チーム名の決定
朝食を終えたオリビア達は、アルメディス騎士団に向かった。
侍女達が、ウニョウニョ飛んでいるニョロを盗み見ているのは、気付かない振りをしてあげよう。
コレクションであろう彫刻が、定間隔に配置された廊下を歩きながら
「そういえば、チーム名どうする?僕は、穏やかな名前がいいな」
と、ユリウスがおっとりした口調で言う。
「強そうな名前がいい」
と、ウラニスが答える。
「何を望むか?じゃない?」
と、オリビアが言う。
「望むか?って?」
エレが不思議そうに聞いてきた。
オリビアは、少なくとも二年間はこのチームで『澱み』や『魔』を退治するだろうけど、その先に何を求めるか。だと思う。
目標もなく、ただ退治するだけじゃ虚しいし、駄目な気がする。と伝えた。
スクトゥムは、立ち止まり「なるほど……」と考え込んだ。
確かに、『目標』があった方がやる気も出るであろう。
「じゃあ、イレモだよ。穏やかって意味」
ユリウスが、手を上げて発言する。
「イザニコス、理想だ」
ウラニスが、腕を組ながら発言する。
「理想かぁ、いいわね。澱みや魔を退治した後、穏やかな日常を送りたい。って意味でも」
と、エレがソフィアを見ながら微笑む。
「そうね、領民の穏やかな日常の為に、私達が戦うのね」
「よし、チーム名はイザニコス。穏やかな日常を守るために、闘おう」
いいかな?ユリウス。とスクトゥム王子が聞く。
「いいよ、穏やかな日常だもんね」
と、賛成する。
(イザニコス。言葉に出して唱えてみると、なかなか良い)スクトゥムは、良い仲間に出会えて良かった。と改めて思った。
※
「おっ、オリビアきたな。騎竜クラスなんだって?すごいじゃないか」
アルメディス騎士団に居るはずの無い兄の声に、オリビアは思考が止まった。
オリビアの兄フォルティス、ソフィアの兄ノア、ウラニスの兄イリオスが同窓なのは知っていた。
卒業後は、騎士団に所属したのも知っていた。
しかし、兄達三人も騎竜クラスで、いまだに同じチームだとは、知らなかった。
そして、ソフィアの領地だからと言って、ソフィアの兄達のチームがいるなんて、思いもしない。
「という事で、俺達も共に行動するから」
「兄様、情報が多すぎて整理できません」
「俺もだぞ。オリビア。そいつは、ニョロなのか?」
と、オリビアの周りをウニョウニョ飛んでいる、ニョロを指差す。
騎士団の会議室に場所を移動し、お互い自己紹介をする。ウラニスも、何も聞かされていなかったらしく、不機嫌になっている。
ノアとソフィアが、兄弟仲が悪いのか?と心配するが、たぶん、そういうことではない。
開拓に向かうのは、イザニコスチーム六名とオリビアの兄達のチーム三人名と、アルメディス騎士団三人名の計十二名だ。
まずは、騎竜同士の相性を確認することにした。まれに、相性が悪く編隊が組めない事がある。
※
オリビア達が、騎竜の待機場に着いた時、オリビアに向かって、再び、騎竜達が頭を垂れた。




