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『姉の同期が“推しモデル”でした。――交際0日婚…君に憧れて、君と結婚することになった夜。』  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
『交際0日婚ですが、姉の同期が“推しモデル”でした。―ふたりの未来と、演じる恋じゃない愛のかたち。』
24/51

第6話「映画撮影の夜に、ささやかれた願い」



夏の終わり。

蝉の声が静かになり、夜の風に秋の気配が混じる頃。

悠真と美紅は、映画撮影のため地方ロケへと向かっていた。


今回の作品は、“新婚夫婦の心の揺れと愛の再確認”を描いたラブストーリー。

美紅は主演女優、悠真はその夫役として、今や**“夫婦専門俳優”**としての注目を集めていた。


──


撮影4日目の夜。

山間の静かな旅館に宿泊したふたりは、その日のクライマックスシーンに備えてリハーサルを終えたあと、露天風呂つきの部屋でゆったりとした時間を過ごしていた。


美紅は髪をまとめ、薄手の浴衣に身を包み、縁側で夜風にあたっていた。


「……ねえ、悠真くん」


「うん?」


「私ね、今でも時々思うの。“本当にこれでよかったのかな”って。交際もしないまま結婚して、夫婦になって……」


「……後悔、してる?」


「ううん。全然。でも、“これでいい”って言えるために、ちゃんと未来をつくりたいって思うの。ふたりで」


悠真は少しだけ考えたあと、隣に腰を下ろして、彼女の耳元に口を寄せた。


そして――


「……俺、子どもが欲しい」


美紅の身体がピクリと震えた。


「……え?」


「今日の撮影中ずっと思ってた。君のことを抱きしめて、愛して、毎日一緒にいて……この先、君との間に命を授かれたら、って」


「……でも……私、まだ仕事もあって……」


「分かってる。焦ってるわけじゃない。でも、君との未来に、“家族”という形が欲しいと思った」


その声は、とても静かで、でもどこまでも真剣だった。


美紅はしばらく言葉を失ったあと――


「……私も、欲しいよ。あなたの子ども……って、思ってた」


目尻に涙を浮かべながら、彼女はそう呟いた。


「仕事も大事。でも、それ以上に、私たちが“ふたりだけ”で終わらない未来を……見てみたい」


言葉が終わると同時に、美紅は悠真の胸に飛び込んだ。


そのまま、ふたりは畳に倒れ込むように身体を重ね――

美紅が上に、悠真が下でそっと抱き合った。


浴衣の隙間からあらわになる肌。

愛しさが、ためらいを超え、呼吸を重ねていく。

唇から、首筋へ、そして指先へ――


「……好き、ずっと……あなたと、こうしていたい」


「俺も……美紅……」


その夜、撮影の台本には存在しない、

**“ふたりだけの未来のシーン”**が重ねられた。


それは、演技ではない。

ふたりの人生に刻まれる、本物の想いだった。


そして数時間後。

眠りにつく直前、美紅が小さく囁いた。


「……子どもができたら、最初に伝えるのは……撮影スタッフじゃなくて、あなただからね」


悠真はそっと頷いて、彼女の指を握った。


「ありがとう。……俺の未来は、君とその子のためにあるから」


──


静かな夜の中、ふたりの鼓動がやさしく重なっていた。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


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その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。


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