第11章-9 ハウスト辺境伯家
「では、これで依頼完了という事でいいですね」
「ああ、助かった。追加の騎士達が布陣した事で、あの人数でこの陣を抜けるのはほぼ不可能と言っていいだろう。それもこれも、テンマ殿の作ってくれた塀のおかげだ」
ワイ汁を振舞った日から数日後、辺境伯軍からの追加の人員と、他の貴族達からの援軍が到着した為、国境軍は総勢一万を超える規模にまで膨れ上がったのだ。それは貴族の騎士や兵士達だけでの人数なので、冒険者達まで含めると、一万五千近くになるのではないだろうか。
しかも、事前に援軍として来た騎士達には、スパイが発見され捕縛したと言う事も通達してあるので、それぞれの軍から信頼の置ける者達で憲兵隊を組織し、常に目を光らせる様にしたので、前よりもスパイ達は活動しにくくなっている事だろう。ちなみに、援軍に来た騎士達には、すでに副団長の秘書がスパイだったという事を伝えており騒ぎになりかけたが、事前にサンガ公爵軍とサモンス侯爵軍の幹部達には事情を話して副団長の味方をする様に命令が出されていたので、すぐに収まった。なお、その二つの援軍が占める割合は、合わせると全体の二割ちょっとしかないが、元々辺境伯軍が過半数を占めている状態だった為、他の貴族軍は合わせても全体の三割もない状況では何も言う事は出来なかった様だ。
「塀もあれから強化していますから、少々の事では壊れないとは思いますけど……相手の土魔法には気をつけてください。早めに補強した方がいいと思います。出来れば石だけではなく、木や鉄なども使った方が魔法攻撃に対しても長持ちするようになります」
土壁を出来るだけ圧縮してはいるが、土魔法で分解されれば結構もろい。なので石や木、鉄などで補強する事で、少しでも破壊される時間を伸ばす工夫が必要になる。その事を副団長に伝えると、すでに材料は発注してあるとの事だった。
「それと頼みがあるのだが……」
「もし誰かに御子息の事で意見を求められても、我関せずを貫くつもりです……リオンにも聞かれましたけど、私は内部干渉する気はありませんし」
もしこの事で俺が口出しをしてしまうと、下手をすれば辺境伯家の中で変な派閥を作ってしまうかもしれない。もし辺境伯の親族で乗っ取りを考えている者がいた場合、俺の力を利用するくらいの事はしそうだ。何せ、俺の後ろには王家がいるし、世間では現辺境伯がククリ村の事件で加害者側とされてしまっているのだ。よからぬ事を考えている連中にしてみれば、俺は都合のいい神輿に見えるだろう。
なので、秘書の件に関して俺は中立を保つ事にしている。もちろん、それなりに見返りを求めての事だ。
「私としても、辺境伯様やライラ様とは、友好的な関係でいたいですしね」
知らない人が聞けば、俺が副団長を脅していると勘違いしそうなセリフだが、副団長は安心したみたいだ。その代わり、リオンの方は嫌そうな顔をしていた。なぜなら、俺に対する辺境伯家の窓口担当はリオンだからだ。そして、苦労するのもリオンだからである。まあ、辺境伯や副団長の名前を出してはいるが、要はリオンをこき使いますという事だからな。
「それじゃあ、辺境伯のところに行くか? リオン、道案内を頼むぞ」
「ああ、任せろ……」
自分が報酬にされているのが気にかかるのか、いつもより元気のない返答だったが、すぐに元に戻るだろう……三歩で、という事は流石にないだろうが。
「それじゃあ、まずはこの間の町ね。さあ皆、馬車に乗って!」
最初の目的地はここに来る前に寄った町で、最初の御者はクリスさんだ。クリスさんが張り切っている理由とは……
「姐さん……もう着る服がなくなったんすか? 洗濯くらいしましょうや、ぐあっ!」
「違うわよ!」
