第14章-2 帰宅
2月10日に、書籍版8巻が発売されました。
前回の更新の時に書く事ですが、発売日を勘違いしていたので報告が遅れました。
「ようやく帰って来れた」
「本格的に雪が降る前でよかったのう」
数か月ぶりに王都に帰ってきた俺達は、先程ギルドに直行して依頼完了の知らせをし、屋敷へと戻ってきたのだった。屋敷に帰ってきたのは『オラシオン』のメンバーとレニさんで、クリスさんとアルバート達とはギルドで別れた。それぞれ旅に出ていた間の確認などの作業があるので、帰ってきたばかりとは言え、やる事が沢山あるだろうとの事だった。
「ん? 誰か来ているみたい」
「まあ、留守中に馬車を使って来るのは、アレックス達の誰かじゃろう」
そんな話をしながらライデンを玄関前に着けると、タイミングよくドアが開かれた。アイナかなと思ったのだが、ドアを開けたのはクライフさんだった。
「お帰りなさいませ、テンマ様、マーリン様。本日は少し用事がありまして、お邪魔しております」
クライフさんの用事という事なので、王様でも来ているのかと思ったが違うと言われた。いったい何の用事なのかと思いながら屋敷に入ると、
「お帰りなさいませ」
「「お帰りなさいませ」」
玄関付近で待機していたアイナ達が出迎えてくれた……いつもとは違うところがあったので驚いたが、アイナの目が何も言うなと訴えているように見えたので、突っ込まずにそのまま通り過ぎた。
「ただい……ひっ!」
「ちょっと、アウラ……ひゃっ!」
「たっだい……ぶふっ!」
「レニ・タンタンと申します。短い間ですが、よろしくお願いします」
四者三様ともいうべき反応を見せた女性陣だったが、最初の三人はアイナに睨まれて急いで俺の後をついてきた。ただ、レニさんだけはその場に残り、丁寧にアイナとクライフさんにあいさつしている。そして、俺のすぐ後ろにいたじいちゃんはと言うと、「うむ」と言っただけで特に変わった反応は見せずに、足早に俺を追い抜かして食堂へと向かって行った。そして食堂に入ると同時に、大きな声で笑い始めた。
「我慢していただけか……まあ、気持ちは分からんでもないけど」
「うむ。分らんでも……ぶふっ!」
食堂の手前で噴出しているアムールに比べれば、じいちゃんは我慢した方だろう。そして、先程から大人しいジャンヌとアウラはと言うと、先程驚きすぎて悲鳴を上げそうになった時に睨まれた恐怖が抜けていないようで、青い顔をしながらゆっくりと進んでいた。
「とりあえず、おじさん達がいつ来てもいいようにお土産の仕分けをして……って、その前にジュウベエ達を見に行かないと」
そう思って廊下に出ようとしたところ、
「めぇえええええーーーー!」
ドアを開けた瞬間、黒い塊が勢いをつけて飛び込んできた。
「ほいっと!」
「へっ? ぎゃあーーー!」
メリーの足音が聞こえていた俺は、ドアを開けた瞬間を狙っていたらしいメリーの体当たりを簡単によける事が出来たが、全く気が付いていなかったアウラはメリーの体当たりをもろに背中で受けてしまい、数mほどメリーと一緒に転がっていった。
「め~」
「モ~」
「ただいま、アリー。タマちゃん、ただいまー」
メリーが飛び込んできた少し後に、今度はアリーがやってきた。タマちゃんも、食堂から一番近い窓までやって来て鳴き声をあげていた。
「今回は、アリー達にもお土産があるぞ」
その言葉を聞いたアリーは、いまいち意味が分かっていないのか首をかしげていた。なので、シェルハイドで購入した干し草の一部をマジックバッグから取り出して目の前に持って行ったところ、喜んで食べ始めた。
「美味しいか? じゃあ、ジュウベエ達のところで食べようか。メリー、来ないと食べ逃すぞ」
「めっ! めめめ、めーーー!」
「アムール、そろそろメリーを放してやってくれ」
「ん」
