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松明は燃える
夜道が松明に照らされて、石畳の規則的な模様を浮かび上がらせる。
今日という日は、あとどのくらいで過ぎ去ってしまうのだろうか?
松明が、風に揺らぐ。火の粉がふわりと舞い上がった。
石畳の上を、稚児がはしゃぎ跳ね回る。
徐々に、月が欠けていく。その様子を我らはただ眺めるだけだ。
――恐怖か?
――感動か?
この景色を見て、何を思うだろう?
月明かりが消え失せて、松明だけが煌々と輝く。
燃え盛る天の炎に感謝しよう、我らはかの者に生かされている。
冷たき天の炎に感謝しよう、我らはかの者から慈悲を与えられている。
幾多の願い、重なる祈り。
……姿を隠している、あの月に届け。