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『姉の同期が“推しモデル”でした。――交際0日婚…君に憧れて、君と結婚することになった夜。』  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
『交際0日婚ですが、姉の同期が“推しモデル”でした。―ふたりの未来と、演じる恋じゃない愛のかたち。』
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第10話「君とつくる人生のシナリオ」



冬の訪れが近づいたある夜――。

大学での授業を終えた悠真が家に帰ると、リビングには柔らかな灯りと、静かなクラシックが流れていた。


キッチンにはエプロン姿の美紅。

グラタンの香ばしい匂いが部屋に満ち、いつもの“ふたりの生活”が、温かく広がっていた。


「おかえり、悠真くん。ちょうど焼けたところだよ」


「……ただいま。すっごくいい匂い」


テーブルに並べられた料理を見て、悠真は自然と笑みをこぼした。

そして、ふと目をやると、テーブルの隅に一冊のシナリオ台本が置かれているのに気づいた。


「これ……?」


「うん。次の作品、映画の主演。来週から撮影に入るの」


「そっか……主演か。やっぱりすごいな、美紅は」


「……でも、正直言うとね――今回は、ちょっと不安なの」


悠真は美紅の隣に腰を下ろし、静かに彼女の手を取った。


「どうして?」


「役がね、“妊娠した妻”なの。相手役の俳優さんとのシーンも多くて……もちろん、プロとしてやるけど……やっぱり悠真くん以外の人に“妻としての自分”を見せるの、少しだけ怖い」


それは、女優としてではなく、“妻”としての本音だった。


悠真は一瞬黙ってから、深く頷く。


「……わかるよ。俺だって、同じ立場ならそう思う。でも、だからこそ言いたい。

君がどんな役を演じても、どんなに誰かとキスしても、誰かと寄り添うシーンを撮っても――俺にとって君は、世界にひとりの妻だよ」


美紅の目が潤んだ。


「……ありがとう。そう言ってくれると、ちゃんと頑張れる」


「それに、もしまた一緒に演じられるチャンスがあるなら――どんなシナリオでも、俺は“君専属の相手役”でいたい」


「ふふ、それ、ちょっと照れるね。でも……そのセリフ、覚えておく」


その後の食事は、静かで優しい時間だった。



夜。

ふたりは寝室で隣り合いながら、いつものように手をつないでいた。


「……ねえ、悠真くん。私たち、どこまで行けるかな?」


「どこまでって?」


「この“夫婦共演”っていうスタイル。

CM、ドラマ、映画――いろんなところで一緒にいて、ずっと見つめ合って、愛し合って、それを誰かに届けるってこと……」


悠真は笑いながら答える。


「どこまででも行こうよ。

だって、俺たちは“交際0日婚”から始まって、ここまできたんだよ?

次は、“家族共演”だって、きっとできる」


「……うん。

きっと、どんなシナリオでも――ふたりでなら、現実に変えられるね」


そしてその夜、ふたりは灯りを落とし、

そっと抱き合いながら、未来について語り合った。


「名前、どうする? 子どもが生まれたら」


「まだ早いってば……でも、男の子でも女の子でも、君が呼びやすい名前がいいな」


「ふふ、じゃあ“悠”って字は絶対入れてね」


「はいはい、お任せします、“未来の母”さん」


優しい笑い声が、静かな寝室に響いた。


ふたりの未来は、まだ真っ白なシナリオのように広がっている。

でも、そこにはもう確かな言葉が刻まれ始めていた。


“君と生きるための、物語”


演技ではない。夢でもない。

これは――現実に選び、歩み、抱き合ってきた、ふたりの愛のかたちだった。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

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読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。


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