初めての友人
ブロンドで透き通った水色の瞳の令嬢は、エレ・クロニエ伯爵令嬢で、氷の精霊に守られし、土の使い手だ。
土魔法の上級魔法を扱いたくて、王立魔法高等学校の進学を決めたそうだ。
エレの積極的な進学目標に、オリビアは気後れしてしまう。
「土魔法って、地味じゃない?何か、派手な土魔法を出したいのよ」
と言って、無邪気に笑う。
さすが、『戦闘特化型の魔法学校』だ。
「ニョロ様が氷の妖精なら、仲よくできそうですわ。お近づきの印に」
と言いながら『粉雪』を降らせる。ニョロは、身震いするほど喜び、粉雪をパクパク口に入れている。
とても可愛らしい様子に、オリビアとエレは目が放せない。
後程、一緒に食堂へ行く約束をして別れた。
オリビアは、三年間、お世話になる部屋を見渡す。机の上には、領地から持ってきた、ラベンダーの鉢植えが置いてある。
トランクを開ける。一番上に『アメシストのイヤーカフス』が入った箱が置いてある。
魔除けのまじないだ。『魅了避け』になればと、ハリーに贈るつもりでいる。オリビア自身の瞳の色と同じなので、婚約者に贈る品として違和感はないはずだ。
箱を握りしめ、どうかピンク頭から守って欲しい。と切に願う。
※
部屋の片付けが一段落したところで、食堂へ向かうのに良い時間になっていた。
パタパタとスカートを叩いて、ホコリを落とす。
(本当に一人なんだなぁ…)と、オリビアは、しみじみ思った。
オリビアとエレは並んで食堂へと、階段を降りる。
食堂は一階の広間の隣で、かなり広い部屋で、長テーブルが三つ並んでいる。学年で一つのテーブルらしい。
部屋番号毎に座る様になっていた。
オリビアが、食堂に入ると一瞬静まり返った。その後に続く囁き声……(ニョロちゃんの事だわ……)
わざわざ紹介することもないので、無言で席に着こうとすると、おもむろにエレがニョロちゃんに、手を差し出した。
「ニョロ様?」
と言いながら、手のひらに『粉雪』を出す。
全身で喜びを表しながら、一心不乱に『粉雪』にかぶりつく。その様子が本当可愛らしい。
すると、周りの空気が変わり、囁き声も好意的な物となっていた。
『エレ様、ありがとうございます』
『氷の仲間ですもの』
と、肩をすくめて微笑んだ。良い友人になれそうだ。と、オリビアは思うのだった。
食事が済み、オリビアとエレは談話室に行ってみようと、食堂の隣へと移動した。
カウンターで紅茶のセットを受け取り、いくつかあるテーブルセットのうち、入口に近い所に座る事にした。
二人が、香り高い紅茶を頂いていると、ニョロに興味をもったであろう令嬢達が、遠巻きにこちらを伺っている。
よろしければ、ご一緒しませんか?と、同席を誘ってみると、おずおずと椅子に座る。
エレが、ソーサーに『粉雪』を出し、ニョロを誘う。
皆で、愛らしいニョロの姿を見ていると、自ずと会話も弾んでくる。
お互いに、新生活への不安を口にし、明日への期待に胸を膨らまし、「また、明日」と言葉を交わし、部屋を後にする。
オリビアも、ピンク頭や『おかしな予言』のせいで、不安しかないが、悩んでいても仕方ない。と、気持ちを新たにし部屋を後にする。
タイトル変更しました。




