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SS集

百発百中

作者: 藤乃 雅

俺は占い師が嫌いだ。

あんな誰にでも当てはまることを、もっともらしく人に伝えて信じこませようとする。

していることは詐欺師と変わらないだろう。

無論、霊能力に超能力、魔法などは言うまでもない。


が、しかし、俺は友人に薦められ腕が良いと話題の占いの館に来てしまった。

特に興味は無かったのだが友人があまりに熱心に薦めるので行かざるを得なかった。

いい機会だ、占ってもらおう。


入ってみると、変な形の装飾品は無く、部屋は思ったよりも暗くない、想像していたよりも地味だった。

何より占い師と思しき人は、髪はきちんと整えられ、スーツ姿で会社員のような風貌だった。


もっと禍々しい雰囲気を期待していたのだがなんだか気が抜けてしまった、まあいい、俺は占い師らしき人の前に座る。


「本日はこの占いの館にお越しいただきありがとうございます。」

「ああ、じゃあ早速占ってもらおう。」


占い師はその後、占いに必要だという名前や生年月日、家族関係、さらには身長まで俺に聞いてきた。


「身長まで言う必要はあるのか?健康診断ならともかく、占いに身長を用いるなど聞いたこともない。」

「私どもには必要な情報ですので、仕方ありません。」


少し癪にさわったがここで帰るわけにもいかない。


「それでは、占わせていただきます。」

占い師はなにかブツブツ言った後、突然目を見開いた。


「あなたは来週のどこかで財布をなくしてしまうでしょう。お気をつけください。」


「なるほど、それは確かに気をつけなければならないな。それで、他には?」


「これだけです。私達は近々起こる出来事についての占いを専門にしているのです。」


「何だって?ぼったくりにも程がある、これでは料金は払えない。」


「構いません、私どもはお客様が占いの結果を実際に体験なさってから料金を支払っていただくシステムになっております。」


堪らず俺は店を出た。ふざけた店だ、そんな占い信じられる訳がない。

俺は早足で家に帰った。


あれからちょうど1週間が経った、なんだ、結局デタラメだったじゃないか。

酒のつまみを選びながらそんなことを思い、おもむろにポケットに手を当てる、財布がない、落としたのだろうか、いや、店に入るときは確かにあった。スられたのかもしれない、幸い給料日前だったのであまり金は入っていなかった。


再びあの占いの館を訪れた、俺もそんなケチじゃないし、けじめはしっかりつけておきたい。


「よう、占い師さん、この前の占いが当たったので料金を払いに来た、ほら。」


「そうでしたか、では占いの結果をお話しします、」


「待ってくれ、俺は料金を払いに来ただけだ。」


「大丈夫ですよ。当たらなかったら払わなくて良いですから。」


結局聞いてしまった。どうやら俺は来週軽い事故に遭い、入院するらしい。


占いは的中し、俺は3日ほど入院することになった。そして退院後料金を払いに行く。

また同じような会話が成されて占いを聞かされてしまう。


来週は俺のパソコンがウィルスに感染するらしい、ほぼ実害がないので安心した。





その後も占いは続き、1カ月が経った。





占いの館と書かれた看板から1人の男が出て行った後、中にいたスーツ姿の男はある研究所に電話していた。


「どうでしょうか、進捗のほうは。」


電話の男がそれに応える

「それならあなたの協力のおかげでもう少しで完成しそうですよ。」


「ありがとうございます。まあ、ロボットに指示を出してあの男にちょっかいをかけてるだけですが。

しかし、いつも思うのですが既にいる人間と姿かたちが同じ瓜二つのロボットなんて何に使うのです?」


「ただの実験だよ、ロボットが人間に溶け込めるのかというね。怖くなったかい?」


「いえ…」


まあいいさ、これで協力の見返りとして金がたんまり貰える。

次回であの男への占いは終わりとするそうだ。それが何を意味するかは考えたくもないね。

初投稿です

オチがまだうまくできませんね…

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