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『姉の同期が“推しモデル”でした。――交際0日婚…君に憧れて、君と結婚することになった夜。』  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
『姉の同期が“推しモデル”でした。――交際0日婚から始まった日々と、姉の恋が動き出した朝』
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第6話「ふたりの夢、CM撮影と未来のすれ違い」




日差しが少しだけ和らぎ始めた秋の午後。

とある都内の撮影スタジオでは、美紅と悠真が並んで立っていた。


今回の仕事は、“夫婦役として共演するCM”。

スーツ姿の悠真が、美紅の肩を抱き、優しく微笑むというワンカット。


元々は美紅単独の仕事だったが、事務所社長の提案で、

「ご主人にも出演していただけたら“話題性”にもなるわよ」

という流れから、夫婦そろっての出演が決まったのだ。


「……ねぇ、悠真くん。肩、力入りすぎ」

「ご、ごめん……慣れてなくてさ。カメラの前に立つのって、やっぱ緊張する」


「ふふ、大丈夫。私の顔だけ見てれば、いいんだから」


そう言って微笑む美紅の笑顔は、まるでプロの女優のように柔らかで、美しくて。

悠真はふと、“この人は、きっともっと上に行く人なんだ”と思った。



休憩中。ふたりはメイクルームで並んで座っていた。


「悠真くん、最近……大学どう?」


「うん。講義もサークルも忙しいけど、楽しいよ。

でも……たまにちょっとだけ、不安になることがある」


「不安?」


「美紅さんと比べたら、俺ってまだ“何者でもない”じゃん。

美紅さんは、モデルであり、女優としても認められてる。

俺は、大学生で、演技経験もCMと学園祭の演劇ぐらい。

このまま君の隣にいていいのかな、って」


美紅は、鏡越しに悠真の目を見た。


「……何者かでいることが、大事だとは思わないよ。

私はね、悠真くんが“誰かの真似じゃない自分”でいてくれることが、いちばん嬉しいの」


そして、美紅はそっと自分の指を重ねた。


「でも……不安を抱えながらでも、私の隣にいたいって思ってくれるなら。

その気持ちだけで、私は十分だよ」



撮影は無事に終わった。

CMの最後のカット、悠真が美紅の額にキスをする瞬間――

撮影スタッフが思わず「おお……」とため息をもらすほど、自然で、そして愛が溢れていた。


だが、撮影後。


帰りの電車の中で、悠真は小さくつぶやいた。


「……やっぱり、もっと頑張らなきゃな。

“美紅の夫”じゃなく、“神谷悠真”として認められるように」


その声に、美紅はそっと頷いた。


彼の努力を、誰よりも近くで知っているからこそ、

“支えたい”と思えるのだと、あらためて思いながら。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

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読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

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