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勘違いをされる人生


俺は何故か勘違いを良くされてしまう。何故なんだ。


「課長!この資料はどうすれば!」


「松崎課長!大原物産の社員が課長をお呼びです!」


「課長!先日の企画のどれぐらい進んでいるかの報告書、社長に提出しなければ!」



「その資料は営業課の部長に渡して」


「田村さんだね。少し、待って貰ってくれ」


「報告書は既に制作済み、部長からもOK貰ったから」「俺のデスクの赤いファイルに入ってるから、取っておいて」


「さっ!午後も残り2時間!頑張っていこう!」


「「「「はい!!!!」


「はぁ、本当課長って、凄いですよね〜」


「?何がだ?」


「何がって、偏差値70以上の大学を主席で卒業、大手企業であるこの会社に入社してからだったの3年で主任、その1年後には課長をし、成績優秀、運動神経抜群、クールだけど部下思いでちゃんと礼儀もなっていて優しくて、おまけに御実家は大手企業を次々と経営している。そんな完璧男子って本当羨まですよ」


そう真顔で早口で熱弁する園田美咲こと大事に部下の1人。確かに自分の顔は両親に似て整っているとは思うが、完璧男子と学生時代から良く言われるが、俺は完璧ではないと思うんだ。


「俺はそんなに完璧だとは思えないが?」


「何をおっしゃる!普段は会社の食堂で食事を済ませてますが、この前!」

「超美味しそうな和食尽のお弁当を持って来た人に言われたくありません!!」


「いや、それはだな」


もう1人の後輩である大森立也こと部下もそう言って来て、ちょっと驚き気味に否定交じりで言う。

だってそうなのだ。俺は完璧ではない、確実に。


「ぁ!居た、居た!」

「松崎君!この前の資料案とても良かったよ!流石だね!」


「社長!ありがとうございます。社長に喜んで頂いて」

「ですが、部下たちのおかげでこの資料案が出来たんです。なので、部下達を褒めてあげてください」


突然現れて褒めながら俺の肩に手を置いてくる社長に軽く否定を入れながら、部下達のおかげだと言う。これは事実だ。部下達が居なければ、俺はやっていけないんだからな。


「課長ッ!!俺、課長の部下で本当に良かったッス!!(泣)」


「私も!絶対にこの会社を辞めないわ!(涙目)」


「俺もこんな部下を持てて嬉しいぞ!」


「部下達にしっかりと評価を与え、自身は謙遜な態度をするなんて本当に君は謙虚だね」


「課長、本当に完璧過ぎますよ」


何故か泣いている部下達や嬉しそうにする部長、何か変な考えをしている社長に、隣で真顔でそう言ってくる後輩(園田美咲)。そんな後輩に俺は苦笑いをする。


ピロン♪


「ん?妹から、か、、、、」


「??課長、妹さんがどうかしましたか?」


「何かあったんですか!」


「ぁ、いや、そんな大した事じゃない。ちょっとした事だ」


「それならいいんですが」


心配そうに見つめて来た部下達に軽く否定をしながら、右手に持つスマホから内容をたま見る。書いてあるのは『兄さん!この前のお弁当どうだった!?美味しかったでしょ!』『普段家事を全くしない兄さんのために作ったから』と書かれていた。

そうあの和食弁当は大学生の妹が作ったものだ。偶々、家に泊まりに来た妹が作ってくれたものなのに何故か、俺が作った物と勘違いされている。本当に何でだ。


「課長!夜ご飯はどうするんです?私はひさしぶりに中華に行こうと思って!」


「バカ、課長は自炊だろ。多分何種類も作ってるんだって!」

「美咲みたいに、自炊しない様な人間じゃねぇって!」


「え、あぁ〜、そうだな。まぁ、適当だよ。そんな自炊なんてあんましないし」


「「ご謙遜を!!」」


本当のこと言ったら、何か瞬時に迫力のある否定をされてしまった。何故、俺は完璧人間だと思われているんだ。何て、悩みながら仕事の作業をしていて、休憩をしようと頭を上げていたら、いつの間にか定時になっていた。だが、みんなその事に気付いていないのか、パソコンに食いついたいる。なので、俺は立ち上がって。


パンッパンッ(手を叩く)

「みんな、定時だ。今日は金曜日、みんな仕事は月曜日にして今日は早めに帰りなさい」

「良いですよね?部長?」


「あぁ、そうだな!今日は娘に早く帰って来てって言われてるし!」


「!か、課長が眩しい!何だ、あれ、神か!」


「何の戯言じゃ、課長はずっと前から神だわ」


「部下への配慮も忘れず、部長にもちゃんと許可を取ったりする課長、マジリスペクト!」


「ただ、いつも頑張っているみんなにはちゃんと休んで欲しいと思ったんだが?」

「変だろうか?」


「「グハッ (バタッ(トキメキ倒れ)」」


「う、うちの上司マジ天使級の神何だが!」


そう本心を部下達に言ったら、何か部下達が心臓を押さえながら倒れていく。俺は困惑したが、良くあるから少し慣れていっている節があるため、倒れている部下達を横目に帰りの準備をする。


