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おちゆくあき/超えられない壁
「おちゆくあき」
あきの日は愁いのいろ
血染めのそらが嘆くいろ
すべてのものがおとろえ
枯れてなくなって
いつかは真白におおわれる
ある者は恋におち
またある者はおつる葉に感傷の心わき
赤 だいだい 山吹 きいろのとりどりに
眼も心もうばわれる
あきのつるべはおとされつ
あきの夜の長きはまだつづく
愁いのいろも深くなる
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「超えられない壁」
いつまでたっても
超えられない壁がある
どこまでも高くて いつまでも遠い
わかれめの壁
ずっとずっと先まで行って
遠まわりしても超えられない壁
永久に続いてゆく
長い長い旅路の壁
壁は僕らをへだててばかり
いつの日かなくなることを願ってる