失恋ナルシシスト
あなたがわたしに聞いた 君はぼくが一番好き?
いいえ。
そう答えた日、あなたはいなくなってしまった
なんでかしら?
わたしはわたしが一番好き
世界で一番わたしが好き
みんなそうでしょう?
だってわたしは、
夜の神社の夏祭り、あなたが握ってくれた手の温もりを、この手で感じることが出来たもの
大会の決勝で決めた、あなたの逆転のシュートを見た時、感動することが出来たもの
二人で行ったゲームセンター、あなたが取ってくれたお揃いの人形に触れると、今でも鮮明に思い出せるもの
クリスマスのデートで、一緒に食べたチョコレートケーキ
君が好きだって言ってくれた、あの日よりおいしいケーキは、きっとこの世界に存在しないと言えるもの
だってわたしは、
こんなわたしを好きになってくれたあなたが好き
そんなあなたが好きになってくれたわたしが好き
あなたを特別に思える、そんな私が大好きなの
あなたがみせる笑顔で、心地よくなれた私が、好きで仕方ないわ
いなくなった今でも、あなたがくれた幸せを忘れることが出来ないもの
この世界の同じ年に生まれて、あの日あの時間に出会えた
あなたと一緒にいれた日を幸せに思える人生を送ってきた
そんなわたしが一番好き
あなただってそうでしょう?
だってわたしは、
好きなことをあれだけ一生懸命打ち込めるあなたが好き
自分の思ったことを正直に言えるあなたが好き
自由な人生を楽しんで生きているあなたが大好きだから
そんなあなたはきっと、この世界で一番、あなたのことが好きなはず
未だにいなくなった理由は、分からないけど、あなたのことを思い出すと涙が止まらないわ
でもそれがあなたの幸せならわたしは幸せ
だって、
わたしが好きなあなたが好きなわたしが、この世界で一番好きだから