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第1_1話 能力

縦書きで執筆してみました。

長くなったので1話は3部作です。

―――この世界は能力で存在の価値が決められる。


 神々にお祈りをする教会。1人の女性は産声を上げる男の子の赤子を抱いていた。泣く我が子をあやす女性の前には顎に髭を生やす特徴的な男性が立っていた。


 男性はひげをさすりながら片腕を前に出すと魔法を詠唱し、腕の周りに白色の光り輝くうずまきを出す。白く輝く光は1分も経たずに消え、クスリと笑い詠唱を終える。


 「この子は全然能力無いね。一応、近接攻撃能力者みたいだから国を守る為に頑張ってよ。騎士団長になれたらいいね。あっ、能力低いから無理か。まっ、がんばってねー」


 笑う男性に赤子を抱いていた女性と、その隣に立つ夫らしき人物と共に睨む。


―――産まれた時に能力を鑑定するのは義務付けされている。


 夫婦は鑑定を終えると我が子に対しての発言に怒りがこみ上げていたが、神聖な場で怒る事も出来なく必死に堪え外へ出る。


 外に出ると真っ暗な視界の中、夫はランタンに灯りを灯す。ふわふわと白い物体が頭の上に落ち、冷たさを感じると2人は顔をあげる。


 「雪…珍しいわね」

 「本当だ…」


 空を見上げると次にふわふわと柔らかい雪は服の上に落ちる。冷たい…と妻は呟くと羽織っていたショールを赤子に巻く。


 「この子が風邪を引かないうちに家に戻りましょう?」

 「そうだな」


 2人は肩を並べ歩き始めると、妻は首を横に動かし夫の方へ振り向く。


 「ねえ、ルイエ。鑑定者の人って本当にむかつくわ…。庶民だからって…」


  ルイエは横目でチラリとレイアの顔を見る。勘に障る言葉を発したものなら更に怒りが爆発しそうなぐらいの険しい顔にルイエは頭の中で言葉を選ぶ。


 「レイア…。回復能力じゃなくてよかったじゃないか。無事に我が子を育てられるよ」


 ルイエは、火に油を注がないよう話すとレイアの肩をポンっと優しく叩く。


 「そうね、回復能力だと教会に強制的に入れられるもの。私とあなたの愛する子供ですものね。名前はやっぱり、ライト…『ライト・フォーレン』ね」


 ルイエの冷静な言葉に気分が紛れたのか、レイアは穏やかな顔に戻る。


 「はは!昨日まで考えに考えた名前だな!」


 教会から遠ざかると、手に持つ灯りだけを頼りに2人は肩を並べゆっくりと歩き続ける。次第に薄っすらと雪が積もり、2人の足跡が残る。


―――この世界では能力が、大まかに『近接攻撃能力』、『攻撃魔法能力』、『遠隔攻撃能力』、『回復能力』と分けられている。

 

 生まれた瞬間に教会で所持している能力を鑑定し、希少な回復能力者は強制的に教会入りとなる。


 7歳から学校に入学し読み書きや自分の能力を専門的に磨き、16歳になった暁には学校を卒業し能力相応の仕事に就く。


 能力が低い者は自国の兵に 能力が高い者は王族の側で働ける。魔王軍と何百年前から争っているこの世界は能力が高ければ高いほど優遇されていくのだ。


 強者ばかりが優遇されていく、このくすんだ世界。

読んで頂きありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
[一言] アカウントフォローありがとうございました。 小説家になろうで投稿されている作品によくある設定だから、で説明を済ませてしまっている部分がちょっと多くて、どうかな、と思いました。 会話文の記法…
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