プロローグ・異世界編
異世界編のプロローグといった感じです。
「起きたかい?天馬君」
天馬が目を覚ますとそこには10本の光が立っていた。
「ここはどこだ」
天馬の呟きに光の一つが近づいて来て…否、来ようとして他の光達に突き飛ばされ、顔?から見事なスライディングを決めていた。
「この子いい子よ~!こんな子これまで来なかったわ~」
と、抱き着いてくる女性っぽい光に、
「来てくれたのがこの子でよかったわ~」
と、微笑みを浮かべてそうな声で近寄ってくる光(これも女性っぽい)に
「あんな事をいう奴は初めてだっ!」
と、背中を叩いてくる光(なんかおっさんみたい)や少し離れて俺の体全体を見ている2つの光に無言で近づいて来て体の匂いを嗅いでいる光(変態かこいつ)、俺の体を触りながら(下半身含む)体をくねらせている光(こいつの方が変態だった!なお、大事な所は死守しました)、それに女性っぽい光達の後ろから見ている光とその横で恐る恐るといった感じでこちらをみている光(こいつだけ黒みがかっている)に囲まれた、なかなか友好的そうだが顔が見えないのでよくはわからない。戸惑っていると突き飛ばされていた光が
「皆、天馬君が困惑しているからいったん離れて!」
その言葉をきっかけに落ち着いていく光達だったが
「顔や姿がわからないから誰が誰だか判断がつかないんだが」
との天馬の一声でまた騒がしくなっていく、さらに
「あっ、天馬君が私達の姿が見えるようにするのを忘れてた。ごめ~んね。てへっ」
の言葉で突き飛ばされていた光(たぶん俺を連れて来たやつ)が数個の光に殴られて?いく、その間に微笑みを浮かべて?いた光が近づいてきて俺の目の辺りに掌?を当ててきて
「少しじっとしててね~」
と、言うと同時に目の辺りが温かくなってきた。
「もういいわよ~」
1~2分程で手が離されると目の前には、柔和な笑みを浮かべたおっとりとした感じの美人が立っていた。しかも巨乳だ。
その横には、スレンダーな体型でノリの軽そうな美人がいる。この美人が抱き着いてきた光だろう。
近くには恰幅の良い女性(宿屋の女将さんみたい)と女将さんの後ろから覗き込んでいるちみっこい女の子(見た目10歳くらいか)がいる。
少し離れて、15歳くらいの少年がタコ殴りに遭っている、殴っているのは筋肉隆々といった感じの男性(おっさん)に狼っぽい動物…じゃなくて動物の毛皮を被った男性、そしてイケメンな男性(まじでカッコいい)けど動きが変というか怪しい…あっ目が合ったこっちを見てウインクしてるついでに投げキッス、こいつか!さっきの変態は!がっかりだよ!
しばらく眺めていると、2人の男性が声を掛けて来た。1人はナイスミドルな渋めの男性、もう1人はフードを深く被った魔法使いのような男性だ。
「初めまして天馬、私は破壊神だ。こっちのフードは魔法神だ、よろしく」
「どうも」
ナイスミドル、フードの順であいさつをしてきた、それに続いて女性陣がやってくる。
「初めまして天馬ちゃん、私は愛の女神よ!よろしくね!」
「私は大地の女神をやってるの~、よろしくね」
「あたしは生命の女神さ、よろしく天馬っ!」
「僕は死神…よろしく」
順に、スレンダー美人、おっとり美人、宿屋の女将、ちみっこだ。
そこに殴り飽きたのか3人がやってくる。
「おうっ、わしは技能神をやっているんだ!よろしくな天馬っ!」
と、背中をバシバシ叩いてくるおっさん。かなり痛い。
「…………我は獣神………」
後ろから近づき匂いを嗅ぐ狼…の毛皮を被った男性、狼だから匂いを嗅いでいたのか、納得……できねーよ!食べられそうでちょっと怖いぞ!
