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胡蝶楽/Detour
「胡蝶楽」
ひらひらときみが舞ふ
はらはらときみが散る
きみは
てふてふのやうに
空をかける
はなばなのごとく
地にはつる
消えうせてはかなききみは
やがてはそこで
朽ちてゆく
こてふにまみれて
ゆめとなる
きらきらときみが逝く
ゆらゆらときみが踊る
こてふのゆめに惑ひて狂ふ
しらべに誘はれ
はるは過ぐ
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「Detour」
きみと話す
ほんのささやかな幸せを
ほんのかすかな喜びを
つかまえるためのまわり道
きみと離れてしまうのが怖くて
いつも遠まわりして帰った道
扉のなかに消えてしまうきみを
いつまでも見送って
明るくひかる窓を見あげる
それじゃまた。と
ちいさくつぶやいて
もと来た道へときびすを返す
そうして
今日きみと過ごした一日を
想いながら歩くんだ