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『姉の同期が“推しモデル”でした。――交際0日婚…君に憧れて、君と結婚することになった夜。』  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
『姉の同期が“推しモデル”でした。――交際0日婚から始まった日々と、姉の恋が動き出した朝』
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第8話「休日のデートと、それぞれの想い」



――日曜日。

都内では珍しく、柔らかな陽光が朝から降り注いでいた。

この日は、美紅も瑞稀も、それぞれの“特別な一日”を過ごしていた。



午前10時、某シネコン前。

待ち合わせに現れたのは瑞稀と、外部スタッフの**桐山尚吾(31歳)**だった。


「……ごめん、待った?」


「いや、俺もさっき来たとこ」


いつもは職場で会うふたり。

こうして休日に“私服”で会うのは、これが初めてだった。


瑞稀はデニムジャケットに白のワンピースというシンプルな装い、

尚吾は落ち着いた色合いのシャツに、ベージュのカーディガン。

どこか“等身大”の空気が、二人の間に流れていた。


「観たいって言ってた映画、まだやってて良かった」

「ね。ああいう実話ベースの作品って、泣けるよね」


映画が終わった後、美術館へ。

現代アートの展示室では、静かな空間で言葉よりも視線を交わしながら、

互いの感性を少しずつ確かめていった。


館内のカフェで休憩中――


「……なんか不思議。こうやって尚吾くんと話すと、

“背伸びしなくてもいい”って思える」


「俺も。瑞稀さんって、意外と感情表現が苦手なのかなって思ってたけど……。

今日の君は、すごく自然体で素敵だよ」


瑞稀は照れ隠しにコーヒーを一口飲んで、微笑んだ。


「……それ、素直に嬉しいかも」



一方その頃、大学では悠真が講義に出席していた。


(姉貴、今日は確かデートって言ってたっけ……)


講義内容に集中していたつもりでも、

ノートにペンを走らせる手がふと止まり、

心の片隅で瑞稀の“恋愛”に想いを馳せる。


――姉ちゃんも、俺と同じように「誰かと家族になる」道を選ぶのか。

そんな未来が、もうすぐそこまで来てる気がした。



また、別の場所――都内のスタジオ。

CMと雑誌撮影の“ダブルブッキング現場”に美紅の姿があった。


撮影は滞りなく進行していたが、

控室でメイク直しをしていた美紅の表情は、どこか上の空だった。


(……瑞稀さん、朝すごく丁寧にメイクしてたな。

やっぱり今日は、大切な人と会うんだ)


美紅はふと、鏡越しに自分の顔を見つめ直す。

綺麗に仕上げられたその顔に、自信と、少しの不安が映っていた。


(私たちは“交際0日婚”だったけど――

瑞稀さんはちゃんと「恋」を始めてる。

……それって、すごく素敵だな)



夜――

瑞稀は自宅のベランダで、今日撮った写真をスマホで見返していた。

隣の部屋では、美紅がシャワーを浴びている音。

悠真はまだ講義レポートをまとめていて、リビングには静寂が広がっていた。


(“少しずつ”って、案外いいかもしれない)


そうつぶやいた瑞稀の口元には、これまでにない温かい笑みがあった。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

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