第15章 魔法の10大問題
深夜のボロい屋根裏部屋。ルーンはガタガタの木の机に座って、薄暗い油灯の明かりで黄ばんだ紙にガリガリ書きなぐってた。
数時間頭ひねって、やっと気になってた10のデカい問題をまとめ上げた。
「魔法世界の10大問題」って、紙の上にデカデカとタイトル書いた。
ヒルベルトが1900年に出した23の数学問題が20世紀の数学をガンガン進めたみたいに、フェルマンの『物理学の10の謎』みたいに、この10個がこの世界をガッツリ理解するカギになるかも。
深呼吸して、さっそく一つずつ書き出していく。
1. 魔法の元って何?
魔法エネルギー、どこから湧いてくるの? ビッグバンの残りカス? 別の次元? なんで地球には魔法なくて、この世界にはあるわけ?
「これ、めっちゃ根本的な話だよ。もし魔法が別の次元から来てるなら、次元の壁ってぶち破れる? 俺が穿越したのだって、次元のスキマが原因とか?」
2. 精神力って何だよ?
精神力って何? 物質の世界とどう絡むの? 意識で現実を動かす仕組みって?
「地球じゃ、意識と物質の話って哲学や科学の超難問だった。でもここじゃ、精神力でモノ動かせるんだよ。地球の常識、ぶっ壊れちゃってるよね。」
3. 元素ってホントにそれ?
地、火、風、水の四大元素って、マジで世界の基本? ただの魔法エネルギーの見せ方違いじゃね? この世界、原子とか分子とかあるの?
「もし原子構造があるなら、魔法って原子とどうやって絡むんだ? 原子の並びを変える? それとももっとミクロな粒子に働きかける?」
4. エネルギー保存って通用すんの?
魔法ってエネルギー保存のルール守る? 精神力の消費と魔法の効果に、なんか決まった変換式でもある?
「もし魔法がエネルギー保存無視するなら、どっかに未知のエネルギー源があるってこと。それ見つけたら、穿越の謎も解けるかも。」
5. 命と魔法のつながり
なんで生き物だけ魔法使えるの? 生きてないモノも魔法エネルギー貯めたり運んだりできる? 吸血鬼みたいな魔法生物の仕組みって何?
「ヴィラが俺を眷属にしたプロセス、命の根っこが変わったんだよな。それって遺伝子レベル? それとも、もっと深い『魔法遺伝子』みたいな?」
6. 時空と魔法の関係
一部の魔法、時間や空間に影響してるっぽいよね。ってことは、魔法で時空そのものをいじれる? 時空越える魔法ってある?
「もし時空魔法が本当にあるなら、俺の穿越、偶然じゃなくて誰かの魔法のせいかも。誰がやった? なんで?」
7. ルーンと呪文のカラクリ
なんで特定のマークや音で魔法が発動すんの? 精神力を実際の現象に変える仕組みって何?
「なんかプログラミング言語みたいだな。ルーンや呪文って、なんか『魔法システム』にアクセスするコードみたいなもん?」
8. 魔法の限界ってどこ?
魔法でできること、できないことって何? 絶対ムリな魔法ってある? その限界の正体は?
「魔法の限界がわかれば、この世界のルールが掴める。時空の穿越が魔法で可能なら、故郷に帰れるチャンスあるよな。」
9. 意識と現実のライン
強い精神力って、どこまで現実を動かせる? 意識だけで作られた世界ってある? 夢と現実の境目ってどこ?
「ヴィラが言ってた、すげぇ強い存在が『領域』を作れるってやつ。意識がメチャクチャ強けりゃ、現実をガラッと変えられるってこと?」
10. 世界が安定してる理由
この世界、なんで安定してんの? 魔法でグチャグチャにならないのはなんで? もっと上のレベルのルールがある?
「地球の物理法則が世界を安定させてるみたいに、ここにもなんか『大元ルール』があるはず。それ見つけたら、地球とこの世界の接点が見えるかも。」
ルーンはペンを置いて、10個の問題をガン見。そしたら、突然、机の銅の戒指がちょっと熱くなって、表面から薄い金色の光がチラッと浮かんだ。
「ん? なんで銅の戒指が反応してんの? この問題、なんかヤバいタブーに触れた?」
試しに指を10番目の問題に当ててみた。そしたら、戒指の光がグッと明るくなった。「高次元のルール」って文字をなぞると、戒指がなんかブーンって小さな音まで出した。
「この戒指、思ってたよりめっちゃミステリアスだな。特定のキーワードに反応してる…待てよ、ヴィラがこれ、魔法知識がたっぷり詰まった戒指って言ってたよな。もしかして…」
ルーンは目を閉じて、精神力をそっと戒指に流し込んだ。今回は魔法を起こすんじゃなくて、「聴く」つもりで——もし知識が詰まってるなら、なんか読み取る方法があるはずだ。
数秒後、頭の中にかすかな声が響いてきた。
「…第七紀元…世界の障壁…次元の錨点…均衡の法則…」
声は途切れ途切れで、めっちゃ古い記録みたいだった。ルーンはもっと集中して、続きを聞き取ろうとした。
「…均衡が崩れるとき…裂け目が生まれる…異界の旅人…鍵…」
いきなりズキッと頭が痛くなって、ルーンは接続をぶった切った。ハァハァ息して、額に冷や汗ビッショリ。
「第七紀元? 世界の障壁? 何だよこの言葉…」汗を拭きながら考えた。「でも、『異界の旅人』と『鍵』って…これ、俺みたいな穿越者のことと、故郷に帰る方法を匂わせてね?」
ルーンはもう一回10個の問題を見直して、なんか新しい気づきがポンと湧いた。この問題、魔法世界を理解するカギなだけじゃなくて、穿越の謎を解くヒントにもなるんだ。
もっとちゃんとこの問題をガッツリ研究しないとな。
全部の答えが揃ったら、故郷に帰る道が見つかるかも