第11章-8 略してワイ汁
2018年最後の更新に間に合わなかった……なので、2019年最初の更新です。
「『アースクエイク』」
俺が魔法を発動させると同時に、辺境伯軍と敵軍の中間地点辺りから振動が広がり始めた。その振動は徐々に大きくなっていき、数分でまともに立ち上がれないくらいの激しさへと変化した。
「こんなものかな?」
「ちょっとこれ……凄すぎるんだけど……」
眼下の冒険者達がまともに立ち上がれないくらいの大きさになったところで魔法を止め、目の前の結果に満足していると、俺にしがみついていたカインが惚けた様な声を出した。ちなみに、俺は魔法を使う寸前に『浮遊』の魔法で空中へと浮かび、カインはスラリンのところには間に合わないと判断したのか、俺の足に抱きついてきたのだ。まあ、それだけだと驚いて落ちる可能性があったが、スラリンが触手を伸ばして俺の足とカインを固定する事で安全を確保している形だ。
他の二人もカインと同様に目の前の光景に驚き声を失っているようで、スラリンが体を固定していなければ塀の下に落ちていただろう。
そんな三人が驚いた光景とは……
「これはまた、すごい魔法を編み出したものじゃ。平原が岩場に大変身じゃのう」
騒ぎを聞きつけて俺のそばにやってきたじいちゃんの言う通り、目の前に広がっていた草原の緑色が、俺の魔法によって荒れ果て、盛り上がった岩(土)の茶色へと変わっていた。
「じいちゃん、いいところに来たね……悪いけどこの魔法、めちゃめちゃ魔力を使うせいでかなり疲れたから、ちょっと寝てくる。クリスさん達への説明とかよろしく……」
今回使った『アースクエイク』は『テンペスト』に匹敵する魔力を使う為、全力ではなかったとは言え体のダルさを感じていたのだ。
「まあ、しょうがない。じゃが、起きたらテンマからも直接説明するのじゃぞ」
「りょ~かい~」
朝が早かった事もあり、俺はじいちゃんにてきとうな返事をして馬車へと戻った。俺の足にしがみついていたカインは、馬車に戻って寝ると言った瞬間にスラリンが回収し、リオン達の横に下ろしたので、塀の上に大貴族の跡取り三人が呆然とした様子で座り込むという、通常ではなかなかお目にかかる事のできない光景が生まれていた……まあ、俺にとっては珍しくもない光景なので、特に注目する事ではなかったけど。
馬車にはジャンヌとアウラがいて先ほどの地震について聞かれたが、詳しくはじいちゃんに聞いてくれと言うとすぐに俺の仕業だと理解した様で、それ以上は何も聞かれる事はなかった。ついでにこれから寝るからというと、アウラはジャンヌを馬車の中に送り込もうとしたが、ジャンヌが乗り込む前にドアの鍵を閉めたので、外から舌打ちをする音が聞こえてきた……アイナに報告する事が出来たなと思い、アウラがアイナの前でどんな反応をするか少し楽しみになってしまった。
「くぁ~」
大体三時間くらい寝られただろうか? 外で我慢できなくなったらしいクリスさんが馬車のドアを叩く音で目が覚めた俺は、軽く身支度を整えてから外へと出た。
そこには案の定、事情を説明しろとでも言いたそうなクリスさんと、何故か不機嫌なアムールに、俺を待っている間クリスさんの相手をしていたらしい三馬鹿がいた。ジャンヌとアウラはそこから少し離れたところで昼の準備をしているようで、シロウマルとソロモンは俺が出てきても二人のそばを離れようとしなかった。
「おはようクリスさん。じいちゃんは?」
「マーリン様は今、私と交代で副団長達の監視についているわ……そんな事よりテンマ君。私が何を言いたいのか分かっているわよね?」
「ええ、残念でしたね、クリスさん。ここにもいい男がいなくて……もういっその事、リオンで我慢してはどうですか?」
