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第十話

 廣谷が目を覚ましスマホを見ると、通知の中に変わった通知が来ていた。

 捨て垢らしき垢から、『ひろさんは白ウルフを連れてますか?』と来ていた。

 

「……バレた? まぁ、バレるか」


 廣谷は支度をしてからDMに来ていたコメントに返信する。


『はい、白ウルフを連れてます』

『ありがとうございます! 質問なんですが、ひろさんはどんな能力を使っているのですか?』

『言いたくありません。スレで考察してください』

『あっはい』


 そうコメントをしてからシロと共に部屋から出て、地下10階直通の扉を開ける。


「シロ、行くか」

「わんっ!」


 シロに跨り二人は先に進む。0時を超えた為モンスターはリセットされ、道中モンスターがわんさかといた。

 流石に序盤で体力を持っていかれたら面倒だなと思い宣言する。


「『宣言。僕達の姿は見えなくなる』これで、地面からのモンスター以外にはバレないはず……」


 そう宣言してからシロは駆ける。廣谷の思惑通りモンスターは二人に気づかず通りすぎる。

 そして13階まで行き奥に進むとボス部屋に到着する。

 中央に眠るゴーレムのようなモンスター。所々に苔や草が生えていてこのエリアの雰囲気に合っていた。

 見えなくなるという宣言を解除し、入るとがこんと入ってきた道に柵が降りる。それと共に動き出すゴーレム。


「『宣言。君は五秒後に死ぬ』」


 宣言してから五秒後、ゴーレムは動かなくなる。だが溶ける事はなく、じっとその場で停止し続ける。

 

「溶けない? 死んでない……? だが俺の能力は絶対……」


 呟きながらシロに警戒を解かないように指示する。

 シロは警戒を解かずゆっくりとゴーレムに近づく。

 すると――。


 ゴゴゴゴ——。


「シロ! 下がれ!」


 シロが後ずさると同時にまたゴーレムが動きだす。


「能力が効いてない!? ならもう一度……。『宣言、君は五秒後に死ぬ!』」


 もう一度宣言すると共に二人に拳が振り下ろされる。シロはそれを躱し唸る。

 五秒後、ゴーレムの体がボロボロと崩れていき、溶けた。

 それと共に柵が上がっていき、完全に倒せた事が分かった。


「……残機二個あったタイプか?」


 溶けた場所に銃が落ちていた。廣谷はシロから降り、銃をとる。

 その瞬間銃の知識が廣谷の脳内に入る。


『毒効果を付与する弾を撃つ。弾数は小銭を使用』


「……なるほど」


 廣谷はそれを見てから銃を手に取る。小銭は腐る程ある為、暫くは困らないだろうと廣谷は考えた。

 支給される銃は殺傷力が弱く使われる事はなかったが、ダンジョンで出た銃は使えるのではないか。と廣谷は思った。

 銃をポケットに仕舞い二人は先に進んだ。

 進んでいくと14階の階段を見つける。降りると変わらない緑の道。

 そして進むとモンスターを見つけたので銃を取り出しモンスターに向かって撃つ。

 弾がモンスターに辺り数秒後、ドロリとモンスターが溶けた。


「能力の代わりになりそうだ。今後も使うか」


 銃を見てにやりと笑い、二人は奥に進んでいった。

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