表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/90

第二十一話

「今日は20階まで行くか」

「わんっ!」


 少しの間廣谷は一人でダンジョン探索をした。そこで思った能力のよる武器の強化。銃にはやった事がなかったのを思い出した廣谷は毒の銃と火の銃に威力が上がると宣言した。

 そうして休んだり、ダンジョン行ったりしていると、シロがダンジョンに行きたいと言い出し、二人は探索に向かう準備を始めた。

 廣谷はシロの上に乗り、10階から下に降りる。


「『宣言。僕達の姿は見えなくなる。シロの体が少し浮く』シロ、行け」


 不要な戦闘を避ける為に、能力で地面と空中からのモンスターにバレないようにする。

 地面から少し浮くが普通に歩ける為、シロは走って11階、12階と次々と階段を降りていく。15階まで降りると、廣谷は持ってきていたペットポトルでシロに水分補給をさせる。

 

「倒しやすくなってるけど、ここからは耐久力が増えてるから気を付けて進むぞ」

「わん!」

『分かった!』

「『宣言解除』行くぞ」


 透明化と浮遊を解除して16階の階段を下りる。廣谷は毒と火の銃を取りだす。

 そして出てきたモンスターを次々とモンスターを撃っていく。敵の溶ける速さは15階までの敵と同じ速さで、廣谷は強化してよかったと思った。


「この調子なら20階まで行けるかもしれない」

「わんっ」

『20階に行ったら休憩する?』

「ああ、休憩しよう。部屋までの道も作る。多分エリアが変わると思うからな」


 廣谷の言葉にシロは頷く。そうして二人は先に進んでいく。前回来た時より対処が楽になり、先に進むスピードが速くなっていく。

 そうして19階まで来て二人は広い空間に辿り着く。


「ボス部屋……だろうな。でも敵の姿がない? 何処にいる?」


 傾向的にボス部屋と思っていた廣谷だが、モンスターの気配はない。

 シロは鼻を鳴らし周囲の匂いを嗅ぎ分けるが、「何も匂わない……?」と首を傾げた。


「警戒は解くなよ。罠があるかもしれない」

「わふっ……」

『うん……分かってる』


 ゆっくりと先に進み奥の道に進もうとした瞬間、柵が目の前で降りて道を塞いだ。

 そしてガシャンと上から何かが降りてくる音が聞こえた。

 音のした方向を見るとそこからは針がゆっくりと降りて来ていた。


「なっ……!? マジの罠じゃないか!!!」

「わ、わんっ!?」

『わ、わー!? ど、どうするの廣谷!!』

「こういうのって何処かに解除装置があるのが定番だろ……! シロ、探せ!」


 廣谷はシロから降り壁をぺたぺたと触る。見た目では何もないが隠しボタンがあるかもしれないと思い探す。

 だが一向に装置が見つかる事はなくゆっくりと針は降りてくる。


「くそっ……何か、何かないのか!!」


 廣谷は焦り上を見上げる。そこからは針がゆっくりと二人に向かって降りて来ている。

 そしてよくよく見ると赤く光る装置が廣谷の頭上にあった。


「あれは……? もしかして……!!」


 廣谷は装置に向かって火の銃で装置を撃つ。バキン! と装置は音を立てて壊れ、それと同時に針が上に戻っていく。

 その光景を見て廣谷は安堵のため息を吐き、その場に座り込む。


「しぬ、かと思った……」

「わっん!」

『廣谷ー!! 生きてる! 僕達生きてるよー!』


 シロが廣谷に駆け寄り鳴く。廣谷はシロの頭を撫でつつ、少しの間そこで精神を落ち着かせた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