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生まれるまで...
吉野正造は、自らの体になった胎児の魔改造に取りかかった。
「う~ん。まずは魔力量を増やすとするかのう。それでは取りかかるとするかの。」
そう呟くと、魔力を扱う上で必要不可欠な魔力容量と変換効率を上げるための魔力容器と魔力線を誘導し、作り上げていく。
まず魔力容器の形をいじり、将来鍛え上げるときに他の器官の邪魔にならないようにし、一定以上溜まった魔力は亜空間庫に貯蔵できるよう魔力容器を改造する。
続いて魔力線を身体中に通していく。
より緻密な網目状に体表面と骨の内部に魔力線を通すことにより、一部が断線しても魔法が使えるように魔力線を編み込んでいく。
一通り魔術に対する対策が終わった後、時間を持て余していた。
そのうち、幼い(まだ産まれてもいない)身体に引っ張られてか、意識が眠りの微睡みの中に沈んでいったのだった。
どれ程経ったのか、次に意識が浮上してからと言うものの外の会話を聞くことで言語を理解することに時間を費やした。
それから2か月後、産まれてくるまで集中力の続く限り言語理解に時間を費やしたのだった。