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第六話

 一つのスレを見てから廣谷はため息を吐いた。

 やっぱり話題にされてる。しかも考察スレまで。廣谷はそこまで話題にされてるとは思わなくて驚いた。

 シロはベッドの上でぽてぽてと歩いており、それに廣谷は癒された。


「シロ」

「わん?」

「ご飯食べようか」

「わんっ」


 シロを床に置いてから廣谷はご飯を用意する。シロにご飯を渡してから、シロの部屋を作ろうと丁度いい壁に部屋を作る。

 

「そういえば、能力って使いすぎで疲れたりするのか?」


 ふと、今日は結構能力を使っている事を思い出し、廣谷は何か能力の話題がないかを調べる為にスマホを開く。

 能力の使いすぎ、疲れる。で検索をかけてみるとちらほらと能力について話している人達がいた。

 身体能力系の能力者は使いすぎると、次の日体が筋肉痛になる。操作系の能力を使いすぎると頭痛が起きる。魔法能力者は魔法切れを起こすと数時間動けなくなる。等、能力についての事を話していた。

 廣谷はそれを見て首元を触る。


「僕の能力は声がキーワードみたいだから、喉が痛くなるとかそういうのなのか? 声が出せなくなったら能力使えないから適度に使うか」


 呟きながら先程犬用ご飯やシロの部屋を用意する為に能力を使った事を思い出しながら「大丈夫だよな……?」と小声で呟いた。


「わんっ!」


 廣谷の背後から声が聞こえ振り返ると、尻尾を振りながら廣谷を見つめるシロの姿。


「ん、ご飯食べたか?」

「わんっ」

「そうかそうか。美味しかったか?」

「わんっ!」


 シロを撫でてから廣谷はスマホをぽちぽちと触りながらダンジョンの攻略に役立ちそうな配信を探す。

 何本かの配信を見てから眠気が来て時計を見ると、すでに0時を指していた。

 日が当たらない為夜になっている事に気づかず、廣谷は適当にご飯を作って食べてから眠りについた。


<>


「『宣言。シロは元に戻る』よし、シロ、行くか」


 次の日、廣谷とシロはダンジョン内を歩く。

 能力の使いすぎの反動は特になく、どのくらいで支障が出るのか廣谷は気になった。

 だが今はダンジョン攻略をしようと思い、ダンジョン内をシロと共に駆け巡る。

 地面にいるモンスターはシロに任せ、空中を飛んでいるモンスターを廣谷が片付ける。役割分担をしながら廣谷達はダンジョン内を歩く。

 そうしてダンジョン内を歩いてるとボス部屋と思わしき部屋に到達する。

 中に入ると入ってきた道に柵が降りて来て閉じ、それと共に揺れが部屋に響き渡る。廣谷とシロは踏ん張って揺れから耐える。

 そうして部屋の下から何かが現れだした。


「赤い……でかいモグラ……」


 シロより大きい赤モグラのモンスターが地面から顔を出していた。

 そして二人を見つめてから大きな声を上げた。

 それと同時にぼこん、ぼこんと部屋の床から大量の小さな赤モグラ。

 廣谷はシロから降り刀を構える。


「シロ、雑魚は任せた。僕は大将をやる」

「わんっ」

「『宣言。君の攻撃力と速度は低下する』」


 宣言してから廣谷は大将に向かっていく。それと同時にシロも動き出し戦闘は始まった。

 モグラは地面に潜り込む。揺れが起こり廣谷は立っているのもやっとな状況になる。

 そして廣谷の足元が盛り上がっているのを感じた廣谷はすぐにその場から離れよう宣言した。


「っ……『宣言! 僕の体は地面からほんの少しだけ浮く!』――あっぶない!!」


 浮いた事で揺れがなくなったと同時にその場から離れる。離れたと同時にモグラが廣谷がいた場所に出てきた。


「『宣言! 君は十秒後に死ぬ!』ボスにも効くといいんだが……!!」


 願いに等しいその宣言の十秒後、モグラは頭を揺らしだす。そしてゴンっと頭を地面にぶつけるとドロドロと溶けていき、大量の小銭が現れた。

 それと同時に周りにいた雑魚モグラはその場から一斉に去って行った。


「は……ははっ……効いた。『宣言、浮遊解除』」


 能力解除してから廣谷はその場に座り込む。

 前方からシロは少し血で汚れた体で、廣谷の元に向かって来ていた。


「シロ、お疲れ」

「わんっ!」

「はー……本当に、凄い能力だ……即死系使えるなんて」


 そう呟きながら立ちあがり、小銭をカードにする。

 閉まっていた入口はごごごと柵が上がり通れるようになった。そして周囲を見渡すと先程はなかった道が出来ていた。

 隠されていた道。何かいいものがあるかもしれないと思い、廣谷はシロを連れてその先にへと進んだ。

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