世界最長寿命信介
新作でございますm(_ _)m
なかなか設定をこりましたので、期待して応援してくださると嬉しいです……|´-`)チラッ
――四月四日
この日豊川信介は、人類で初めて百歳を迎えた。
「豊川信介さん! お誕生日おめでとうございます!! 人類一の長寿となりましたが今のお気持ちは!」
「気持ちと言われましてものぉ、まぁ、嬉しい気持ちはありますわい、ほっほ」
瓦屋根に和室オンリーの和風家に住む信介は、今日も正座でお茶を啜る。
「マイペースで貫禄を感じますねぇ、では続いての質問です! 現在独身でいらっしゃると伺ったのですが、今までにご結婚や、恋人さんはおられなかったのですか?」
そう言ってスーツをきたアナウンサーは、カメラアングルを細かく気にしながら信介にマイクを向ける。
「そんなもんおらんわい……。わしは今も尚片想い継続中じゃ」
「と、言いますと?」
それは信介が20歳の頃。
たまたま森で出会った女の子に初恋をした。
綺麗な黒髪を三つ編みにした女の子。可憐で優しく清らかな彼女に、信介は一目惚れをした。
それから約五年間毎日森に通い、密かに会うようになっていたのだが、ある日その子はいなくなった――
「まぁ、わしはその子しか愛しておらんからのぉ……独身でいいんじゃ、ほっほ」
「す、凄いですね……」
一途所の騒ぎじゃない高齢者信介に若干引いたアナウンサーは、視聴者の皆様聞きましたか!?とカメラにドアップになりながら目を見開く。
ウザイ――
それからというもの一時間に渡る質問責めにも優しく丁寧に答えた信介は、今日はこんな年寄りに構ってくれてありがとうのぉ、と笑顔を見せ、アナウンサー達を見送った。
「さてさて、わしももう潮時かのぉ……」
庭に咲く桜がひらりひらりと花弁を散らす中、信介は、良い人生じゃった。とお茶をすすりながら笑みを浮かべる。
可もなく不可もなくというべきなのかは分からないが、今こうして笑えている自分に信介は満足していた。
「あの子は元気かのぉ、せめて名前くらい知りたかったわい、ほっほ」
あの子の笑顔が見たい。大好きじゃ。と、こんな高齢者でも恋はしていいのかのぉと再び笑った信介はゆっくりと横になり、そのまま意識を戻さなかった――
こうして信介は、人類最長年齢百歳を迎えてまもなく、ゆっくりと息を引き取った。
はずだった。
「ギャァァァァァァッッ!!」
「お、王女様のお腹からクソ老けたジジィがぁぁぁっ!!!」
「化け物だァァァァァ!!!!」
「気持ちわりィィぃぃぃぃっ!!!」
死んだはずの信介は、
「あたたたたた、膝が痛いのぉ」
あの子のお腹の中に異世界転生したのではなく、異世界転移していたのでした――
お読み下さりありがとうございます!!
ちなみに結構なバトルものでございます……。
ジジィがバトル!?と思うかもしれませんがゴニョニョ……。
とりあえず少しだけでも先を期待してくだせぇ!!
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