メリーは、アウラに体当たりした後でアムールにも体当たりをしようとして、逆に捕まってもがいていた。アムールから解放されたメリーは、駆け寄ってきたついでに俺にも体当たりをしてきたが、強くしすぎたら干し草がもらえないと思ったのか、いつもより威力がかなり低かった。
「ほれ、ここに置いておくからな。シェルハイド産の高級品だぞ」
高級品と言うのは嘘だが、シェルハイド周辺では馬が特産と言うだけあって、餌も質のいいものが多いとの事で辺境伯に販売元を紹介してもらい、大量買いしてきたのだ。
「さてと……そろそろ、クライフさんに理由を聞いてくるか」
話を聞く為に食堂に向かっているとその途中でアイナが待っていて、応接間の方へと案内された。そこでしばらく待っていると、
「お茶請けでございます」
「お、お茶、お茶でござ、あっ!」
「うぉあっつ!」
ぎこちない笑顔でお菓子を俺の前に置いたライル様は、ルナにお茶を浴びせられて悲鳴を上げていた。
「ルナ様! 紅茶はなみなみに注いではいけません!」
「そ、その前に、俺の心配を……」
アイナはルナを叱りながら、手早く撒き散らかされたお茶を拭いていた。代わりのお茶は、すぐにクライフさんが入れてくれたが、お茶をかけられたライル様はほったらかされたままだった。
「それで、二人がそんな恰好をしてうちにいる理由を、そろそろ教えてほしいのですが?」
「かしこまりました……その前に、少々お待ちください。ライル様、どこに行かれるのですか? 今からご主人様に説明しなければならないのです。私の後ろで、静かに立って待っていてください」
服を着替える為か、ライル様は応接間を出ていこうとしたが、クライフさんに呼び止められていた。
「実はこのお二人、マリア様の命により、執事とメイドの研修を受けていたのです。まあ、お二人とも、仕事と学業がありますので、毎日と言うわけではありませんでしたが……そして、テンマ様達が帰ってきた日がテストの日で、研修を延長するかどうかの判断を下す予定だったのです」
二人が何をしたのかは知らないが、マリア様の堪忍袋が切れるぐらいの悪さをしたのだろう。もしくは、日頃の行いが積み重なったかのどちらかのはずだ。
「それで、どんな感じですか?」
「とても出来が悪いですね」
俺の質問に、クライフさんは間髪入れずに評価を下した。クライフさんに一刀両断にされた二人は、それなりに自信があったみたいで、真逆の判定を食らってかなり落ち込んでいた。
「まあ、出来が悪くとも、お二人の頑張りは認めなければなりません。頑張りだけですが」
しかし、クライフさんの言葉の続きを聞いた二人は揃って笑顔を見せたが、
「もっとも、最終判断はマリア様が下すので、私はありのまま伝えるだけしか出来ません」
落として持ち上げられ、最後にまた落とされた二人は、絶望の表情を浮かべていた。
「色々と大変ですね。まあ、二人の事は分かりました。それで、帰ってきたのでお土産を持って行きたいのですが……」
「その前にテンマ様、マリア様に報告しなければならない、重要な事があるのではないですか?」
「確かにそうでした。とても重要な事があります」
俺は辺境伯の依頼の中で経験した、とても重要な話を王家にしなければならないのだった。
「その話は、テンマ様から直接マリア様にした方がいいでしょう。お疲れでなければ、今から報告に行った方がいいかもしれません。マリア様も、報告を待っているでしょうし」
「それじゃあ、ちょっと準備してきます」
そう言って俺はじいちゃんとジャンヌに説明をして着替えさせ、俺自身も汚れた服を着替えてお土産をマジックバッグに入れた。
準備を終えてクライフさんに声をかけると、クライフさんはジャンヌがいる事に少し驚いた様子を見せたが、ジャンヌも当事者の一人だと説明すると納得していた。
「テンマ、私も行く!」