「リオン、服や下着はジャンヌとアウラが洗濯していたから、いくらクリスが家事下手でもそれはない! きっと人には言えない、恥ずかしい汚れを作っただけ!」
「アムールも黙りなさい!」
リオンは呆れた表情でクリスさんを見ていたところ拳骨をくらい、アムールはクリスさんの拳を軽くかわしていた。まあ、クリスさんが家事下手なのは今更の事だし、ジャンヌ達の仕事は俺達の身の回りの世話なので別におかしい事ではない。
そういう思いでクリスさんを見ていると、クリスさんは何やら弁明を始めたが皆軽く流して馬車に乗り込んでいった。まあ、その『恥ずかしい汚れ』とは、非番の時に飲んだ酒で酔い、吐いた時に出来た汚れの事だろう。クリスさんは隠しているみたいだが、アムールの密告により、皆知っている。その後、もう一度リオンが殴られる音が聞こえたが、いつもの事なので誰も何も言わなかった。
「取り敢えず、この前の宿でいいよな? あそこなら多少融通が利くし」
リオンの提案で、前に泊まった宿へと向かったのだが……鍵を受け取る際に、「この前の様な騒動は起こさないでくださいね」と目だけが笑っていない表情で言われた……リオンが。
「俺って、この領地の次期当主だよな?」
リオンの呟きに誰一人として答える者はおらず、それぞれ割り当てられた部屋へと足早に向かっていった。まあ、クリスさんはすぐに部屋を出て、衣服を扱っている店に買い物へと出かけて行ったが。
「しっかし、この町もだいぶにぎやかになったね」
「それはそうじゃろう。なんて言ったってこの町は、ハウスト辺境伯領内で一番物の価値が上がっているところじゃからな」
まあ、戦争の時が一番物価が上がるときだろうから、それに近い状況になっている状況の国境線近くのこの町は、商人にとって拠点にするには最高なのだろう。
「それも、国境線が安定するまでの話だろうけどね」
「じゃな。テンマの活躍のせいで、これから先の事を考えて皮算用している商人達の中には、かなりの損をする者も現れるじゃろうな。まあ、自業自得じゃろうがな」
普通なら、これから拠点作りの工事や軍相手の商売などで、かなりの利益を見込める商いが出来るだろうが、その内の拠点作りで一番費用がかかると思われる塀は、すでに俺の魔法によって大まかながら出来上がっているのだ。しかも副団長は、すぐに浮いた予算で補強用の資材を発注しているという。つまり、商人が値段を上げる前に通常価格、もしくは割引価格で辺境伯軍に売っている事になるわけだ。
これから資材で儲けようと思っても、塀に関して言えばほとんど需要は見込めず、もし拠点が出来上がったのを見て敵軍が引き上げたとしたら、他の商売も儲けが薄い可能性がある。そうなると、良くてトントンか、悪ければ輸送費などで借金だけが増える事も考えられる。
「まあ、そこまで考える必要はないか。どうせ人ごとだし、俺は辺境伯の依頼通りに動いただけだし」
「そうじゃの。辺境伯の方が、商人達より上手じゃった……という事にしておくのがいいじゃろうな」
何かあっても、それは依頼主である辺境伯に丸投げすればいいだろう。そもそも、今回の俺達にはリオンも同行しているので、全ての責任はリオンにある。
「俺達が得たものは、依頼料にワイバーン退治の栄光と素材による利益、そして国境線のちょっとしたお手伝いによる手柄……で、いいよな?」
「「「異議なし!」」」
じいちゃんとの芝居がかった話を終え、振り返って後ろで聞いていた面々に問いかけると、アムールとアルバートとカインが大きな声で返事をした。これで過半数の賛成を得た事になるので、これを俺達の基本方針とする事に決定した。
「いやぁ、辺境伯と会う前に意見の統一が出来てよかった、よかった」
「いや、統一は出来ていないからな!」
