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本当に、貴方は私が好きなの? 私がニセモノと分かっても。

作者: 七瀬







私は、双子の妹に成りすましていた。

妹は、誰かに殺されてしまったからだ!

でも? 警察は、“妹が自殺だと”簡単に事件を片付ける。

私は、妹が自殺するような子だと思っていない!

妹は? 芯の強い子で弱音を一度も吐いた事のない強い子。

そんな子が? 本当に、【自殺】などするだろうか、、、?





・・・当時、妹が付き合っていた彼がいる。

彼の名は、『石垣 祥太郎』28歳、飲食店の店長をしている。

彼は、気さくでバイトの子達にも慕われていたらしい。

誰にでも優しく一生懸命に働く姿に、妹は惚れたのだろう。

彼は、妹が亡くなった事に気づいていない。

その前に、妹の方から彼と一方的に別れ話をしたと直接、妹から

私が聞いたからだ。

私は、妹のふりをして妹の元カレに近づく事にした。



『久しぶりだね、祥太郎!』

『・・・えぇ!? 香帆なのか? どうして、ココに?』

『ごめんね、私から一方的に別れたくせにね!』

『別にいいよ。こうやって、俺に香帆が会いに来てくれたんだから!』

『・・・私の事、許してくれるの?』

『あぁ! 当たり前だろう、俺は今でも香帆の事が好きだからさ!』

『・・・ありがとう、祥太郎。』

『うん! 良かったら? 晩ご飯でも一緒に食べに行かないか?』

『・・・ううん。』





・・・私は、てっきり彼が妹を殺したんだと思っていた。

一方的に妹とから別れ話をされて、カッとなって殺したんだと。

でも? 彼と会ってみて思ったのは? 私を見る目が優しくて

きっと、妹も彼に愛されていたんだと一瞬で想った。

彼は、本当に優しい人だ。

こんな人が、妹を殺す訳がないと私は思った。

じゃあ? 誰が妹を殺したのか?

私が、妹を殺した“犯人”を必ず探してみせるわ!




 *



私は妹の元カレだった祥太郎と、頻繫に会うようになった。

このまま行くと? 私は、妹の元カレを好きになってしまいそうだ。

この男が、有力な犯人に近い存在なのに、、、。

私は、妹の元カレ以外に親密な関係だった人間を調べる事にした。

3ヶ月間、妹の事を調べてみると、、、?

妹には、職場で仲がよかった“小仲 藍花”という女性がいた。

それと? 妹が亡くなる半年前から、妹に付き纏っていた男がいる

事も分かった。

その男の名は、『平山 光』39歳、独身で妹と同じ職場の人間だ。

以前から、妹の事が気になっていたらしいが、その関係が急展開した

らしい、妹が平山に彼氏のフリをしてほしいと頼んだと言うのだ!

祥太郎と別れる為とはいえ、どうして平山に妹は頼んだのだろう?

妹が平山を好きと勘違いして、妹を殺したのか?

疑わしい奴は許さない!

妹を殺した奴は、私の手で殺す!

例え、どんな奴でも、、、。





 *




私と祥太郎の関係は、益々深まっていく。

私は、妹の元カレのこの男を愛してしまった!

好きになってはいけないと想えば想うほど、私は彼に惹かれていく。

私は、彼に聞きたい!


『本当に、貴方は私が好きなの? 私がニセモノと分かっても。』

妹じゃないと分かっても、私の事を愛してくれるのか?

それでも、貴方は? 私を必要としてくれるのか?





彼が私を見る時の目は、純真で真っ直ぐに私を見つめる。

彼が私の妹を殺したとは到底、思えない!







・・・そんな時だった。

意外な人物が浮上してきた。妹が職場で仲がよかった“小仲 藍花だ!”

この女? 妹の元カレだった祥太郎の事を好きだったらしい。

それを、妹に直接言って別れさせたと言うのだ!



・・・どうして? 

この女に、妹は? 弱みでも握られていたのか?

もし? そうなら、妹と祥太郎が別れた意味も分かる。

妹は、この女に弱みを握られていてしぶしぶ祥太郎と別れる事になった。

その時に、【今彼】に平山がいいと、この女に言われたに違いない!

平山とこの女は、隠れて昔付き合っていた仲だとも分かった。

表面上では、ただの知り合いでも! 昔付き合っていた男なら話は早い。

平山を使い、この女が妹を殺したと私は確信した。

答えが分かれば、私は迷わずこの女を殺す事にした。

先ずは、この女を呼び出し殺す。

その後は、平山も妹を殺した共犯者だ! コイツも殺す事にした。



『呼び出したりなんかして、ごめんね、藍花。』

『・・・誰なの? アンタは死んだはずでしょ!』

『生きてるわよ! 何故? 私が死んでると思うの?』

『・・・・・・』

『アンタが、私を殺したからでしょ!』

『・・・なんで? そんな事まで、』

『残念だけど、これで終わりよ!』



【ギャーーーーーーーアアア!!!】


私は、ナイフでこの女の胸を刺した。

その後、平山がのこのことやって来た。


『・・・えぇ!? 藍花? 死んでるのか? 誰が、こんな事!?』

『私よ!』

『香帆なのか!?』

『えぇ! 生き返ったと思った?』

『・・・・・・』

『お前も、この女のように死ねばいいのよ!』

『・・・ま、待て! 俺は殺してない! コイツに言われて手伝った

だけだ!』

『そうね、手伝っただけなのよね? いいわよ、それで! でも死んだ

のよ! アンタが殺したんじゃない!』


【グサッ】

【グァッ、あ、うっ、】




『“双子の妹の復讐よ!” これで、終わり。』

『・・・い、妹? あぁ、うっ、』





私の【復讐】は、これで終わったわ。

もう、思い残す事はない! 

【グサッ】 カバンに入っていたナイフで自分の胸を刺した。


もし? 思い残す事があるなら? 祥太郎の事だけね。

きっと、妹も私と同じように想ったのかもしれない。

最後は、祥太郎の顔が浮かんだわ!

【私も、死ぬ、のね。】




最後までお読みいただきありがとうございます。

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