「はぁ~い、あたしが武神よ、よろしくね。て、ん、ま、ちゃん!チュッ」
野生?のオカマがあらわれた。オカマの攻撃『投げキッス』、天馬はかわした、野生?のオカマは残念そうだ。……危なかった~。
「ごほんっ!改めて初めまして天馬君、私が君を連れて来た創世神だ!よろしく」
15歳くらいの少年が声を掛けて来た、頭には漫画で見るようなたんこぶが8個程できている。…タコ殴りにされてケガがあれだけというのもある意味すごいな。
「みんなよろしく、俺は鳳天馬だ。取りあえずこれからどうなるのか誰か説明してくれ」
「そうだね、じゃあ私から説明するよ。まずはそれに座ってくれ」
創世神を名乗る少年が指をさすと、椅子が天馬のそばに1脚と天馬を囲むような形で半円形に10脚現れた。少年は居住まいを正すと、
「改めて初めまして天馬君、そしてようこそ私たちの世界『ファンタズマ』へ、と言っても私達しか世界の名前を知らないんだけどね」
「その前に質問していいか?」
「どうぞ」
創世神が答えるのを待ってこれまでで一番気になっていた事を聞くことにした。
「何々の神というのは聞いたが、まだ名前を教えてもらって無いんだが」
創世神はキョトンとした顔の後で
「名前?そんなの無いよ、強いて言えば何々神というのが名前だよ」
今度はこちらの方がキョトンとなって
「不便じゃないか?」
と聞き返していた、だが創世神は
「神の名前なんて時代と統治者が変わればちょくちょく変わっていくし、人間が勝手に付けた名前を名乗るのはなんか嫌だからね。めんどくさいし」
絶対に最後のが本音だろうな、とは口に出さずにおく。
「まあそれはさて置き、まず君に言っておきたいのは、この世界に転生したからと言って君にやってもらいたい事があるわけでは無いという事、君が生まれ変わった時点でこちらに呼んだ理由がなくなるからね。自由に生きていいよ。まあさすがに世界を滅ぼすとか、殺戮の限りを尽くすとかになったら私達が介入すると思うけどね」
と、冗談めかしてはいるけど冗談を言っている雰囲気ではない。
「わかった、肝に銘じておく」
「そうしてくれると助かるよ、いざ介入するとなったらめんどくさいからね」
そればっかりだな、創世神。
「何かチート能力が貰えると言っていたけど、どういうのが貰えるんだ」
「うん、まずは定番中の定番、『鑑定』だね。便利だよ、これは。他には『成長力増強』、これはあらゆる成長力・経験値なんかを他の人たちが貰える量に比べて10倍近く増えるよ、後は君を気に入った神達がそれぞれの加護かチート能力をあげる感じかな。ここに居る神達はあげることを決めているよ」
「どんなのをくれるんだ?」
「それは内緒だよ、生まれ変わってからのお楽しみさ。でもこの数の神から能力を貰えるのは君が初めてだよ。よかったね」
「初めてってことは過去にもこの世界に来た奴がいるのか?」
「いるよ。全部で4~50くらいかな。まあ、中には人ではなく犬だったり猫だったり、変わったのでは魚だった事もあるよ」
「魚…」
「ちなみに日本産の鯉だった。たしか、ナミタロウとかいう巨鯉で2メートルを超えてたよ。転生してすぐに釣り上げられていたけど」
「かわいそうに」
「人間が一番多かったけど性格の悪いやつもいてさ、誰からも加護やチートを貰えないやつもいたよ、でも大体1人か2人はチートをあげていたよ」
「それを考えると多いな、ありがとう」
「どういたしまして、じゃあそろそろ始めようか、あっ、前世の記憶とかはどうする」
「残してくれ」
「わかったよ、君が寝ている間に終わるからね、目が覚めたら生まれ変わっているよ。それと生まれ変わるといっても私達が体を創るから君には親がいない、その代わりに君を育ててくれそうな人の近くに連れていくよ。最悪の場合でも加護があるから何とかなるはずだよ」
「かなり無責任だな、まあいい、そろそろやってくれ」
