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without a Word of a Lie
「without a Word of a Lie」
好きだよ、と
今日はエイプリールフールだからって
きみに冗談めかして言ってみた
きみはにこにこ笑って
やっぱりうそなんでしょう、と
ぼくに言った
ああ、もちろんさ
そう言ってしまったあとの
ほのかな苦み
ぼくはその瞬間
めいいっぱいに後悔した
きみがとても綺麗で哀しい瞳をして
ありがとう、って言ったから
くるり、とぼくに背をむけて
走りさってゆこうとしたから
うそなんかじゃない
ほんとにきみが好きなんだ
だんだんと
遠ざかってゆく背中にむかって叫んだ
あおい春の日
詩集タイトルの「bleu printemps(=仏語で青い春)」はこの詩の一語から採ってます。
恋だの愛だの書いてますが、実際の私は女子校育ちなので、青春時代も女子に囲まれてました(笑)