リオンはこの場にいる者の中で唯一反対の姿勢を見せているが、当然のごとく却下された。
「ふぅ~……以前より高くなっていてまいったわ……って、どうしたのよ?」
「聞いてくださいよ、姐さん……」
リオンの意見を却下したところで、買い物を終えたクリスさんが戻ってきた。クリスさんは部屋の雰囲気に違和感を感じたのか、一番近くにいたリオンに声をかけた。リオンは、ここぞとばかりに一人でも多くの賛同者を作ろうとしたのかもしれないが……
「当然、私も異議なし!」
となるのだった。まあ、どう考えても当たり前だろう。
これでリオンを除いた全員が、俺の味方になったというわけだ……というか、反論しているのはリオンしかいないとはっきりしたという事だ。
「それじゃあ、夕飯まで解散! 各自、これ以降外に出かける時は、誰かにちゃんと報告してから行く事! 特に、ジャンヌとアウラ」
二人は以前、ナミタロウに何も言わず出かけ、そのまま攫われるといった失態を犯しているので、念の為名指しで注意した。流石に二人共あの時から成長しているはずなので、そういった事は起きないと思うが、そういった時にこそ失敗するのがアウラなので、用心するに越した事はない。
「何で名指しなんですか~」
アウラは不満みたいだが、ジャンヌは頷いていた。まあ、片方がわかっているなら大丈夫だろう。取り敢えずアウラの事は無視して、それぞれ思い思いに散っていった。なお、名指しされたアウラは外出して何か言われるのが嫌だったのか、夕食まで部屋から出てくる事はなかった。
「あそこだ。あれがハウスト辺境伯領の中心地で親父が住んでいる『シェルハイド』だ!」
国境線近くの町を出発して二日後、俺達はハウスト辺境伯領の中心地の街へと到着した。辺境伯領の中心地である『シェルハイド』は、街全体が広大な丘を利用して作られており、街の周辺を塀で囲まれていた。そして、街のいたるところから湧き出ている水を利用した畑などが塀の内側にいくつもあるそうだ。これは隣国などから侵略を受けた際に、篭城戦を想定した作りとなっているかららしい。
「まあ実際のところ、篭城はこれまでに一度しかなかったそうだ。しかもかなり昔の事で、なおかつ数日で終わったそうだから、実際にどれだけ耐えられるかよく分からんみたいだがな」
その篭城も直接囲まれたからではなく、敵軍の進軍経路にシェルハイドが重なっていたので、迎え撃つ為の籠城だったそうだが、近づかれる前に野戦で追い返す事が出来たのだそうだ。しかも、その後の反撃で領土拡大に成功したので、シェルハイドは国境線からだいぶ離れる事になったのだとか。まあ、そう頻繁に篭城戦など起こったら、住民はたまったものではないだろう。
「特産物といえば、一応馬になるな」
「食用?」
リオンの説明にアムールがすかさず反応を示したが、残念ながら軍用馬の事だそうだ。
「この辺りは平原と丘が多く、適当に放牧するだけでも、自然に馬の足腰が鍛えられるんだ」
そういった理由から、『シェルハイド』近郊で生産された軍用馬は高値で取引されているのだとか。まあ、そういった一流の軍用馬でも、ライデンとは比べ物にならないだろうが。
「テンマ、ライデンが目立つチャンス!」
「いや、ライデンはここじゃなくても、十分目立つからね」
アムールの言葉に、カインが冷静にツッコミを入れた。アムールは、「それもそうか」と納得していたが、俺はしっかりと見ていた。今回御者をしているじいちゃんがアムールのその言葉に反応して、手綱を握る手に力を込めていたが、俺の視線に気づいて慌てて手綱から手を離したのを。
「リオン、一応聞いておくが……ここでは流石に、『あなたは誰ですか?』は起こらないよな?」
「大丈夫だ! 多分……」
「よし! 分からないに千G!」