「いいんかい!まあ、なるべく優しそうな人を探してみるよ。じゃあ始めるよ。天馬君、君の第二の人生が幸せであることを祈っているよ。おやすみ」
「ああ、おやすみ」
天馬が眠りについた後
「さて、これから天馬君に加護やチートを授けていこうか、私は『鑑定』と『成長力増強』のほかに『創世魔法』と『付与魔法』、ついでに『隠蔽』をあげるよ、もちろん加護もね」
「私は、加護に全力をつぎ込むわよ。というよりそれしか無いけど」
「愛の女神の加護ならいい人たちと巡り合えるからいいじゃないですか~、私は加護と『探知能力』をあげようかしら~」
「あたしは『生命力増強』と『回復力増強』と加護をあげるよ」
「僕は『即死耐性』と『異常効果耐性』かな、加護はなしで」
「別にあいつなら気にしないと思うぞ。わしは『技能習得力増強』と加護だな」
「僕は『全魔法属性』と『魔力増強』と加護をあげるとしよう」
「…我は『感覚強化』と『眷属強化』と加護…」
「俺は『破壊耐性』と『破壊力増強』と加護だな」
「あたしは~…『あたし自身』きゃっ!」
「「「まじめにやれ・しなさい・しろ」」」
「なによ~みんなして、わかったわよ、じゃあ『あたしの愛』!」
「「「全然わかってない」」」
「しかたないわね~、『武芸百般』と『身体能力増強』と加護よ。これならいいでしょ!」
「決まったね、それじゃあ天馬君に付与するよ…………よしっ、できた。取りあえず今現在の能力を見てみよう」
名前…鳳天馬
年齢…25
種族…人族
称号…神々の寵児
HP…15000(50000)
MP…15000(50000)
筋力…B-(S+)
防御力…B(SS)
速力…B(SS)
魔力…C+(S+)
精神力…A(SSS-)
成長力…C(SSS)
運…D-(B)
スキル…剣術8・格闘術8・投擲術8・料理8・棒術7・忍耐7・解体7・槍術6・罠6・夜目6・弓術5・斧術4
ギフト…神々の加護10・鑑定10・隠蔽10・探知能力10・技術習得力増強10・眷属強化10・成長力増強8・生命力増強8・回復力増強8・異常効果耐性8・感覚強化7・身体能力増強7・破壊力増強5・魔力増強5・創世魔法5・付与魔法5・破壊耐性5・即死耐性5・全魔法属性5・武芸百般5
「…これはやりすぎたかな」
創世神の呟きに他の神達は苦笑いをするしかなかった。
今回でプロローグは終わります。次回から本編に入りたいと思います。
死神が加護をやらないといったときに、技能神が気にしないと思うと言ったのには、過去に転生した奴が死神の加護を嫌がったり、死神の加護を授かった者は早死にするなどと言われた事を気にしている為です。これは事実ではなく、ただ単に死んだ者の死因を考えたときに目につきやすいためこんなデマが広がったようです。加護持ちの死亡率は基本的に変わりません。
愛の女神は基本的に女性向けの能力やR18指定されそうな能力が多いため天馬に合いそうなのを思いつかなかった為です。(夜の運動会に役立つもの等)
創世魔法は思ったものを創り出す魔法で使いようによっては万能に近いです。
武芸百般は武器や武術の使い方ややり方の理解力、習得力を上昇させるものですぐに達人級になれるわけではありません。ちなみに、スポーツのように体を動かす事にも適用されます。
技術習得力増強は武芸百般では反映されない、料理や絵画、鍛冶仕事のようなものに適用されます。
ステータスでは一般人の平均がHP2000~、MP500~、各能力がD-~C+くらい、平均的な騎士や中堅どころの冒険者でHP5000~、MP2000~、各能力がC-~B+、一流の騎士や冒険者でもHP15000~、MP8000~、各能力がB~A+と言ったところです。
天馬の能力値のカッコなしは転生前の能力でカッコ内が加護やチートにより将来的に得られる能力の予測値です。転生直後はさすがに能力値は低いですがすぐに強くなる予定です。
今後の神様たちの出番はあまり無いと思います。