「そうなのよね……せっかくここまで来たのに、ろくな男がいなくて……でも、リオンで妥協する気はないわ。好き好んでハズレくじを引く人はいないでしょ……って、違う!」
少々長めのノリツッコミだったな……とか思っていると、クリスさんの後ろで笑いを必死にこらえている三人がいた。まあ、笑い声を上げてしまうと、クリスさんに何言われるかわからないから正解なのだろうが、リオンは自分が馬鹿にされているという事が分かっているのだろうか? まあ、笑っているくらいだから、分かっていないのだろう。
「冗談はここまでにして、寝る前に使った魔法の事ですよね?」
「そうよ! あんな魔法を使うのだったら、事前に言って頂戴! おかげで馬や冒険者の眷属が暴れて大変だったんだから!」
それは確かに申し訳なかった。幸いにして、暴れた馬や眷属に怪我はなかったらしいし、暴れた際に怪我人などの被害は出なかったそうだが、一つ間違えたら規模の大きな被害が出たとクリスさんに説教を食らう事となってしまった。これに関しては俺が悪いので反省の意味も込めて黙って説教を受けていたのだが、クリスさんの横で不機嫌さを顕にしているアムールの意味がわからなかった。
「私も一緒に寝たかったのにっ!」
その一言で、気にする必要のない事だったと理解できた。アムールは無視しておこう。
「それで、副団長やその息子達はどうしているの? 特にあのスパイだった秘書は?」
「あまり反省した様子は見られないわね……まあ、秘密にしなければいけなかったという事もあるでしょうから、もういいけど……副団長をはじめとした息子達は、秘書を除いて職務に復帰しているわ。それでも完全に目を離すわけにはいかないから、一時の間は監視をつけなければならないでしょうけど」
そういう事で、現在はじいちゃんが監視の任務についているらしい。まあ、監視と言っても隅っこに座っているだけだそうで、特に行動に制限をつけているわけではないそうだ。
一応取り調べの結果、秘書を除いた副団長達におかしなところはなかったとの事だ。
「それと秘書の事だけど、ある程度スパイになった理由がわかったわ」
クリスさんの取り調べ(クリスさん主導で、じいちゃんとリオンも同席したそうだ)によると、秘書の男がスパイになった理由は、この争いを長期化して相手に攻めさせ、それを撃退するという手柄が欲しかったからだそうだ。
なんでも、秘書は副団長の息子と言っても実子ではなく、弟妹の全員も養子なのだそうだ。彼らは孤児で明日をも知れぬ身だったところを副団長に救われたそうで、なんとか恩返しがしたかったらしい。そこで秘書の男が考えた恩返しが、『副団長の地位を継ぐ』というものだそうだ。だが、副団長とは辺境伯軍内での地位なので、実力と実績が伴わないと当然ながらその地位に就く事はできない。さらに運の悪い事に、秘書の男は秘書としては優れていても、腕っ節や軍を指揮する能力は並しか持っていなかったそうで、このままでは副団長の地位に就く事はできないと悩んでいたらしい。そこを部隊長にそそのかされた形でスパイの様な事をしてしまったらしい。部隊長から、「ここで攻めてきた敵軍を撃退できれば、誰しもが副団長につくだけの能力があると認めるはずだ」と言われて。
「まあそういうわけで、作戦行動中のスパイ行為ではあるけれど、そそのかされて手を染めた事とこれまでの本人と副団長の功績を鑑みて、罪を一段階減刑して奴隷堕ちという事に決まったわ。ただ、奴隷となった秘書を副団長をはじめとする弟妹達は所有する事ができないから、そこはハウスト辺境伯に相談する事になりそうね」
