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『姉の同期が“推しモデル”でした。――交際0日婚…君に憧れて、君と結婚することになった夜。』  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
『交際0日婚ですが、姉の同期が“推しモデル”でした。―ふたりの未来と、演じる恋じゃない愛のかたち。』
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特別編7話(最終話)「“演技”のはずが、鼓動が止まらない」



――数日後。

ドラマはいよいよ物語の山場を迎え、撮影現場の緊張感も日に日に増していた。


この日の撮影は、“恋人としての初夜”。

曖昧な関係がようやく確かになり、心も身体もひとつになる、

作品にとって最も重要なシーンだった。


現場には美紅の事務所の社長や瑞稀の姿もあり、悠真は久々に強いプレッシャーを感じていた。


「……今日は、少し緊張してる?」


撮影直前、衣装のまま隣に並んだ美紅が小声で尋ねてきた。


「……うん。だって、あのキスのあとだし。みんな“本当に付き合ってるんじゃ?”って目で見てくる」


「付き合ってるどころか、結婚してるけどね」


「それがバレないように“演じる”のが、逆に難しいんだよ……」


美紅はくすっと笑って、

「じゃあ、今から“まだ夫婦じゃない”っていう設定で、私のこと、好きになって」と言って、

軽く唇に指を当てた。



セットはベッドルーム。

静かな夜の室内、灯りはぼんやりと柔らかく、ベッド脇に置かれた小さなランプが温もりを与えている。


シーンはこうだ――

ふたりは長い時間を経てようやく想いを伝え合い、

その夜、何も言葉を交わさずに、そっと寄り添い、指を絡め、

――そして、キスを交わす。


台本には「キス」としか書かれていなかった。

演技の中でどれだけ感情をのせるかは、ふたりに託されていた。


「3、2、1――カメラ、スタート」


スタッフの声とともに、悠真はベッドの縁に腰掛けた美紅の隣に静かに座る。


「……今日も、綺麗だね」


「……バカ。演技なんでしょ、それ」


「だったら――“演技”のままでも、君に触れていい?」


美紅の目が揺れた。

それは“演技”なのか、それとも――


彼女の手にそっと触れる。

その指が震えた。

その震えに、悠真の心臓が跳ねた。


――これは演技じゃない。

“夫婦”という関係を知っているはずの自分が、

もう一度“恋”をしている。


ゆっくりと唇が近づく。

目を閉じる瞬間、ふたりの呼吸が重なる。


深く、優しく、

けれど確かに心の奥を揺らすキスだった。


一秒、また一秒――


「……カット」


監督の声が響いても、

ふたりはすぐに動けなかった。


演技のはずだった。

けれど、心臓の音は止まらなかった。



控室に戻ったふたりは、しばらく無言だった。


「……ねぇ、悠真くん」


「うん」


「……今のキス、“お芝居”じゃなかったよね?」


「……うん。あんなにドキドキしたの、初めてだった」


「私、夫婦になった今でも――

君に触れられるだけで、“好き”が更新されていくの」


「俺もだよ。君といるたびに、

“この人と結婚してよかった”って、毎回、毎日、そう思う」


ふたりは言葉もなく、

そっと手を重ね――

もう一度、控室のソファで小さなキスを交わした。


演技じゃなく、本物のキスだった。



その夜。


家に帰ると、瑞稀がテレビでドラマのティザーCMを見ていた。

ふたりのキスシーンが、スローで流れ、SNSでも話題になっていた。


瑞稀はリモコンを置いて、ふたりに呟いた。


「……ねぇ、あんたたち。

正直、あのキス、本気だったでしょ?」


「えっ……」


美紅と悠真は目を合わせた。


瑞稀はニヤリと笑いながら言った。


「いいじゃん。

全国の視聴者に、**“本物の愛”見せつけてやりなさいよ。

あんたたち、最強の夫婦なんだから」


――それは“夫婦”であることを隠していても、

隠しきれないほどにあふれる、

ふたりの“本当の愛”の証だった。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!


その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。


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