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『姉の同期が“推しモデル”でした。――交際0日婚…君に憧れて、君と結婚することになった夜。』  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
『姉の同期が“推しモデル”でした。――交際0日婚から始まった日々と、姉の恋が動き出した朝』
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第3話「母への挨拶と、ふたりの“約束”」



日曜の昼下がり――

東京都内の閑静な住宅街。その一角にある、落ち着いた平屋の玄関前に立っていたのは、スーツ姿の悠真だった。


横には、やや緊張した様子の美紅。


「……大丈夫かな。うちの母、少し厳しいところあるから」


「大丈夫。俺、ちゃんと覚悟してきたから」


そう言って、悠真はインターホンを押した。

中から出てきたのは、柔らかなグレーのブラウスに身を包んだ、美紅の母・真理恵まりえ。上品で少しだけ芯の強そうな女性だった。


「……ようこそ、いらっしゃい。あなたが悠真くんね?」


「はい。神谷悠真と申します。本日はお時間をいただき、ありがとうございます」


深く頭を下げる悠真の姿に、真理恵は少し驚いたような表情を見せ、それでもすぐに笑みを返した。


「そんなにかしこまらなくていいわ。さあ、上がって」



ダイニングで用意された手料理を囲みながらの食事は、始まりこそ少し硬さがあったものの、やがて会話は穏やかに流れていった。


美紅が高校生の頃の話、モデル活動を始めたばかりの頃の苦労――

そして話題は、自然と“ふたりのこれから”へと移っていった。


「……正直に言えば、最初は驚きました」

真理恵は少し目を細めながら、悠真を見た。


「交際0日婚なんて、そんな無茶な話が娘から出るなんて想像もしてなかったから」


「……はい。そのとおりです。

でも、僕は本気で美紅さんを愛しています。

“交際”という形式ではなくても、彼女と生きていきたいと思えた。それがすべてでした」


美紅が少し照れながら、しかししっかりと悠真の手を握る。


「お母さん、私、彼と出会ってから……ちゃんと人を愛するってどういうことか、初めて知ったの。

だから、お願い。この人を、私の家族として認めてほしい」


真理恵はしばらくの間、言葉を発さなかった。


やがて、小さくため息をついた後――

「……ふたりとも、随分と真っ直ぐなのね」

と、肩の力を抜いたように微笑んだ。


「なら、私も腹を括るしかないわね。

……あなたの覚悟、ちゃんと見届けるから」



帰り道。


夜の住宅街をふたりで歩きながら、悠真はほっと息をついた。


「……ほんとに、緊張した」


「ふふ、でもすごかったよ。お母さん、悠真くんのこと“根が真面目すぎるくらいで、逆に安心した”って言ってた」


「……うれしい。けど、真面目すぎってちょっと複雑」


そのとき、美紅が急に立ち止まり、真剣な顔で悠真を見た。


「ねぇ、悠真くん」


「うん?」


「私たち、まだ家族としてはこれからだと思う。でも――

将来、子どもができたとき、きっと“私たちみたいな形もあるんだ”って、胸を張って言えるような夫婦になろうね」


悠真はしっかりと頷いた。


「うん。約束する。

どんな困難があっても、“選んでよかった”って思い続けてもらえるように、頑張るから」


ふたりは、手を重ねたまま――

夕焼けに染まる空の下、そっと唇を重ねた。


それは、“ふたりで歩んでいく”という新たな約束のキスだった。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

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「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。


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