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『姉の同期が“推しモデル”でした。――交際0日婚…君に憧れて、君と結婚することになった夜。』  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
『交際0日婚ですが、姉の同期が“推しモデル”でした。―ふたりの未来と、演じる恋じゃない愛のかたち。』
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特別編2話「夜の誓いと、ふたりの未来へ」



夜――。

甘く深いキスを交わしたあと、美紅と悠真は、ゆっくりと顔を離した。


照明を落としたリビングには、ふたりの吐息だけが静かに漂っている。

ソファに並んで腰かけたまま、美紅は恥ずかしそうに髪をかきあげながら言った。


「……あのCM、本当に放送されたんだね」


「うん。しかもニュース番組で紹介までされるなんて思ってなかったよ」


「私、ちょっとだけ不安だったんだ。ふたりの空気が“作りもの”だって思われたらどうしようって」


「でもさ」


悠真はそっと美紅の手を取る。


「俺たちは、本当に夫婦で、本当に……君のこと、誰よりも見てきた。だからきっと、伝わったんだよ。作りものじゃないって」


「……悠真くん」


その言葉に、胸が熱くなる。

いつもは照れた顔をする彼が、こうして真正面から思いを口にするたびに、美紅の中で“恋”が“愛”へと形を変えていくのを感じていた。


「私ね、今すごく幸せだよ」


「俺も」


ふたりは、手を繋いだままソファに寄りかかり、夜が更けるまで静かに寄り添っていた。



翌日、大学の帰り道。

悠真は駅までの道でスマホを確認すると、美紅からのLINEに気づいた。


「今日、少しだけ遅くなるかも。撮影終わったら連絡するね」


「大丈夫、無理しないで。帰ったら、ちゃんとご飯食べような」


返信を送り、悠真はふっと笑う。


ふたりで交わす日常の連絡も、今ではあたりまえになった。


だが――

“芸能人の妻”と“大学生の夫”という関係性は、やはり少しずつ“現実とのギャップ”も生んでいた。


このまま、美紅はもっと有名になっていく。

そして自分は、ただの一般人。


それでも隣にいたいと思うほど、彼女を好きになってしまったから――

離れられないし、手放したくなかった。



夜、帰宅した美紅は、疲れた様子ながらも柔らかく微笑んでいた。


「ただいま」


「おかえり」


テーブルには、悠真が作ったシチューとサラダ。

器の温もりに、美紅の表情が少しほどける。


「嬉しいな……こういうの」


「ただいまって言える人がいて、出迎えてくれる人がいて……本当に、幸せなんだよ」


そう言って、少しだけ泣きそうな目で美紅が微笑んだ。


悠真は、黙って彼女の手を取った。


「じゃあ、約束しよう」


「え?」


「どんな仕事が来ても、どんな状況になっても――俺は、君の隣で生きる」


「……うん。私も」


「“推し”とか“モデル”とかじゃなくて、“妻”として、ずっとそばにいて」


「いるよ。……ずっと」


その夜、ふたりは再び、深く唇を重ねた。

言葉では表せないほどの想いを――

ただ、キスという形で、何度も確かめ合っていた。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

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