表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/51

第6話「夜の約束――君との子どもを、迎えるために」



卒業式が終わった夜、春の風が心地よく吹き抜ける。

リビングの窓を開け放ったまま、美紅と悠真は並んで座っていた。


テーブルには、瑞稀が用意してくれた豪華な食事。

そして卒業祝いのシャンパンが一本。


「……おめでとう、悠真くん。卒業、本当にお疲れ様」


美紅が優しくグラスを傾けると、悠真は少し照れたように笑った。


「ありがとう。なんか、あっという間だったよ。

入学して、気付いたら――美紅さんの旦那になって、そして今日、卒業して……」


「ふふ。でも、これからが本番でしょ? 社会人としての一歩」


「……うん」


悠真はグラスを置き、美紅の手を取った。


「それでさ……今日、ちゃんと話したいことがあるんだ」


美紅は表情を柔らかくして頷く。


「……子どものこと」


その言葉に、美紅の瞳が一瞬揺れた。


「俺、美紅さんとの将来をちゃんと考えたい。

ずっと“卒業するまでは待ってほしい”って言ってたけど……いざ卒業したら、もう待てないっていうかさ」


「……本当に、そう思ってるの?」


「思ってる。今すぐにっていう意味じゃなくて、でも“覚悟”はもうある。

美紅さんの子どもを、この手で守りたいって思ってる」


すると美紅は、そっと立ち上がり――悠真の膝の上に座った。


「……私ね。もう名前も考えてたんだ」


「え?」


「男の子なら、大翔ひろと

女の子なら、遥香はるかと……さやか

悠真くんとの子どもなら、絶対に可愛い子になるって……ずっと思ってたの」


悠真は一瞬、言葉を失い、それから笑った。


「それ、俺が言うセリフじゃない?」


「ふふ……そうかも」


しばし見つめ合った後、ふたりはゆっくりと唇を重ねた。



その夜――


ベッドルームで、ふたりは寄り添っていた。


美紅がそっと声を落とす。


「……ねぇ、悠真くん。今夜、ちゃんと“迎えようか”」


「うん。俺も、そうしたいと思ってた」


やがて、美紅はそっと悠真の上に重なり、

そのままふたりは静かに、愛を重ねた。


カーテンの隙間から、春の夜風が揺れ――

その部屋には、温かな気配と、未来への静かな願いが満ちていた。



翌朝――


キッチンに立った美紅が、さりげなく呟いた。


「……悠真くん。もし、ほんとに赤ちゃんができたら――どうする?」


「全力で、喜ぶよ」


「……ならいい。うん、ほんとに、ならいい」


そう言って、美紅は笑った。


まるで――すでに何かを、確信しているかのように。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!


その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