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悩み苦しみ、ただ綴れ
――今、貴方が見ている空は何色でしょうか?
雑じり気の無い、清らかな水色と白色でしょうか。
はたまた、どす黒い赤の背景に灰色の煙が描かれているでしょうか。
もしかしたら、その空すら見えていないのかもしれませんね。
――筆を持ち、さあ綴れ。
――筆を握り、さあ描け。
輪郭を描いて、思うがままに色を塗れ。
鮮血の赤、深海の青、果実の黄、草原の緑。
好きな色に塗り潰せ、止める人は誰もいない。
机に向かって、溢れる言葉をただ綴れ。
散らばる星、窓から覗く雲、落ちる太陽、消えた月。
納得行くまでただ綴れ、立ち止まる人など誰もいない。
世界を創れ、景色を語れ。
世界を壊せ、終わりを語れ。
世界は広がっていくだろう、誰かが命を削り続ける限り。
世界はいずれ終わるだろう、永遠の命など存在しない。
さあ、ひたすら綴れ。
さあ、延々と描け。
言葉で悩み苦しめ、そして無知を嘆き悲しめ。
――それは終わりの無い生き地獄。
それでも……、貴方は語るのでしょう?