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第16話 お買い物

 

 ライトはブルー村に向う準備をする為、一度家に帰宅した。家の中で辺りを見渡し必要な物が無いか色々と漁るが特に高価な物も旅に使う物なども持っていなかった。結局、ライトにとっては一番大切にしている両親が身に付けていたアクセサリーに目がいき置かれている小さなテーブルへと向かう。


ライト  「父さんと母さんが身に着けてたアクセサリーは絶対持って行った方が良いよな。空き巣が入ったら困るし…。まぁ、盗まれて困るのはこれぐらいだけど」


 手に両親が身に着けていたアクセサリーを持ち、そして身に着ける。


ライト 「よし。まずはブロンズ街で何か買っていかないとな。お金も結構あるし」


 両親のアクセサリーを大切に身に着け、ライトはブルー村に向けて出発した。


———【ブロンズ街着】


ライト 「ここはいつも人いっぱいだなぁ」


 ブロンズ街に到着すると大きな噴水が中心部に設置され人で賑わっていた。仕立屋、食材、雑貨屋などその他にも様々な店舗が並ぶように設置され、価格は庶民向けなのでお手頃価格で色々な物が購入できる。


ライト 「リリアが回復能力使えるけど、万が一の事を考えて薬屋で回復薬は必須だな。高いけど…。後、野宿するかもしれないし食材は買わないとな。でも、俺料理ろくに出来ないからどの食材を買えば良いのかよくわからないんだけど…」


 何を購入すれば良いのか考え込みながら立ち止まっていると「おーい」と聞き覚えのある声が聞こえライトは顔を振り向く。


リリア 「おーい!やっぱライトだ!」


ライト 「うわ!リリアもブロンズ街で何か買うのか?」


リリア 「うん、長旅になるっぽいし野宿するかもしれないでしょ?食材買おうと思って」


ライト 「リリアが作ってくれるのか!?」


リリア 「うん。だってライトに作らせたらゲテモノ料理出てきそうだもん。それにネイリーが作るってなっても……一応サファイアローメン国の王族じゃん。作り慣れてないと思うんだよね」


ライト 「良かった。俺、今回の旅では死なないみたいだ。」


リリア 「……?頭でも打ったの?大丈夫?」


 ライトは安心仕切ったようで発言するが、リリアは理解出来ない様子だった。


ライト 「リリア!食材の金は俺が払う!」


 膨れ上がっているポーチを出し始め、リリアの目の前に見せるが首を横に振る。


リリア 「良いよ、割り勘で。あたしも一緒に旅するんだしさ」


 歩きながらライトは「作ってくれるなら払う!」と声を掛けるがリリアは料理を作るのはそこまで苦でも無いので断った。2人はブルー村までの食材を揃えるため、並びながら歩き先に目についた青果店で野菜を買い、その後は肉屋で干し肉を買った。


ライト 「食材はこのぐらいで良いんじゃないか?結構重たくなってきたぞ…」


 色々な食材を買い物したので、大量の荷物になりライトの腕の中には大量の食材が入った袋で塞がれていた。


リリア 「あぁ、ごめんごめん。重たかったね。この袋の中に入れようか」


 腰に付いてる小さな袋を取り出すと、ライトは驚きながら声を掛ける。


ライト 「それって魔法道具じゃないか!?すっげー高いやつ!!」


リリア 「うん、マジックバッグ!前の職場で使ってたやつだよ?回復能力者はコレが無いと急患の場合すぐに治療に取り掛かれないからさ。退職しても返却しなくて良いって言われたからそのまま使ってる」