「アムールは次の時に頼む。多分、マリア様達もアムールの話を聞くとは思うけど、先にジャンヌの話からした方がいいと思うから」
「むう……分かった」
アムールが引き下がったところで、俺達はクライフさんに先導されて馬車へと向かった。
アイナは一緒に王城に戻らず、もう少しルナとライル様の指導の為残るという事だったので、今日のところはアウラを休ませて、明日から仕事をさせるようにする予定だと伝えた。アイナは俺の指示に頷いていたが、本心ではすぐにでもアウラに仕事をさせたかったみたいで、喜びの声を上げるアウラを何度か横目で見ていた。
そんなアイナの近くでは、ルナが何か言いたそうにしていたが、今はメイド見習いの立場だからなのか、言いたそうにするだけで近寄ってこなかった。
「ルナ、さっきの失敗に関しては俺の方からマリア様に言ったりしないから、心配しなくていいぞ」
と声をかけたがその事ではなかったようで、首を振っていた。
「違うのか……ああ! お土産の方か! ワイバーンの肉を確保しているから、明日くらいには王城のコックが調理してくれるはずだぞ」
「ほんと! やっ……じゃなくて!」
ルナは喜びかけたが、聞きたいのはお土産の事ではなかったようだ。ヒントの少ないクイズだなと思っていると、ふとクライフさんを待たせているのに思い出したので、ルナに軽く謝ってから馬車に乗り込んだ。
そのままクライフさんの操る馬車で移動していると、
「マーリン様、テンマ様、前の方にクリスがいます」
との事だったので窓を開けてみてみると、確かにクリスさんがいた。しかも男性と……まあ、言い争っているみたいだったけど。
「無視しますか?」
厄介ごとの臭いしかしないので、クライフさんの言う通りにしようと思ったのだが……運悪く、クリスさんがこちらを向いた。そして、窓から様子を見ていた俺と目が合った。
「クライフさん、全力で離脱してください」
「無理ですな。すでにクリスは気が付いておりますし、何よりもこちらに向かってきております」
直線で速度を出していいのなら、クリスさんを振り切る事は出来るだろうが、街中で小回りができない上に正面から向かってきているのだ。どうやっても転回中に乗り込まれてしまう。
「それじゃあ、ここで止まってください。せめて、ここまで歩いてきてもらいましょう」
そして、待つ事三十秒……クリスさんは競歩のような歩き方で馬車までやってきた。
「近衛隊所属、クリス。只今より任務に復帰します!」
「了解しました。では、お客様の護衛任務に就いてください」
クリスさんはクライフさんに報告し、馬車に乗り込もうとしたが、
「クリスティーナ、まだ話は終わってないぞ!」
追いかけてきた男性がクリスさんを呼び止めた。だが、
「近衛隊の任務に復帰すると言ったのが聞こえていなかったのですか? この馬車に乗っているのは、王家への客人です。その護衛に就くという近衛の任務を邪魔するという事は、王家への不敬罪に当たる可能性が出てきますが、覚悟の上での事なのでしょうか? それと、私の名はクリスであり、クリスティーナなどではありません。それに、あなたは準男爵の位を持っているようですが、近衛兵は男爵相当の権力を陛下より授かっております。その意味を、ご理解しているのでしょうか?」
クリスさんは、これまでに見た事がないくらいの冷たい目で男性を見ている。いや、冷たいどころか、これ以上男性が食い下がれば、即座に斬り捨ててしまうのではないかと言う怖さがあった。
「クリスさん、マリア様を待たせているので、早く王城に向かいたいのですが?」
「お待たせして申し訳ありません。すぐに参りましょう」
男性は、クリスさんが本気で怒っているのに気が付いたのか、マリア様の名前が出たからなのかは分からないが、それ以上クリスさんを引き留めるような事はしなかった。ただ、クリスさんを睨むように見ていたので、納得はしていないのだろう。