一応主犯格ではあるがもっと悪い奴がいたという事と、男の命を助けて副団長に恩を売り、これからも辺境伯家への忠誠を期待するという事で秘書は奴隷堕ちになるとこの場で決めたそうだ。なお、部隊長に関しては完全に敵軍と繋がっていたという事がともに捕まった騎士達の証言で判明した為、有無を言わさず死刑が確定したそうだ。死刑はハウスト辺境伯の下に送った後決行されるそうで、すでに部隊長は数名の信用できる騎士達によって更迭されたそうだ。残りの捕まった冒険者や騎士達は奴隷堕ちが決定しており、ハウスト辺境伯のところから騎士が戻ってき次第送るらしい。こちらも死刑という話が出たらしいが、部隊長の情報を売った事で減刑された形だ。
「なんかもう、働きすぎたって感じですね……」
「そうね。その余波で私も仕事が増えたけど……お給料は増えないのよ! なんでなのよ!」
近衛兵の仕事の一つに裏切り者の監視というものがあるらしく、この場合は裏切り者の可能性がある者の監視と言う事で通常業務の内だと判断されるだろうとクリスさんは嘆いている。
「それで、秘書の減刑の為にも、副団長と他の弟妹が張り切っているんですか……まあ、スパイがこれ以上いないとは限りませんけど、これだけ捕まえたら、他のスパイはそうそう動けないでしょうね。あと少しの辛抱ですよ、クリスさん……お給料の事は諦めてください」
副団長達も、自分達が成果を上げれば上げるだけ秘書の減刑に繋がる可能性があると思ったのだろう。上手くいけば、自分達が奴隷に堕ちた秘書の主人になる事は出来なくとも、自分達の知り合いに預ける事が出来るかもと考えているかもしれない。秘書の身柄を辺境伯家が確保しひどい扱いをしなければ、確保している間は副団長達は決して裏切らない味方でいる事だろう。
「それで話を最初に戻すけど、あの地震はなんだったの? テンマくんの魔法と言う事は想像がついたのだけど、一体どんな魔法だったのよ?」
「ああ、あれは『アースクエイク』という魔法で、規模で言ったら『テンペスト』と同格の魔法だよ。ただ今回は事前に下準備をしていたし威力を抑えたから、昔使った『テンペスト』みたいに倒れる事はなかっただけで、準備なしだったら威力を抑えていても、もうしばらくは馬車から動けなかっただろうね」
「あれで抑えていたの……そもそも、『テンペスト』に匹敵する魔法って……テンマ君、本物の天災ね」
クリスさんの言ったてんさいは、天災と変換して間違いないだろう。まあ、『テンペスト』も『アースクエイク』も間違いなく天災と呼ばれる現象なわけで、俺自身を天災と言うのも間違いではないのだが……やはり釈然としない。
「ちなみにだけど……他にそんな魔法はないわよね?」
「え~っと……内緒という事で」
俺の返答を聞いたクリスさんは、「他にもあると言う事ね……」と呆れ顔だった。まあ、理論上できそうなものだったり、『テンペスト』と『アースクエイク』程ではないが、規模の小さなものなら自然災害に似た魔法は幾つか出来ていたりする……と言うか、先の二つの魔法は、理論的にはそう難しいものではない。
『テンペスト』や『アースクエイク』は破壊力や規模が大きいせいで、とてつもなく難しい大魔法と思われがちだが、実際には『テンペスト』は旋風の大きいもので、『アースクエイク』は俺がよく使う土壁を生み出す魔法を連続で使うだけの話だ。まあ、竜巻を発生させると同時に周囲の気圧を操ったり、範囲を設定して地面を連続で隆起させるなどといった事もしているが……基本的には、俺の持つ大量の魔力による力技なのだ。
「まあ、規模の違いはあれど、やろうと思ったらじいちゃんもできるだろうから、別に特別な魔法というわけでもない……よ?」
別に特別な事ではないからというふうに言ってみると、
「テンマ君、そんなわけないじゃない」
と、クリスさんに冷静に返された。何だか、残念な子を見るような目で俺を見ている気もする。
