表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/71

ヴァルトス領の『総魔』Ⅲ

 あちらこちらで、爆音と砂煙が舞い上がる。

 上空で、騎竜を器用に操りながら、各々が攻撃魔法を放っている。

 地上では、ハリーが指示を出しながら、的確に浄化を行っている。

 しかしながら、消滅、浄化の進捗状況は良くない。どこからか、『澱み』が涌き出ているかのようだ。


 スクトゥム王子が『澱み』の濃い所を重点的に消滅させていくのはどうだろうか?と提案した。

「そろそろ、地上の選抜も疲れてきているだろうし」

 と、下を指さす。そこには、疲労困憊の選抜メンバーが、座り込んでいた。もう、魔力も尽きる頃だろう。

 たった三人で、浄化を担当していたのだから、無理もない。


 一度休憩を挟み、作戦会議を行うことにした。

 選抜メンバーには、今日は業務を終了してもらい、明日は、騎馬を連れて来てもらうことにした。


 騎竜とちがって()()は、普通の馬とおなじで余程の事がない限り、騎乗者を選ばない。


 午前中は、手前から順番に消滅を行っていたが、『澱み』が溢れてきて、要領が悪いので、『澱み』の濃い所を先に消滅させていこう、ということになった。

 元を叩けば『澱み』は薄くなり、消滅しやすくなるだろう、と考えての事だ。


 さっそくチームで別れ、『澱み』の濃い所を目指す。


 オリビアは、ニョロが気にしている湖の付近の濃い『澱み』を狙った。フォルティスに意見を聞くと、ニョロが()()()()()()、事の方に、興味を持ったようだ。


 その『澱み』に近づくと、なんとも言えない悪寒がする。上空から見ているせいか、(うごめ)いている様にも見える。

「さて、一発撃ち込んでみますか」

 フォルティスが『流星群(メテオ)』を放つ。一瞬、毛虫が跳ねたような動きを見せただけで、いまだ蠢いている。


「なるほど」

 再びフォルティスが魔法を放つ様子なので、オリビアは払う準備、スクトゥムは()を狙う準備をした。

流星群・旋風(メテオストーム)

『乱気流』

『雷槍』

 立て続けに、攻撃魔法が放たれる。が、オリビアには()が、複数見てた気がした。

 慌てて『雷槍』を放つ。スクトゥム、フォルティスも気づいたようで、続けざまに攻撃魔法を放った。


 砂煙が舞う。手応えは、合ったように感じたが、不安だったオリビアは『突風』を放った。


 視界が晴れ、眼下が見渡せる様になった。取りこぼした()に『澱み』が集まっているのが見えた。

 瞬時にフォルティスが『土槍』を打ち込む。


 叫び声が、聞こえたような気がした。


 スクトゥムが『全癒』を放ち、浄化を行いなが

「今までに、このような事例は報告されているのか?」

 と、フォルティスに聞いている。

「自分は、聞いた事がありません。本部に確認します。必要なら応援も……」

 と言いながら、他の隊を見て「必要なさそうですね」

 と、笑い合う。


 他の隊も、異例な事態に上手く対処していたようで、『澱み』が消えている。もはや『澱み』という名称が正しいのか疑問だ。


 一旦集まったイザニコス達は、()が複数存在する事を確認しあった。

 本音は、王立騎士団本部に確認を取りたいところだが、もう一回だけ『澱み()()()』を攻撃してみて、同じかどうか再確認して、今日は終了する事になった。


 ※


 再び上空に集まり、騎士団に所属している兄達が、相談している。

「やっぱり()が複数個あったね」

「これって『総魔』なのか?形になってないよな?」


 その横で、イザニコスのオリビア達は様子を伺っていたが、ソフィアが叫んだ。

「見て、これ全体が規則的に動いてる!」

 その声に、皆が眼下を見下ろすと、黒く太い紐状の物が()()()()をしているように見えた。


「『澱み』の濃い所は、()なのか?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