そしてクリスさんは、男性の存在などなかったかのように無視し、馬車に乗り込んだ。
「いや、本当に助かったわ。あいつ殺したいくらいにしつこくて……テンマ君達が通りかからなかったら、本当に殺していたかもしれないわね」
クリスさんは馬車が発進するなり、いつもの雰囲気に戻っていた。
「それでクリスさん、先程の人は誰なんですか? それと、クリスティーナと言うのは?」
俺の質問に、クリスさんは心底嫌そうな顔をしながらも、助けてもらった手前黙ったままでいる事は出来ないと思ったのか、
「元父親よ。そしてクリスティーナというのは、昔名乗らされていた名前ね」
そっぽを向きながらそんな事を言った。前に聞いた話では、クリスさんは実家と縁切りをしていて、その理由がクリスさんを利用してうまい汁を吸おうとしたからだと聞いた事があるが、実際はもっとひどい話だそうだ。
「私が十二歳の頃に、あの男が縁談を持ってきてね。まあ、貴族の子女なら、十二歳で婚約者がいるというのはある話ではあるけど、婚約じゃなくて結婚よ! しかも、相手は四十過ぎのおっさん!」
クリスさんは、話しているうちに腹が立ってきたらしく、かなり興奮していた。
「子供ながらにありえない話だろうと思ったのに、あの男だけでなく、その妻の方も乗り気でね! 怪しかったから二人の部屋に忍び込んで調べてみたら、あの男は四十過ぎのおっさんに大金を借りていたらしく、その借金のかたに私を渡そうとしていたのよ。そして妻の方は、どう考えても私の方が長生きするから、そのおっさんの家を乗っ取る事ができると考えたそうね。ちなみに、そのおっさんは子爵だったわ」
十二歳だったクリスさんは、どうやっておっさんとの結婚を回避するか考えた末に、家出を決意したそうだ。そして、次の日には王都に向けて出発したとの事だった。その時の旅費は、家にあった父親と母親のへそくりだそうだ。
王都に到着したクリスさんは、真っ先に兵士達の詰め所に駆け込み、自ら家出の理由を説明。そこから、クリスさんの扱いに困った兵士が王都騎士団の本部へと報告。さらに騎士団も扱いに困り、王様に報告したそうだ。
流石の王様も前例のない事態に驚いたらしいが、すぐにクリスさんの保護を決め、実家と子爵のおっさんに警告し、クリスさんの希望通り縁切りを認めたらしい。その後、クリスさんは孤児院に行く事になりかけたが、試しに受けた学園の入学試験の結果がかなりの好成績だった為、次の年の入学試験に挑戦し、見事に推薦枠を獲得したそうだ。ちなみに、それまでの生活費は元家族からの賠償金(無理やり結婚させようとした事が虐待と認められた)であり、足りない分は王城でクリスさんの世話をした騎士に保証人となってもらい、王都の金貸しから借金したらしい。ちなみにその騎士とは、ジャンさんの事だそうだ。
「最近までその存在を忘れていたというのに、私が武闘大会で優勝した事と、まだ結婚してない事を知って、恩着せがましく縁談を持ってきたのよ。本当に学習しない奴ね。そもそも、陛下が直々に縁切りを認めている以上、今の私はあいつより上の権力を持つ貴族なのだし、そもそも私に干渉してくるという事は、陛下の決定に逆らうような行為だという事を理解していないのよ」
その後も俺は、馬車の中でクリスさんの愚痴を聞かされ続けた。その間、じいちゃんとジャンヌは、寝たふりをしてやり過ごしていた。
「クリス、そろそろおしゃべりを止めなさい。一応、近衛隊の任務に復帰したのでしょう?」
ずっとしゃべり続けていたクリスさんは、クライフさんの言葉で静かになった。
「王城の門か……」
あの男から逃げる為とは言え、人の目があるところでクライフさんに任務に復帰すると言ったのだ。そう宣言した以上、門をくぐる前に気持ちを切り替えたのだろう。
