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君に、あの日の言葉を…  作者: ポン太@
夏の章 不安定少女
3/12

不安定な蜃気楼

 2007 8 13


「コーヒーできましたよ」

僕は扉の奥へ声をかけた。

しばらくして、声が返ってきた。扉を開けるとのそのそとでてきて、机に座った。

「―――――――――――んん、すまんね」

と言うと、コーヒーを一口飲んだ。

けど、少し熱かったらしく、顔をしかめた。

この人は僕の事務所の社長だ。

名前は道草みちくさ みなもとさん。性別は女性。年齢は不明。職業は探偵。

僕にわかるのはこれくらいだ。あと、出身は京都だとか。

僕はこの人を知らない。なんせ、僕がこの事務所に入ったのは今年の五月だった。

いろいろあって、ここに入ることになった。

道草探偵事務所。それがここの名前だ。ここには、僕を含めて、社員は四人しかいない。

そんな事務所での、僕の仕事は、主に雑用だ。お茶くみ、掃除、その他もろもろの仕事。

特に、困った点はない。

「ご馳走様、美味しかったよ」

「そうですか、よかったです」

今日のコーヒーは成功のようだ。

そう言うと、道草さんはタバコを一本吸い始めた。部屋の中にタバコの匂いが広がる。

僕はその匂いに思わず、咽てしまった。

どうも、タバコの匂いは好きになれない。どうしても、今のように咽てしまうからだ。

少し、時間の経つと、道草さんが口を開いた、

「君に聞きたいんだが、今日は、何日だ?」

「えーと、たぶん、今日は、八月十三日だったような」

「そうか、ありがとう」

そう言うと、道草さんは口を閉じた。

ふと、外を見た。

外は太陽の光で眩しかった。たぶん、この分だと蜃気楼も出ているだろう。

そんなことを考えていると、あの日を思い出す。




あの日と同じような空、いつかの過去は蘇り、再現される。


約束は、今――――――――――――――――――。

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