「ぷふっ……くくく……」
リオンが笑いを必死にこらえていたが、そんなリオンをクリスさんは……と言うか、リオンを除いたこの場にいる全員が、もっと残念な生き物を見る目でリオンを見ている。もちろん、俺もだ。
「リオンの事は置いといて……あれだけ草原を荒らしたら、攻められにくくはなるわね。まあ、少しは手を入れないといけないだろうけど」
今のままだと人の背丈程ある高さの岩もあるので、逆に隠れ蓑や盾にされる可能性もあるが、それらさえ壊してしまえば、後は移動に手間取る荒れた岩場だけとなる。
「その辺りの事は、辺境伯軍に頑張ってもらいましょう」
一応副団長の関係者にスパイがいた事や、副団長本人はスパイ行為に関係がない事をハウスト辺境伯に手紙で知らせているので、恐らくは追加の騎士がやってくるだろう。それらと交代でここを去るつもりではあるが、今現在クリスさんがやっている仕事(監視作業など)を交代できる程の騎士がいなかった場合、予定を変更してこの場に残る日数を延長しなければならないだろう……いっその事、クリスさんとリオンを置いて、辺境伯のところに依頼達成の証を貰いに行こうかな……
「テンマ君、私達パーティーよね? 何かよからぬ事を考えてはいないかしら?」
どうやら考えていた事が顔に出ていた様だ。
「いえ、いざとなったら、リオンだけを置いていけばいいかな……と思っただけですから」
「そうね。それがいいわね。そうしましょう!」
「ちょっと姐さん、俺の扱いひどくないっすか!」
リオンが抗議の声を上げたが、俺達は誰一人として取り合わなかった。皆、帰れるものなら早く帰りたいのだろう。
「リオンの事は置いといて……それでテンマ、後は何をするつもりなんだい? このままだと、情報源を絶たれた上、塀や荒地を作られた敵軍が、焦って一気に攻めてこないとも限らないけど?」
カインが言う事も一理ある。もし敵軍の指揮官、もしくはそれに近い地位の者が浅慮だった場合、なりふり構わず攻めて来るとも考えられる。
「確かにそうだな……それじゃあ、ワイバーンの首でも並べるか? 焦って攻めて来るような相手にも、ワイバーンは分かりやすい驚異だろう」
少しでも相手側の好戦派の動きを鈍らせる事が出来れば儲け物だ。ついでにこちら側の冒険者の士気が少しでも上がれば、さらに儲け物だ。
「テンマ、ワイバーン解体するなら、肉食べたい」
「ついでに冒険者達にもワイバーンの肉を振舞うか。必要経費という事で、後でリオンの名前で請求書を作っておけばいいだろう」
「お、おい、むぐっ!」
「リオンも賛成だそうだ。ハウスト辺境伯には、責任を持って請求すると言っている」
「だね。リオンもやっと出番が来たって喜んでいるよ」
リオンが何か言おうとすると、すかさずアルバートとカインがリオンの口を塞ぎ動きを封じた。
「それじゃあ、一応副団長に報告してくるか。もちろん、リオンの許可はとったって」
「テンマ君、これが許可証よ。リオンの名前を入れておいたから、これを出せばいいわ」
クリスさんがその場で簡易的な許可証を書き、リオンの名前を書き加えた。明らかな偽物だが、リオンの字は元々汚く、サインを書く時の字も安定していないので、これで十分誤魔化す事が出来るだろう。まあ、あの副団長なら例え偽物と分かっても気がつかなかったふりをするだろうし、特に今は秘書の為に少しでもいい結果を残さなければいけないと考えているはずなので、冒険者達の士気を上げる為ならリオンが迷惑を被ろうともあえて無視するだろう。
「それじゃあ、ちょっと行ってくる。クリスさんは、ワイバーンを解体できる場所を確保しておいて。アムールはジャンヌとアウラに説明を頼む。アルバートとカインは、そのままリオンを拘束」
「「「「了解!」」」」