馬車は門を通過し、そのまま玄関前まで進んだが、クリスさんは玄関に到着する少し前に馬車を降りた。どうも、緊急時以外騎士団の制服を着ていないと王城の中へは入る事が出来ないらしく、先に宿舎にある自室で着替えてくるそうだ。
「マリア様、テンマ様を連れてまいりました」
クライフさんにマリア様のいる部屋まで案内してもらうと、中にはマリア様と王様、シーザー様とイザベラ様、ザイン様にアーネスト様がいた。
「マリア様、依頼は無事完了しました。お土産の方は、後で厨房に運んでおきます」
「ええ、ありがとうテンマ。それと、お帰りなさい」
マリア様達とあいさつし、報告があると言うと空いている席を勧められたので三人とも座った。マリア様達は、いつもは後ろで立っているジャンヌを座らせた事に疑問を持ったみたいだったが、ジャンヌも関係のある話だというと頷いていた。
「それで、報告というのは何かしら?」
どことなく嬉しそうなマリア様だったので、旅の感想だと勘違いしているのかもしれない。
「報告があったかもしれませんが、大老の森で厄介な魔物が現れました」
「そっちの方!」
「ええ、リッチです。リオンが詳しい情報を流すと言っていましたが、俺の方から直接感じた事を報告した方がいいと思いまして。ジャンヌを連れてきた理由ですけど、ククリ村に行ったメンバーの中で、唯一リッチの罠にかからなかったのがジャンヌなんです。ですから、俺よりはその時の詳しい状況を説明できるかと思ったので連れてきました……って、何かおかしいところでもありましたか?」
マリア様達の反応が少しおかしかったので、思わず口に出してしまったが、マリア様達は「何でもない」と言って首を振った。
その後、リッチとの交戦結果に感想、ジャンヌから見たその時の俺やじいちゃん達の様子を伝えた。その中で、魔法が得意で人より耐性が高いと思われる俺とじいちゃんですら、リッチの罠に知らずのうちにかかってしまったのに、なぜジャンヌだけが正気のままで自由に動く事が出来たのかと言う話になったが、はっきりとした理由は分からず、たまたま罠のかかりが浅かったのだろうという事になった。ただ、『鑑定』が使える身としては、ジャンヌの持つ『聖女』の称号が関係していると思うのだが、『鑑定』が使える事自体秘密にしているし、何より『聖女』の称号がどういう風に影響していたのか分からないので、『たまたま』という結論に賛成した。
「それじゃあ、ちょっとお土産を厨房に運びますね」
「テンマ、それはクライフにさせるから、クライフにお土産を渡して頂戴」
話が落ち着いたところで、ワイバーンの肉を厨房に運んでおこうと立ち上がったところ、マリア様から待ったの声がかかった。まあ、客としてきている状態なので、運ばせるのはおかしいだろうと判断したのだろうと思い、クライフさんの持つマジックバッグにお肉を移し、そのまま席に座りなおした。
「テンマ、まだ私達に報告する事があるんじゃないかしら?」
マリア様がそんな事を言うので少し考えて、
「辺境伯領の国境線で、魔法で砦を作りました」
軍事的な事に協力した事かと思ったのだが、それも違った。
「辺境伯領のスパイの件ですか?」
「それは、すでにハウスト辺境伯から知らせが来ている。そしてその件は、辺境伯家に一任した」
マリア様の代わりに、王様が答えた。マリア様が口を開かないという事は、この答えも違うようだ。
「カノンの事……ではないですね。もしかして、結婚式でゴルとジルの糸を使った事ですか?」
セルナさんのウエディングドレスについて、何か問い合わせがあったのかとも思ったが、首を横に振られた。ただ、結婚式のところには反応していたので、その辺りの話のようだ。
「じゃあ、仲人をした事ですか?」
「それよ!」
ようやく正解を導き出したのだが……どうやら、ここからが本番のようだった。




