クソ暑い日なのに、事件に巻き込まれる。
夏と人が嫌いだ!
カンカン照りの日差しは僕を生きにくくするし、人はひどく身勝手だから。
放課後の掃除がやっと終わった。他の掃除当番の人は誰も来なかった。というか真面目に放課後に掃除する人間なんて殆どいない。僕も面倒くさい時はやらないし。
家まで徒歩10分。その間に色々なことを考える。高校2年生にもなって趣味もない夢もない。バイトもせず勉強もたいして出来ないのだからそろそろ焦りが出てくるはずだ、なのでここらで本気を出し始める予定である。僕はスロースターだ。まだ一度もスタートしたことはないが。
にしても物静かである。顔を覚えるくらいにすれ違ったサラリーマンもいないし、いつも通りがかる保育園から子供たちの声がしないのだ。だんだん気味が悪くなってきた。
空がやけにギラギラと明るくうざったい。なにか遠くからバタバタと大きな足音も近づいてきている様な気がする。
「夏バテかなぁ」
「ぼっーとしてるとマジでバテるぜ?」
いつの間に横に男が立っていた。スラッとした体型、180cmはある。茶の髪が痛み切っており伸び放題。右手に日本刀。不審者だ。というか銃刀法違反で犯罪者では?
「失礼な!今から君を助ける救世主になる男だよぉ?」
まずい、最後の方は言葉に出てしまっていた。
そんなやり取りをしていると足音は止んでいた。いや、目の前に現れていたのだ。
運送トラックくらいの大きさの肉の塊がこちらを見つめる。見つめる、というのはおかしいだろう。その化け物には口らしき物と不自然に取り付けられた手足しか付いてないのだから。
恐ろしい、美しい、愛らしい。
感情が矛盾し合い、全てが弾け、寧ろ冷静になった。
僕が逃げるという判断に至る前に男は日本刀で化け物に切りかかり、足の様な物は切断され、異形は赤子の様な鳴き声で泣いている。
すると異形から巨大な手の様な物が伸び、男を爆発音の様なものと共に宙へ吹き飛ばした。
だが平気そうな顔で男は立ち上がった。
「なんだか力が出ないなぁ。事前の調べでは僕が有利な力場なはずなのになぁ」
とぶつぶつと何か言っている。
「貴方が何者か知らないですけど早く逃げましょうよ!そうだ警察に連絡を…。」
繋がらない。なんとなくそんな気はしたが。
「逃げれないよぉ。もうあの化け物のテリトリーだからね。既に彼女の力場に飲まれてるのさ。」
「テリトリー?力場?」
化け物の不審者も僕の質問の返答などもちろん答えてくれず、こちらに突っ込んでくる。
「救世主になるなんて言っておいて言いにくいんだけどけどさ。死んでくれねーかな!?」
男は申し訳無さそうにそう言った。
ほんとに文字が書きたいだけで作った物ですので適当に更新していきます。