「僕も!」
「私も!」
「乗った!」
「今度こそ!」
アルバート、カイン、クリスさん、アムール、アウラは、今度こそリオンはやってくれる! と期待していた。対してじいちゃんとジャンヌは「「流石にそれはない」」と、今回も分かる方に賭けていた。そして……
「あえて言うぞ……馬鹿だろ」
結果は当然のごとく、『分かる』だった。まあ、ここでもリオンの正体が分からなければ、リオンは後継者を辞退する事も考えた方がいい。もしくは、分からなかった者達にリオンの名で罰を与えるかだ。最も罰を与えれば、ほぼ確実にリオンの顔は知れ渡るだろうが、それは『後継者たる自分の顔を知らなかった者達に罰を与えた男』という評判付きでだろうが。
「いや、流石に分かっていたけどな」
「分かっていたけど……分からなかった方が面白いから、つい」
「いや、まあ……ここで私達の期待に応えるのがリオンじゃない」
「リオンならやってくれると思ったのに……」
「お小遣いが……」
アルバートとカインは、結果が分かっていながらも面白そうという理由で『分からない』に賭けたようだが、クリスさんは『もしかしたら』という期待を込め、アムールとアウラは完全に分からないだろうと思って賭けたようだ……
「まあ、お遊びはここまでにして、ハウスト辺境伯に会わないといけないんだから、そろそろ気持ちを切り替えようか」
現在俺達は、門番に呼ばれた騎士達の案内で辺境伯の屋敷に向かっている最中だ。御者は賭けに勝った二人が担当していた。最初はジャンヌとアウラで御者をする予定だったが、じいちゃんが「もし何か不測の事態が起こった時の為に、外の様子を知っておきたいからのう」とか言って、アウラと交代したのだ。まあ、本音は『何か面白いものがあるかのう』といったところだろうが。
しかしじいちゃんのこの思いつきは、辺境伯家の騎士達にしてみればたまったものではなかったようだ。何せ昔の事とは言え、いざこざのあったククリ村の有名人を迎えるという緊張感が漂う中で、まずは御者に話しかけて心を落ち着けようとしていたら、いきなり(アムール、クリスさん曰く)ラスボス級の登場である。その為、じいちゃんと気が付かずに話しかけた騎士は、話しかけた数秒後にその正体に気付き、驚きすぎて固まってしまった。
「あの騎士、もしマーリン様の横に座っていたのがテンマ君だったら、ショックが大きすぎて心臓が止まちゃってたかもね」
と、クリスさんが騎士の再起動後に言っていたくらいだ。しかもそれを裏付けるかのように、固まってしまった騎士は、移動中に同僚の騎士に対し、
「寿命が縮んだ気がする……リオン様が座っていればよかったのに……」
とか、小声で言っていたくらいだ。騎士達にとって将来の主にあたるリオンは、ある種の精神安定剤になっているのかもしれない。
「それにしても丘を利用して作られた街というだけあって、坂道が多いな。ライデンなら心配ないけど、他の馬だと大変だろうな」
「まあ、そのせいで他の街とは違う法律が多くてな。よそから来た商人なんかが、よく衛兵達に注意を受けてるんだ」
リオンの言う『法律』とは、シェルハイドの道路の大半で『歩行者以外、基本的に一方通行』というものと、『右折の制限』というものだそうだ。
坂道の多いシェルハイドでは馬車などがすれ違う際に起こす事故が多いらしい。その対策として、大通り以外の道では基本的に一方通行と右折を制限する事で、馬車や馬の接触事故を減らす取り組みをしているそうだ。
一部道路が一方通行だったり、曲がり角の一部で右折・左折が禁止というのは他の街でもあるが、街の大半で禁止というのはシェルハイドくらいらしく、始めて訪れた商人や冒険者の馬車が知らずに違反してしまうのだとか。なお、一度目の違反だと注意のみで、二度目からは罰金となるそうだ。後、違反金は違反の累計回数と違反状況によって変わるらしい。