 リリアはライトが持っていた荷物をマジックバッグ(袋)の中に大量の荷物を収納するが、マジッグバックはそれ以上大きくならず小さなサイズを保っていた。


ライト 「す、すげー--!俺も欲しいな~」


リリア 「貴族でようやく買えるか買えないかの値段なんだから、今はライトの収入だと厳しいかもね」


ライト 「デスヨネ……」


 値段が高いのを現実に受け止めライトは落胆した表情を見せると、リリアは提案する。


リリア 「でも、私がいる間はこのマジックバッグの中に荷物入れても良いよ」


ライト 「まじかー-!ありがとう!!」


リリア 「でも、勝手に中身をいじっちゃダメだからね!!」


ライト 「ちぇー」


 ライトはマジックバッグの性能を自由に体感しておきたかったのでリリアの許可を得れないと触れない事に拗ねていた。


リリア 「あとは何か買う予定のものある??」


ライト 「万が一の事を考えて回復薬を買おうと思ってる」


リリア 「回復する場合は私がいるじゃん」


ライト 「『万が一』何かあった場合だよ」


リリア 「でもさ、前の職場で回復薬は絶対持たされていたから何となく価格は知っているけど…結構値段するよ?20万シルは軽くするんじゃない?」


ライト 「うん、俺の金はほぼ無くなるけど…。万が一に備えてだ」


リリア 「わかった。んじゃ、薬屋に行こ」


 2人は薬屋に向い揃って歩き始めた。薬屋まではそれ程、距離は無く2人は賑わっているブロンズ街の人並を見ながら歩いていると薬屋の目の前まで辿りつきドアを開け入店する。


 ドアを開けると鈴の音が鳴り女性の店員が顔を出し挨拶をする。


薬屋の店員 「いらっしゃい~!あれ…?そこにいるのはリリアじゃないかい?」


リリア 「お久しぶりです。メサさん」


メサ 「随分大きくなって~!隣に居る男の子は……彼氏かい?」


ライト 「へ?」


リリア 「ち、違います!学校で同級生だった『ライト』です。彼氏にするならもっとしっかりした人作ります!!」


 恋愛など考えた事もないライトは首を傾げながら気の抜けた声を出し、リリアは強い声でメサに反発した。


メサ 「アハハ!こんなに可愛い女の子に成長したら彼氏の一人や二人すぐ出来ると思ってね。それでリリア、今日はどうしたんだい?」


リリア 「ちょっと回復薬を買おうと思って…」


メサ 「ん?リリアには回復能力があるじゃないか?」


 リリアとメサの会話の間にライトは交じるように声を出す。


ライト 「俺が欲しいんだ。ブルー村まで出かけるから準備は万端にしたいんだ」


メサ 「なるほどねぇ。じゃあこんなのとかどうだい?」


リリア 「これは、『ハイポーション』ですよね?ちょっとライトにこの値段は…」


 ライトとリリアはハイポーションの前に置かれている値札を揃って見ると60万と書かれていた。


ライト 「俺、お金出せて20万だな…。おばちゃん、20万で買える回復薬は無いのか?」


メサ 「この『ハイポーション』リリアの紹介で20万で売ってあげるよ?ただし条件付だねぇ」


 条件付で60万の物が20万で売るとメサの提案でライトとリリアは見合って目が飛び出そうなぐらいに驚いた表情をし思わず大きな声を出した。


リリア 「え!?」


ライト 「本当か!?」


 メサはライトを近くに呼び小さな声で『ハイポーション』を20万で売る条件を話しライトは受け入れた様子だった。


———ライトとリリアは薬屋を出て会話をする。


リリア 「ライト、さっきのは本当に運が良いよ?『ハイポーション』って本当に高いんだから。それにさっきメサさんと小声で何か話てたようだけど…何を話ていたの??」


ライト 「内緒」


リリア 「えー!?」


リリア (2人して私に内緒話だなんて仲間外れされた気分でモヤモヤするなぁー…。ライトだから変な話では無いだろうけど…まっいっか)


 リリアはモヤモヤしてたが考える事を辞め、ライトと並びながら歩き続けていると声を掛けられる。


ライト 「そろそろ、冒険者ギルドに向わないか?丁度時間だぞ?」


 2人はブロンズ街で買い物をしていたが大きな噴水広場に設置されている時計を見ると、想像以上に時間を費やしたのでライトは冒険者ギルドに戻る事を提案した。


リリア 「そうだね。戻ろっか」


 2人は買い物を済ませたのでブロンズ街から歩きで冒険者ギルドに向う。

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