「むがっーーーー!」
四人の声に負けない大きさでリオンが吠えたが、すぐにアルバートとカインにより鎮圧された。
「よしっ! 許可する!」
副団長は、俺の提案を聞くなり即許可を出した。一応リオンのサイン(偽)入り即席許可証があるというと、それを俺の手から奪い取った上で自分のサインを入れ、公式のものとして扱うとも言った。
「と言うわけで、料理を開始します。まずはじめに、ワイバーンの首を切り落とします」
ワイバーンの中から、首がほとんど切れかけているものを取り出し、小烏丸で完全に切り離した。
「アムール、スラリン、これを塀の真ん中に飾ってきてくれ。敵陣に顔を向ける感じでバランスよくな」
「ん! スラリン、行こ」
アムールは、ワイバーンの顔を体内に取り込んだスラリンを抱き上げ、塀に向かって走っていった。
「翼の部分は肉が少ないから、これも切り落として……後は皮を剥いで手頃な大きさのブロック肉にすれば、ジャンヌ達でも料理がしやすくなるな」
「わしの方も準備が終了したぞい」
これだけの大物の皮を綺麗に剥ぐのはなかなか難しいので、翼を切り落としている最中にじいちゃんにワイバーンの皮にいくつか切れ目を入れてもらい、巨人の守護者で一気に引き剥がす作戦を考えたのだ。
「おっ! 意外と綺麗に剥がれるものだな」
「何だか、少し気持ち悪くもあるけどね」
ペリペリと剥がれていく様を見て、アルバートは皮に肉が付いていない事に驚き、逆にカインは綺麗に剥がれ過ぎるので少し不気味に感じたみたいだ。
「昔解体したドラゴンスネークもこんな感じで綺麗に剥がれたから、基本的に爬虫類は皮が剥がれやすくなっているんだろうな」
「いやテンマ君……ドラゴンスネークもワイバーンも、爬虫類って言えば爬虫類だろうけど、普通はそんな簡単に解体できる大きさの生き物じゃないからね」
クリスさんの呆れた様な言葉は聞こえないふりをしながら無視し、俺はせっせと皮を剥ぎ終えたワイバーンを一~二kgサイズのブロック肉へと切り分けていった。
「ジャンヌとアウラにアルバートとカインは、切り分けたブロック肉を薄く切り分けてくれ。味噌汁にするから、ついでに寸胴鍋も出しておいてくれ」
「テンマ、帰ってきた。任務は完了! 後、騎士団の調理係が手伝いに来てる」
「スラリン、アムール、お疲れ様。アムール、メニューは味噌汁にするつもりだ。調理係の人達と一緒に野菜のカットを頼む。野菜の大きさはアムールに聞いてくれ。スラリンはシロウマルとソロモンがつまみ食いしないように見張りをお願い」
「テンマ君、私は?」
「クリスさんは、え~っと……リオンと一緒に、こちらを見ている冒険者達に説明をお願い。各自、自前のカップか騎士団が貸し出すカップを持って、大人しく待っているようにって。ついでに、どれだけ大きな器を持ってきても、一人に配る量は決まっているからとも」
「わかったわ! ほら、行くわよリオン!」
「ういっす!」
料理において役に立ちそうにない二人に冒険者達の対応を任せ、俺はワイバーンの解体を進めていった。
「内蔵は腹の部分ごとバッグに入れておいて、時間のある時に処理すればいいか」
ワイバーンの大部分を解体し終えた俺は、調理係の騎士達に味噌汁のつくり方を説明し、お手本を見せ味見をさせてからそれぞれに作ってもらう事にした。多少のばらつきはあるだろうが、料理の経験者ばかりなので大きな失敗をする事はないだろう。
それからしばらくして出来上がった大量の豚汁ならぬ、ワイバーン汁……略してワイ汁(アムール命名)は、作るのにかかった時間の半分程で消費され、目論見通り冒険者達の士気向上に貢献するのだった。
あけましておめでとうございます。今年も『異世界転生の冒険者』をよろしくお願いします。




