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『姉の同期が“推しモデル”でした。――交際0日婚…君に憧れて、君と結婚することになった夜。』  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
『姉の同期が“推しモデル”でした。――交際0日婚から始まった日々と、姉の恋が動き出した朝』
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第10話「4年生の春、未来への約束と、重なる心」



春の風が、キャンパスにやわらかな新芽の香りを運んでくる。


スマートフォンの画面に、大学からのメールが届いたのは、

昼過ぎの静かな講義室だった。


件名:進級通知


本文の数行には、こう記されていた。


「神谷悠真 様

あなたは、必要な単位を全て取得し、進級の条件を満たしました。

よって、令和〇年度より4年次に進級が認められます。」


悠真は、ホッとしたように、息を吐いた。


思えばこの一年、課題に追われ、時間を惜しんで勉強し、

時には撮影のスケジュールと重なりながらも、なんとか踏みとどまった。


(……よかった。これで、美紅さんとの“約束”も守れる)



その日の夜、悠真は久しぶりの学年合同の歓迎飲み会に出席していた。

新一年生を迎えた初顔合わせの場では、旧友や後輩たちも交じって、賑やかな時間が流れていた。


料理が運ばれ、乾杯の音頭が終わった直後。

会場の隅でざわつきが起こった。


「ねぇ、あの人……もしかして、“CMに出てた人”じゃない?」

「うん、あの人、篠原美紅の旦那さんだって……名前、確か神谷悠真」


1年生の男子学生と女子大生の2人が、そっと悠真の方へ歩み寄ってきた。


「こんにちは……もしかして、CMに出てた神谷さん、ですよね?」

「結婚、おめでとうございます。正直、ちょっとショックだったけど……悔しいけど、幸せになってください」


悠真は一瞬驚いたが、丁寧に頭を下げて言った。


「ありがとうございます。突然でごめんね。

でも……そう言ってもらえると、すごく救われます」


2人は微笑み、静かに自分たちの席へ戻っていった。


その後、航や圭吾、憲剛たちからも「ようやくか!」と肩を叩かれ、

健太や冬夜からは「飲み過ぎんなよ、新生活はこれからだぞ」と軽口を飛ばされた。


悠真は、心の底から笑っていた。

きっと、こんな日が来ることを――ずっと夢見ていたのだ。



帰宅後。

玄関で靴を脱ぎながら、悠真はリビングのソファに座っていた美紅に話しかけた。


「ねえ、美紅さん。俺、無事に4年になれたよ」


「ほんと? おめでとう、悠真くん」


美紅は嬉しそうに駆け寄り、キッチンからグラスを2つ取り出して乾杯した。


「……あと、一つだけ。お願いがあるんだけど」

「ん? なあに?」


「……もう一年だけ。子ども、待ってくれる?」


少しだけ沈黙が流れた後、美紅は優しく微笑んで――

「もちろんよ!」と声を弾ませた。


そして、グラスを置いてそっと悠真の頬に手を添え、

静かに、唇を重ねた。


その夜――

ふたりは風呂場で静かに体を重ね合った。

あたたかな湯気の中、

悠真が下に、美紅が上に覆いかぶさるようにして、

互いのぬくもりを何度も、確かめ合った。


(いま、こうして“家族”でいられることが、何より幸せだ)


そう思いながら、

悠真は美紅の髪に指を通し、深く長いキスを交わした。



同じ頃――

キッチンでは、瑞稀が夕飯の準備をしていた。


「尚吾くん……このまま付き合っていけば、いつかは“結婚”も……」


フライパンに油を引きながら、

自分の未来と、弟たちの未来を思い重ねる。


そして、風呂から上がった悠真と美紅がリビングに戻ると、

そこには瑞稀特製の夕飯が並べられていた。


「……いただきます」


3人で囲む食卓。

テレビから流れるバラエティ番組の笑い声と、

ささやかな笑顔が、春の夜を包んでいた。



そして、数日後――

大学3年生の修了式が行われた。


悠真はクラスメイトたちと肩を並べ、

その節目を、胸に刻むように受け止めた。


(来年の今頃には、俺も社会に出てるのか……)


そして、そばには――

いつも変わらず寄り添ってくれる、美紅の存在がある。


“憧れの人”と結ばれた交際0日婚は、

いま、確かな“家族の物語”へと歩み出していた。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


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その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。


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