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第十八話

「やっぱり……しぶとくなってるな」


 銃でモンスターを撃ち殺しながら廣谷は呟く。先程思った通り、敵の耐久力が増えていた。そしてこの階からちらほらと姿を現し始めた遠距離持ちのモンスター。

 銃で先手をとっても、溶けるまでに一発攻撃を打ってくるモンスターが増え始めていた。そして何より遠距離モンスターの厄介さは、飛行型のモンスターだという事。

 反撃をしないように刀で斬りつけられないし、銃で二発撃ちこんでもあまり効果はないため、回避がシロの反射神経頼りになっていた。

 廣谷は必死に能力を使わないようにしていたが、シロの回避が間に合わない時は能力を使って防ぐ事をする羽目になり、結果使ってしまうようになった。


「難易度上がったな……」

「わ、わふ……」

『疲れたよー……』

「疲れたな。そろそろ切り上げ時か……?」


 そうして17階の途中でシロは立ち止まってしまった。幸いモンスターは倒していた為安全は確保されていた。

 廣谷を乗せて更に攻撃を躱す事をしていた為、シロは疲れでその場でへたり込んでしまった。


「『宣言。シロを手乗りサイズに』帰ろうか。シロ」

「くぅぅん……」

『つかれたよー……かえるー……』

「ここから10階まで戻るのは疲れるから……『宣言。僕とシロを部屋に転移する』」


 その言葉と共に二人はその場から消えさった。

 廣谷が一度瞬きをして次に目を開けた瞬間、見慣れた部屋が目に飛び込んできた。

 そして部屋に着いた瞬間気が抜けたのか廣谷に疲れがのしかかってきた。

 廣谷はため息を吐き、シロをベッドの上に乗せてから隣に座る。そしてスマホを開くと、そこには見慣れない、入れた覚えのないアプリが入っていた。

 

「ウエポン。武器……?」


 武器のマークがついているアプリを押すと、画面に文字が流れた。


『このアプリを手に入れられるのは16階を行った人のみ!! いい武器揃ってるよ! お金はいつものやつで使えます! 自動で振り込みされるので現金でもOK!』


「なんだこれ」


 胡散臭いな。廣谷はそう思いつつスクロールして表示されている武器を見る。

 ほぼ全てに鍵がかかって内容が見れなかったが、一つだけ内容を見れる武器があった。それをタップし内容を見る。


『16階で解禁。火の弾を撃てる銃。弾丸は金を消費。料金5,000円』


 画面には銃の全体と効果が書いてあり廣谷はこれがあれば少しは楽に進めるか? と疑問に思った。

 廣谷はそれを購入したくなったので、買う。と書かれたボタンをタップする。


『お買い上げありがとうございました!』


――ガコン!!


「っなんだ!?」


 購入した途端近くで音がし見ると、そこには箱が置かれていた。さっきまでなかったのに……? と廣谷は恐る恐るその箱を開けてみた。


「これ、さっき買ったやつ……」


 そこには先程購入にた火の弾を撃てる銃が箱に入っていた。どういう原理なんだ?  と廣谷は思いつつ、まあダンジョン現れたり、モンスターと意思疎通できたり、能力ある時点でそこまで気にする必要はないか……。と考える事をやめた。

 箱を閉じ机の上に置いてから廣谷はベッドに横になった。隣ではシロは寝息を立てながら眠っていた。

 それを廣谷は眺めながらゆっくりと夢の世界に旅立っていった。

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