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『姉の同期が“推しモデル”でした。――交際0日婚…君に憧れて、君と結婚することになった夜。』  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
『交際0日婚ですが、姉の同期が“推しモデル”でした。―ふたりの未来と、演じる恋じゃない愛のかたち。』
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特別編3話「記者会見と、ふたりだけのルール」



――数日後。

CMの全国放送による反響は、想像以上だった。


テレビ番組やネットニュースでは“理想の夫婦”として取り上げられ、SNSでは「本当に結婚してるのが尊い」「現実にいた…」と話題に。


そして事務所はその反響を受け、美紅の所属事務所とメーカー合同の小さな記者会見を企画した。


美紅のマネージャーから、正式に「夫の立場で同席を」と依頼された悠真は、慎重に返事をした。


「俺で本当にいいんですか?」


「あなたしかいないでしょ。あなたは、“演じた夫”じゃなくて、“本物の夫”なんだから」


その言葉に、美紅が隣で頷いた。


「……ねえ悠真くん、今日も隣にいてくれる?」


「うん。……ずっと、君の隣にいるって決めたから」



記者会見当日。

小規模ながら、カメラのフラッシュと記者の視線に囲まれるという異様な空気に、悠真は少し緊張していた。


しかし、美紅は落ち着いた笑みで、司会者からの質問に答えていた。


「今回のCMは“自然体な夫婦”がテーマでしたが、演技はされていたんですか?」


「いえ……私たち、演技というより“普段のまま”で過ごしていました。

――だって、隣にいるのは、本物の夫ですから」


会場が一瞬ざわついた。


だがその静けさをやさしく打ち消すように、美紅が微笑んだ。


「このCMが、誰かの“理想”に映ったのなら、それはたぶん、私たちが“本気で向き合ってきた”証だと思っています」


隣でその言葉を聞いた悠真は、深くうなずいた。


「僕は芸能人じゃないけど、彼女が撮影で疲れて帰ってきたときに、

“ただの夫”として迎えてあげられる存在でいたいと思ってます。

――彼女が“篠原美紅”じゃなく、“僕の妻”に戻れる場所を、守りたいんです」


そのコメントに、場内からは自然と拍手が沸き起こった。



会見後――

帰りの車内、静まり返った後部座席で、美紅がふと呟く。


「……ねえ悠真くん」


「うん?」


「私たち、“夫婦”としてだけじゃなくて、“仕事仲間”としても、ちゃんと前を向けた気がする」


「……うん、そうだね」


「だから、これからも撮影が続く中で……ふたりだけのルール、作らない?」


「ルール?」


「うん。たとえば――撮影中は“お互いを演じない”。

そして撮影が終わったら、“ちゃんと夫婦に戻る”。

どこまでいっても、演技に飲まれないようにしたいの」


「……いいね、それ。君らしい」


悠真は笑って、彼女の手を握った。


「じゃあ、俺からもルール追加していい?」


「なに?」


「“お互いが頑張った日には、夜にキスをする”。ご褒美として」


「ふふっ……それ、嬉しい」


ふたりの手は、どこまでも温かかった。

舞台裏で重ねたこの“約束”こそ、表に見えないふたりの本当の絆。


今後も続いていく共演の中で、

どこまで本気になっても、ふたりの根っこは変わらない。


“愛してる”という言葉が、演技よりも先にある世界。


そんな世界で、ふたりはこれからも手を取り合って生きていく。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


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その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。


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