「それじゃあ、みんな、ちゃんと早く帰るんだぞ」

「じゃ、また、来週」


「「「「「はい!!課長!!」」」」」


部下達から少々恥ずかしいが、見送られて会社を出る。


「、、、、こんな所に、高校生が1人?誰かに用があるのか?(小声)」


ふと、会社の入り口近くで待っている小柄なで可愛い系の顔立ちの男子高校生を発見。俺の会社含めたここら辺は所謂、オフィス街と呼ばれるところ。学生なんて滅多に見たりする事はないのに、不思議に思い横目で通り過ぎた。


「って、早く行かなきゃ、電車来るな。確か、6時ぐらいから雨って言ってたんだよな」


そう思い少し急足で電車に乗り、少し休憩をしようと空いている席に座。座っていると右斜め前から熱い視線を感じる。


「ねぇ、あの人イケメンじゃない?(小声)」


「あの人?(小声)」


「あそこに座ってるサラリーマンの男性!(小声)」

「まさに眉目秀麗!男前だし爽やか風、身なりも整ってて、クールって感じが雰囲気でも分かる!(小声)」


「確かに、イケメンだわ(小声)」

「あれは、何でもそつなく完璧にこなすタイプだわ(小声)」


「だよね!多分家事全般も得意なタイプだよ!あんな、旦那さん欲しい!(小声)」


「ッ //////」


そう小声だけど興奮気味で話してる女子高校生2人の声が聞こえた。恥ずかしさもあり、右手で口を押さえる。やっぱり、こうやって褒められるのは恥ずかしさもあって照れる。

老人の女性が乗って来た。だが、今は帰宅ラッシュなせいもあって、座るところもない。俺は考える間も無く、立ち上がった。


「良かったら、ここを座ってください」


「大丈夫だよ。私はお婆さんじゃが体力はあるからのう」


「いえ、違いますよ。レディーファーストですし、貴方はお婆さんではないですよ。綺麗な女性です」


「「「「「「グッ!!/ッ!!」」」」」」


「えっ、//// そうかい。なら、遠慮なく座らせて貰うわね」


「えぇ、どうぞ。お座りください」


女性が座った後周りを見たら何故か、心臓を押さえている人や口を押さえている人が多い事に気づいた。何故なんだ。不思議に思っていたら、俺の自宅の最寄りの駅に着いたから降りた。


「今日早めに帰ろうか」


急足で家路に着き、マンションに入りエレベーターを待っていたら、同じ階の住人である主婦達のが降りて来た。主婦達は俺の顔を見てすぐに声をかけてきた。


「あら、松崎さん。お仕事帰りですか?」


「はい。今日は金曜日なので早めに終わらせて」


「本当、松崎さんは若くして凄いよね」

「それにイケメンで本当旦那にも見習って欲しい」


「そうそう!うちの旦那何て、毎日遅くに帰ってくるし、何か怪しいし!」


「俺はそんな大層な人間じゃないですよ」

「それに、旦那さん達は毎日頑張って皆さんの為に働いてるんですよ。それに、この前皆さんの旦那さんに会ったんですけど」

「う〜ん、言っても良いかな」


「「「会ったんですけど?」」」


不思議そうなだけど気になっている奥さん達の顔をあるし勘違いされ続けられるているのも可哀想なので、顔を近づかせて、この前旦那さん達が言っていたのを言った。


「実は旦那さん達料理教室通ってるんですよ。来週の母の日に奥さんにお礼をしたいからって」


「嘘、、、、確かに、匂いが朝と違う事が多かったりするし」


「子供達の面倒を最近は見てくれる様になってくれたし」


「妙に優しくなったりする事が多かったり」


「、、、、全部、母の日の為にやってあげたいって言ったましたよ」

「勿論、実のお母様達にもプレゼントをするって言ったました」

「いつも、感謝している分、母の日は楽をさせてあげたいからって」


そう言うと、すぐさま顔を赤らめる奥様方3人、だけどその顔はとても嬉しみと恥ずかしさが混じっていた。


「「「!!////、、、、ありがとう」」」


「よし、私、今日はちょっと奮発しますか!」


「そうね!あの人の好きなのを作ろうかしら!」


「私も頑張って作りますか!さ、2人共スーパーに行きましょ!」

「松崎さんまた、今度!」


「「えぇ!!松崎さん、またね!」」


「は、はい」


何か嬉しそうにしながらマンションから出ていく奥様方を見送り、エレベーターすぐさま入って一瞬のうちに6階に着き、自分の自宅に入っていくが、自分の視界に入る物とは。


「ただいま」

「、、、、これ、そろそろヤバいな」


ギリ、足元は見えるぐらいのいろんなゴミに床に積み重なっているゴミ袋、使ったりしない物で溢れている物置、唯一綺麗なお風呂場。


「本当、そろそろどうにかしないとな、、、、(深いため息)」


俺は元々、綺麗にはしていた。だが、仕事の忙しさもあってか中々、片付けが出来ないし元からの家事の苦手さもあってか、料理をするのも大の苦手、掃除も出来るが時間がないんだ。

それに、2年前まで付き合ってた彼女にも家事が出来ない事で捨てられる始末。




『ねぇ、私達別れない?』


『えっ?な、何で?俺、何かした?』


『だってさ今時、家事が出来ないんじゃ、話にならない』

『私、結婚するなら家事も出来る完璧な人としたいの!!』


『俺の事嫌いになったの!!?』


『嫌いになったんじゃないの。結果を出してくれないから嫌になったの』


『そ、そんな!俺、頑張るから、家事も頑張るから!』


『今更言われても、貴方のこともう、興味はないんだ』

『さようなら』










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