「どうやら到着したみたいだな」
俺は馬車が速度を緩めたのを感じて窓の外を見てみると、丁度大きな門の前で停止しようとしているところだった。
門番達はライデンに驚いている様子だったが、同行した騎士とリオンの説明ですぐに門を開き、そのまま馬車を停める事の出来る場所へと案内された。
「悪いが、先に行って準備をしてくる」
「私も一緒に行くぞ」
「僕もね」
リオンだけでなく、アルバートとカインの二人も一旦離れる事になった。恐らく二人は、父親達から何かしらの指示を受けているのだろう。
「案外、テンマ様の取り扱い指南だったりして……うっ!」
アウラが変な事を言った瞬間、隣にいたジャンヌがアウラの脇腹に抜き手を放った。「クリスさん経由でアイナに話が漏れたらどうするの」との注意付きで。
その言葉で自分の失言(決して俺に対してのではない)に気付き、慌ててクリスさんの顔色を恐る恐る伺ったアウラだが、クリスさんは面白いものを見たとばかりにニタリと笑った。それを見たアウラは大げさな程に怯えていたが、正直言って俺もあのクリスさんの表情は怖いと思ったので、アウラの怯え方は仕方がないだろう。
そんな感じで馬車で待っていると、シロウマルが誰かが近づいていることに気付き俺に知らせてきた。そこでジャンヌが外に出て確認したところ、やってきたのは俺達を辺境伯のところに案内する為に来たというメイド服の女性だった。
「こちらです」
女性の案内に従い、俺、じいちゃん、アムール、クリスさん、ジャンヌとアウラといった順番で後ろをついて行くと、しばらく歩いた先に二人の騎士が守る扉があった。
「お客様を連れてまいりました。扉を開けてください」
騎士達は一瞬戸惑うような素振りを見せた後で、すぐに一礼をして扉を開けた。
「ご苦労様です」
女性は騎士達にそう言うと、俺達の先頭に立ったまま部屋の中に足を踏み入れた。女性に続いて部屋に入ると、二~三十m程先に頑丈そうな椅子に座っている男性が見えた。状況的にあの男性がハウスト辺境伯だろう。その証拠に、男性の目の前まで続いている絨毯の横で、大人しく並んで立っている三人がいた。
三人は揃って何かに驚いているような顔をしていたが、流石に場所をわきまえているのか声を出す様な事はしなかった。
俺達を案内してきた女性は、辺境伯の前だというのに少しも気にした素振りを見せる事なく歩き続け、
「ここでお待ちください」
と言って、辺境伯から十m程の距離まで案内し、自分はそのまま辺境伯の横に移動した。ちなみに、ジャンヌとアウラは部屋には俺たちに続いて入ってきたが、入ってすぐに部屋の隅に移動していた。これは二人が俺の従者という扱いなので部屋に入る事は許されているが、辺境伯の前に立つ事は許されていないからだった。
「あっ……」
女性が辺境伯の横で俺達と相対する形になった時、クリスさんは何かに気付いた様な声を漏らした。そして、クリスさんからはかなり驚いた感じの雰囲気が漂ってきている。
「どうしたのクリスさん?」
俺はすぐ後ろにいるクリスさんに、振り向かないまま小声で話しかけると、
「今気がついたけど、私達をここまで案内したあの人……辺境伯様の奥様だわ」
といった言葉が、クリスさんから返ってきた。
その思いもよらなかった答えには、俺だけでなく聞き耳を立てていたじいちゃんやアムールも思わずクリスさんを一瞬見た後で、すぐさまその女性を思いっきり見てしまった。視界の端の方では、頭を抱えているリオンが見える。そんなリオンとは違い『奥様』と判明した女性は、いたずらが成功したような嬉しそうな顔をしていた。