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第1章-14.5 災いの行進
短いですが15への導入部です。
暗い森の中這いずり回る大きな影があった。
ベチャッ、ベチャッ、と影がゆっくりと足を踏みしめるたびに音が響く。
大きな影の周りには様々な大きさの影が動いている。
人の形で人より大きい影、小さい影。
四足の影。
熊みたいな影。
それらはゆっくりと同じ方向に歩いている。
たとえ他の影が転んでも構わずに踏みつけていく。
どこを目指しているのだろうか、ふらふらとした足取りで進む。
その数は1000を超えていそうだが正確な数は分からない。
何を求め進むのだろうか分からないことだらけだ。
分かっていることは大きな影の目が赤く不気味に光っている事と、近い将来良くない出来事が起こるだろうと言う事くらいだ。