第17章 骨董店
日记の住所だと、馬蹄巷はここから3ブロック先。工場区を通って、暗い路地をいくつか抜ける。
道中、ルーン、周りガン見。東区の建物、ボロボロで、壁には変な落書きやマークがビッシリ。その中には、『神秘学入門』の邪教のマークに似たのがあって、ゾッとした。
「ここ、邪教の動き、思ったよりヤバいな。」心の中で警戒。
めっちゃ狭い路地抜ける時、急に背中がゾクッとした。振り返るけど、誰もいない。でも、なんか見られてる感じが消えない。
ルーン、足早めて、逃げ道も頭に入れる。こんなとこ、用心しすぎるってことはない。
やっと馬蹄巷の入り口見つけた。想像以上にボロい路地で、両側の建物、いつ崩れてもおかしくない。壁には微かに光るツタが這ってて、雨の中でめっちゃ不気味。
「37番…もうちょっと先か。」ルーン、表札探しながら、警戒マックス。
そしたら、路地の奥で、なんかモヤッとした人影がサッと動いた。向こうもルーン見つけたみたいで、すぐ角に消えた。
ルーン、ピタッと止まって、ポケットの護符に手かける。でも、しばらくしたら、路地はまた静か。雨の音だけ。
「気のせいか?」眉ひそめて考えるけど、進むことにした。
37番、路地の奥にあった。古い3階建ての建物。一階の店、窓は埃まみれで、中にいろんな物が積まれてるのがうっすら見える。ドアには錆びた鉄の看板、文字はほとんど読めねえ。
ルーン、大きく息吸って、ドアを押した。
「ギィッ——」
キーキー音とともに、霉と埃、変な香料が混ざった匂いがドバッと鼻にきた。店の中、めっちゃ暗くて、油灯の弱い光がチラチラしてるだけ。
「誰かいる?」ルーン、慎重に声かける。
返事なし。
店の中、ガン見。物が山積み——黄ばんだ本、錆びた金属器具、変な形の彫像、用途不明の水晶や骨の道具。全部、埃かぶってて、長いこと誰も触ってねえ感じ。
ルーン、ゆっくり奥に進む。『神秘学入門』によると、古董店って超自然アイテムの巣窟で、呪われたヤバい物もゴロゴロしてるらしい。
カウンターの裏チェックしようとしたら、急に後ろから声。
「客さん、何か用?」
ルーン、ビクッと振り返る。いつの間にか、入口にガリガリの背高中年男が立ってた。色褪せた茶色のベストに丸メガネ、ジロジロこっち見てくる。
「俺…デヴィルさんを探してるんです。」ルーン、なんとか落ち着いて言う。
男、表情がちょっと変わった。「デヴィル? 知り合いか?」
「まあ、紹介されたんです。」ルーン、慎重に答える。
「そりゃ残念だな。」男、メガネ押し上げて、「叔父貴のデヴィル、先月死んじまった。俺、甥のグラント。今、この店やってる。」
ルーン、心臓がズンッと沈んだ。デヴィルが死んだら、线索ガッツリ途切れる。でも、グラントが叔父の死を言う時、手がなんか不自然に震えてたの、ちゃんと見えた。
「死んだ?」