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『姉の同期が“推しモデル”でした。――交際0日婚…君に憧れて、君と結婚することになった夜。』  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
『交際0日婚ですが、姉の同期が“推しモデル”でした。―ふたりの未来と、演じる恋じゃない愛のかたち。』
22/51

第4話「カメラやスタッフの前で、恋人じゃない“恋”をする」



CM放送からわずか数日――

悠真と美紅の“夫婦共演”は、ネットを中心に爆発的な反響を呼んでいた。


「こんなに自然な夫婦感、他にある?」

「交際0日婚から、ここまで来るなんて……!」

「モデルとしても女優としても一流の美紅さんが、リアル旦那と共演してるの尊すぎる」


SNSは連日賑わい、テレビでも「今もっとも話題のリアル夫婦」としてニュースやワイドショーに取り上げられた。


それを受けて、次に事務所から舞い込んだのは――

連続ドラマでの恋人役としての共演依頼だった。


「……ドラマ……か」


自宅のダイニング。

台本に目を通しながら、悠真はそっと眉をひそめた。


「うん。でも、この内容なら……」


美紅が頷きながら言葉を継ぐ。


「ちゃんと恋人役。でも……相手が悠真くんだから、大丈夫。私、誰にも見せたことないくらい“本物の恋”を演じられるかもしれない」


脚本は、若いカップルが出会いから結婚までを描くラブストーリー。

リアル夫婦が演じるという“実験的企画”に、監督も気合いを入れていた。



ドラマ撮影初日――


シーン1は、駅前での偶然の出会いから始まる。

通り過ぎたふたりが振り返り、目が合い、歩き出す瞬間。


「……カット! 悠真くん、表情ナチュラルでいいよ! 美紅さんも、その照れ笑い最高!」


順調な滑り出しに、現場はあたたかい空気に包まれていた。


続くカットでは、ふたりが初めて手を繋ぐシーン。

演出上は「ぎこちない初恋のような緊張感」が求められていたが、監督が声をかける前に、ふたりの間には自然な間合いと温度差が生まれていた。


「……さすがだな、このふたり。まるで本物の初恋」


「いや、“本物”なんだよ、きっと」


スタッフたちが目を細める中、次に控えていたのは――

ラブシーンだった。


ベッドに横たわるふたり。

設定上は付き合って半年、心が通い合った夜の描写。

カットを繋ぎながら、キスシーンを撮る必要がある。


リハーサルの前、控室で美紅が言った。


「……もし、私が本気でキスしちゃったら、ごめんね」


「ううん。むしろ、演技だと思わないでくれたほうが……嬉しいかも」


「……じゃあ、長くても、嫌がらないでね」


「君のキスなら、いくらでも」


──


カメラが回り始めた。


ベッドの上、互いに顔を見つめ合いながら、悠真がそっと髪に触れる。

美紅が目を伏せると、その唇に、そっと――


キス。


最初は軽く。

次第に深く。

やがて、長く、熱を帯びたそれは、スタッフさえも息を呑むほどに“真に迫った愛”を感じさせた。


「……カ、カット……」


カメラマンが手を止め、スタジオが静まり返る。


「……これ、もう恋人役じゃなくて、“夫婦の愛”だよな……」


「うん。演技超えてる。あれはもう、本物の夫婦のキスだった」


監督さえも言葉を失い、現場は異様なほどの静けさに包まれた。


やがて監督が小さく拍手しながら言った。


「OK、素晴らしかった……今日の収録、これで終わり。もう充分だよ」



帰り道。

夜風の中、車に揺られながら、悠真は美紅の手を握った。


「ねえ、さっきの……演技じゃないよな」


「……うん。私も。ちゃんと、悠真くんに“好き”って伝えながら、キスしてた」


「……このまま、ずっと君と一緒に、物語をつくっていきたい」


「うん。私も、カメラの前でも、プライベートでも、悠真くんとなら、どんな恋も演じられる」


そしてふたりは、もう一度静かにキスを交わした。


それはドラマの一場面ではなく――

ふたりの、現実に刻まれる“愛の記録”だった。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


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その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。


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