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第二十三話

 準備を整えた廣谷とシロは20階の扉を開け通路に出る。火の銃は持たず、毒の銃のみを持って二人は先に進む。

 今回は盾がある為、廣谷はシロには乗らず歩く。片手には銃、もう片手には刀。警戒を解かないまま廣谷はじっと先を見つめ進む。

 モンスターが出ると銃で撃ち、攻撃を盾で防ぐ。まだ水エリアの1階だから出てくるのはスライムだが、全部が全部遠距離攻撃をしてくる為、廣谷の気は抜けなかった。


「この調子だと、21階からの敵も遠距離攻撃を使うかもしれない……」

「わふ……」

『楽に進めそうにないねー……』

「だな。まあゆっくり進むか」


 シロの頭を撫でながら廣谷は言う。そして一度小銭カードの枚数を確認して、そこまで減ってないのを確認しつつ先に進んだ。

 そうして先に進み21階の階段を見つける。降りて少し進むと、カチリ。と何かを踏んだ音が聞こえた。

 

「わん!」

『廣谷! 危ない!』

「うわっ……!?」


 シロが先に気づき廣谷の服を噛んで持ち上げた瞬間、ガコン! と廣谷がいた周り に落とし穴が空いた。穴の先には上向きの棘。

 廣谷はそれを呆然と見つめる。そして落とし穴は閉まり、シロは廣谷を降ろす。


「こっ……わ。罠……か」


 ポツリと呟きボタンを探る。そしてもう一度踏んでから距離をとるが落とし穴は開かなかった。


「一度だけの罠か? ここから先、罠がある事を考えた方がいいな」


 そう呟き、シロに感謝を伝えてから先に進む。今度はボタンに触れないように足元を注意深く見ながら時折前を向く。

 そして先に進むふと、能力で罠を無効化したらどうなるのか。と思い至った。やってみる価値はある。そう判断し、廣谷は口を開く。


「『宣言。全ての罠の無効化』――――げほっ……」


 そう宣言した瞬間激しい喉の痛みに襲われる。風邪を引いた時のような喉の痛みに廣谷は思わず咳をする。


「げほっ……ごほっ」

「わん……?」

『廣谷? どうしたの?』


 声を出そうにも出せず、廣谷の口からは咳だけが漏れる。心配したシロが声をかけるが廣谷は変わらず咳を続ける。


「か、え、る」


 ぎりぎり言葉を出せたがすぐにまた咳をして廣谷は、これが反動か……! と思い唇を噛む。

 シロはその言葉にすぐに廣谷を背中に乗せ、一目散に20階の部屋までの壁まで走る。道中敵は倒していた為難なく進めた。

 そして部屋に戻ると廣谷はベッドで横になる。寝れば治るだろう。そう思い食事の事など気にせず眠りについた。

 その近くでシロが心配そうな表情で廣谷を見ていた。


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