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〜決着・闘技大会〜

よろしくお願いします( ´ ▽ ` )ノ

ーーーーー闘技大会決勝トーナメント1回戦


「はわわ…皆凄いのですぅ…」


私の出番はまだ先だったので、私達は闘技大会のトーナメントを観戦していた。


流石に王都の闘技大会だけあり、猛者達が出場していた。


筋肉隆々で攻守共に優れた者、手足が伸びて相手を締め上げる者、威力の高い魔法を操る者、瞬間移動の魔法を得意とする者、目にも止まらぬ速さと小道具で相手を翻弄する者。


自分の得意とする分野に尖っている者ばかりであった。


各々が、幾千もの戦いで洗練された、戦いにおける必勝パターンを持っているのだ。そして、そのお互いの必勝パターンをぶつけ合う。


こうすれば勝てる、こう来たらこうする。目覚しく変化する戦いの中で、相手を分析し、自分の勝ちに流れを引き寄せることは至難の技であった。


何試合か観戦し、ついに私の出番が近付いて来た。


「はわわ…そろそろ私の出番みたいなので、行ってくるのですぅ…」


「うむ、行ってらっしゃい」


私の出番が近付いて来たので選手控え室に移動する。




ーーーーーーー控え室にて


普通の人であればこんな時、緊張をほぐす為に独自のルーティーンを行ったり、自己暗示をかけて試合に備えるのだが、私は全く緊張していなかった。


どうすれば皆みたいに拮抗した試合を展開し、観客を盛り上げることができるのかということを考えていた。


「はわわ…何か良い戦闘スタイルはないですかねぇ…」


私だけの戦闘スタイル…私の特技…む、そういえばファイヤーブレスを吐くことができたのだった。


ふむ、とりあえず、ドラゴニュートらしく相手の攻撃を耐えてブレスを吐きまくれば、観客は喜んでくれる気がする。うん、そうしよう。


私の考えがひと段落すると、実況騎士団員と解説騎士団員の声が聞こえて来た。王国騎士団が審判など、諸々の運営業務を行なっているのだ。





「さぁ、さぁ、そろそろ次の戦いが始まります!まずは選手紹介!北ゲートから入場したのは、その巨大な斧が目印、数々の戦場を渡り歩いて来た傭兵!その伝説は数えきれない!斧神のジャック!」


どうやら、私の対戦相手は斧使いの傭兵のようだ。


「続いて、南ゲートから!麗しい見た目に騙されるな!その角は飾りじゃない!本物のドラゴニュート!血を見るのが大好き!執拗に狙う首への一撃!鮮血の噴水職人のリオ!」


私の紹介文が読まれたので、打ち合わせ通り南ゲートからコロシアムへ入場する。


「はわわ…血を見るのが好きなのはペコリーナなのですぅ…」


巨大な斧を背負った、身の丈2mほどの大男が腕を組み、無言でこちらを睨んでいる。


「…」


「さぁ、鐘がなったら試合開始です!」


…ゴオーン!


「試合開始ぃぃいいい!!」ワアアア!!


すぐに戦いが始まるかと思ったが、男が喋りだした。


「おい小娘…今すぐ棄権しろ…」


「はわわ…実力差が分かって無い人ほど面白い人は居ないですぅ…」


「俺はドラゴニュートととは何度も戦ったことがある、だが、お前みたいな小さいドラゴニュートは初めてだ、まだ子供だろう?」


「はわはわ…子供ですけど、ファイアーブレスも吐けるですよぅ…!」


「フッ…その言葉でもう分かった、そもそもドラゴニュートはファイアーブレスなんか吐けない…強がりな小娘だな…」


「はわ…!?」


私は久しぶりにビックリした。


「フンッ…どうしても棄権しないというなら実力差を分からせてやる…」


む、来る気になったか…?よし、作成通り奴の攻撃を全て耐えて、ファイアーブレスで反撃するとしよう。


男は背中から斧を取り出すと、斧の先端を地面に突き刺した。


「ハンデだ!一撃受けてやる!最強の攻撃をしてこい!」


「うおおおおお!パーフェクトガード!プロテクトアーマー!ディフェンスアップ!」


男は何やら自己強化バフのような魔法を使ったようだ。おそらく、一時的に防御力をアップさせるものだろう。


さて、どうしたものか…


むっ、なんか鼻がムズムズするな…そういえば最近鼻毛切って無かった…あっ、くしゃみ出そう…


「はわ…はわ…はわ…ハックシュビィ!!」






ーーーーーーーーーーーーーーーー

こんにちは。次に起こった出来事を説明する前に一般的なくしゃみについておさらいさせて頂きます。


くしゃみとは生理現象です。


“くしゃみは、一回ないし数回の痙攣的な吸気をし、その後強い呼気を発することである。くしゃみ反応は不随意運動であり「自力で抑制」することはできない。”(Wikipedia)


つまり、リオちゃんは「自力で抑制」することができなかったのです。


実際に、くしゃみをきっかけに肋骨などを骨折する人が沢山います。


また、一般的なくしゃみの初速は新幹線並の時速300kmほどであると言われています。


くしゃみのおさらいは以上でございます。


ーーーーーーーーーーーーーーーー




あっ、くしゃみ出そう…


「はわ…はわ…はわ…ハックシュビィ!!」


意図せずにファイアーブレスが口から飛び出した。


キュン!ドォン!


音速を超え、戦車砲のように飛び出したファイアーブレスは一直線に飛んでいき、斧神のジャックへ直撃した。


斧神のジャックはファイアーブレスの勢いそのままに後方へ吹き飛ばされ、事前に張られていた観客を守る為の結界にぶち当たった。


ギャリギャリギャリギャリ!!パリン!ドゴォーン!!


そして一瞬結界と拮抗した後に結界を破り、観客席の下方の壁に激突した。


ジャックはかろうじて原型を留めていたが、死んでいるのか生きているのか傍目には分からない状態であった。



「はわわ…やっちゃったのですぅ…」



あれだけ騒いでいた観客達もピタリと静まり返った。なぜなら、トーナメントが始まる前に観客を守る結界がどれほど強固なのか何度もデモンストレーションを交えて説明されていたからだ…


安全な場所から化け物達の戦いを見るのが楽しいのであって、現状は安全とは言えなくなっていた。


ホラー映画を観ていたら、突然ホラー映画の中の登場人物にされてしまったような恐怖を覚えていた。


そんな中、一足早く我に返った実況騎士団員の勝者の宣言で時間が動き出した。


「…勝者!鮮血の噴水職人!リオ!」…ウ…ウオオオオ!!




闘技者達は全員、リオの実力を察し、優勝できないと悟った。

その後の戦いはモチベーションが失われた闘技者達による塩試合が続いた。


また、リオの対戦相手は全員棄権し、決勝まで不戦勝で勝ち進んだ。また、決勝の相手でシードだったジャスティンも医務室で棄権の意志を示したのでリオの優勝が決まった。


なんだか気まずい表彰式を終えると、優勝者には恒例のイベントがあるという。


それは古くから国に伝わる伝説の聖剣を抜く挑戦をするというものであった。


次回、魔王を倒します。૮₍´。• ᵕ •。`₎ა

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