01話 スタートダッシュ
俺の名前は瀬戸 憂剣。高校生だ。高校へ行く。勉強する。家に帰る。ゲームする。寝る。たまに友達と遊ぶ。これを繰り返す。毎日繰り返す。こんな生活で良いのだろうか。と俺は思う。でも結局そう思うだけでいつも俺は何もしないまま、ぼんやりと1日を過ごす。
・・・外の景色でも見るか。
ぼーっと窓の外の空を見る。今日は青空で入道雲がとても美しい。The・夏って感じだなぁ・・・と思う。
「えーっと、それではこちらの問題を・・・20番!瀬戸君、答え教えてー」
と先生の声が突き刺さる。
「えっ、あっはい、ここの答えは ア ですね。」
「はーい。合ってます。合ってます。それで何で ア なのかって言うと...」
無事、俺が適当に言った選択肢は答えだったようだ。あのおばさん毎回、俺がぼーっとすると当ててくるのやめてほしい。まあ授業を聞かずに窓の外を俺が悪いんだけど。
こんなことを思いながらもまだ窓の外の青空を眺めてしまう。そしてふと瞼を閉じれば、脳裏に映るのは青空を背に丸で宝石のような青い目を持つ金砂の髪を靡かせた少女だった。
本来はもう思い出さないと決めていたのだが・・・懐かしいな・・・
「瀬戸くん?ずっと窓の外見てないで授業に集中してください〜。」
・・・はぁ
「はい。すみません。」
クラス中から笑い声が聞こえてくる。何が面白いのか分からないが、とにかく最悪だ。次の休み時間、中江とかがイジってくるんだろう。 「お前また窓の外見て、気取りやがって!ナルシストやんけ!」 とか笑いながら言われる未来が想像出来てしまった。ほんとに最悪だ。
こんな学校生活を送り、ついにやって来た夏休み。
キラキラ高校生達は、海だの、デートだの、そんなことをするんだろうが生憎俺にそんな予定はない。海に関してはまあ行けないことないけど、最寄り大阪湾なんだよな・・・沈むしか出来ないんだよ!!
デートに関しては言わずもがな。俺も付き合いたいって!!
なんか色々考えてると悲しくなってきた。最悪だ。現実と向き合うのは俺には辛すぎる。
馬鹿みたいな事を言っているとやはり虚無になるというか虚しくなってしまった。
・・・暇だな。はっきり言ってまだ宿題はやりたくないのでスマホを触る事にした。
リンスタでストーリーを見る。@matuu_krって誰だっけ。中学の同級生?
・・・あっ、松倉か!?親友のリンスタアカウント忘れるのは俺やばいな・・・
けど懐かしいな。DMしてみるか。
よう と送信。
すぐに既読がついた。こいつ暇だな。絶対。
どーしたん? と返信がくる。
話すん。だるいから電話しようや と送る
またも爆速で返信が返ってくる。
おけ。
通話がかかってきた。
電話では、適当に中学の思い出話とか中学の女子の恋愛事情などありきたりの事を話していると、松倉が口を開く。
「そういやさ、俺今日か明日にお前に電話しようと思ってたんだけどさ、瀬戸、俺たち小学校の頃5人くらいでよく遊んでたよな。覚えてる?」
「あー、勿論覚えてるよ。俺とお前、大西と枚田、そして瑠璃だろ? 流石に覚えてるよ。色々あったからな・・・それがどうかしたん?」
「いや、それが・・・だな。もしかしたら瑠璃、生きてるかもしれない・・・」
それでも僕達は青空を走る。の第一話を拝読して頂き、ありがとうございます。見苦しい文章かと思いますが是非、温かい目で読んで頂けたら幸いです。