薦されたものの一度は拒否、しかしその後、それじゃあ代わりにやるとクイールとユエが手を挙げた際、ショウマとクルトの必死の説得で承諾した)でオオトリ家の後継者に正式に決定した。
十五歳で身長が170cmなので、同年代では高い部類に入る。三歳下であるアレンに対抗意識を燃やす時がある。
トウカ 念願かなって、ヨシツネと婚約する。オオトリ家のある街の未成年女子のまとめ役であり、さらに男子たちからの人気も高い為、大人たちから未成年代表のような扱いをされることが多いが、あと数年で南部伯爵家に嫁ぐので、最近はアンを自分の後継者にしようと計画している。
身長160cmちょっとでスタイルもいいので、妹を含めた年下女子たちのあこがれの存在。
ショウマ 十歳にしてユイナと婚約し、婿入りすることが決まっている。ディンは婿入りするかどうかを決めるのは成人してからでもと言ったが、本人がオオトリ家の後継者争いを起こさない為にと強く主張したので、テンマとプリメラも了承した。ユイナとは婚約する以前から仲がいい。
二人の兄と比べると才能は劣り、それを本人も自覚しているものの全く気にはしていない。ただし、同い年のクルトとは何かと張り合ったりもするが、兄弟の中で一番気が合い仲も良い。
クイールとユエにはよくこき使われているが、あまり気にしていない。ただ、後継者決めの時に亜クールが立候補した理由がショウマとクルトを思いっきりこき使うだったので、必死になってトウマを説得した。兄弟の中で一番テンマに似ている。
アレン 才能は兄妹の中でもピカ一だが、自分のやりたいことばかりやるタイプで部屋に引きこもることが多い。初めの頃は家族全員が心配していたが、引き籠っている間に自分で勉強していたりオオトリ家に取手有用な発明などをしているので、今では皆基本的に好きにさせている。オオトリ家の引き籠りとして良くも悪くも有名。
自分の好きなことに対しては饒舌になるが、普段はのんびりしていることが多い。
一応、ジャンヌの持つアルメリア家の跡取りとなっているが、あまり興味が無いので妹のアンにどうにかして譲れないかと考えている。
身長がトウマと数cm差だが、体重は十kg以上重い。基本的に、少し長めの銀髪(髪を切るのがめんどくいので、一度短くしたら邪魔になるまでほったらかしにする為)。
アン ジャンヌの娘で九歳。一番下のユエを除けば接近戦の能力が一番低い(総合力ではクイールと大体同じ)ので、常に戦闘に特化した複数のゴーレムの核を隠し持っている。トウカに女子会(未成年女子の集まり)の後継者にしようと教育(プリメラたちも協力している)されているが、本人は気が付いていない。
アレンよりは髪の毛の色が白に近い銀色、ジャンヌのように伸ばしてはいるが、本人はトウカが伸ばしているからと言う理由で真似ているだけ。髪の色はともかく、スタイルまでジャンヌ似なのが最近の悩み。
クルト 家族間であっても、年上に対しては敬語で話す。それはショウマと同じく、後継者争いを起こす気がないと内外に示す為と、クリスの仕事の一つに領内の見回りがあり、その仕事の手伝いをよくさせられていて、相手がどんな身分であるか分からない状態で会う機会が多いので、クリスにかなり厳しく礼儀作法を叩き込まれている。
容姿が整っていて子爵家の嫡男なのに相手がいないので、女子からの人気が高い。同い年のショウマとつるむことが一番多い。
クイール アムールの娘で八歳。わがままな面が目立つが、基本的にアムールとショウマとクルト以外の言うことはちゃんと聞く。特にショウマとクルトに対してはよくわがままを言って困らせているが、それは二人に一番懐いているからでもある。
小柄だが運動神経と格闘センスは抜群で勘も鋭い。容姿や性格はアムールによく似ている。
ユエ ルナの娘で四歳。わがままではあるがクイールほどではない。いたずらもよくするが、それはクイールと一緒の場合が多い。オオトリ家の皆になついているが、一番はマリアでいまいちなのがアレックス。礼儀作法を含めた勉強はあまりやりたがらないが、兄姉の誰かと一緒なら素直にやる。
ユイナ ディンとアイナの娘で十二歳。最初はアレンの許嫁候補だったが、二人の相性があまりよくなかったので話は流れた。その後、相性のよさそうなショウマとの婚約話が持ち上がり、双方が承諾した。アレンとの相性が悪かった理由は、ユイナは割と面倒を見たがるタイプだが、アレンは基本的に何でも自分で出来る上に、あまり構われたくないタイプである為で、ショウマは身の回りのことが苦手で構われることを苦痛に思わないから。
両親の才能を受け継ぎ、身体能力の高さを生かしてメイドとしてオオトリ家で働いている。結婚してもメイドの仕事は続けたいと思っているので、子爵家の全てをショウマに任せるつもりだが、嫉妬深い一面もあるので、側室や愛人は絶対に許さないと婚約時に皆の前でショウマに言った。
アイナに似ているが、トウカに憧れて髪を伸ばしている。