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第07話 新しい住まい、城かよ

 突然やって来た俺の爺さんこと、カペリオン侯爵、その目的は嫡孫である俺を跡継ぎにすることだった。最初は、俺だけだと思っていたが、爺さんがいきなり母さんを娘にして、俺と一緒に行くことを提案。それだけではなく、なんと村ごと領地に引っ越さないかというとんでもないことを言い出した。

 俺は爺さんの孫だし、行くことは確定だろう、そして母さんも迷っていたが結局俺の母親ということで行くとにした。

 そして、村はというと、母さんから爺さんが収めるカペリオン侯爵領の評判を聞いて、長時間の会議の結果みんなで行くことになった。


 というわけで爺さんがやって来た翌日、爺さんに村長が会議の結果を話した。

「おお、そうか、それはよい」

 村長から聞いて爺さんは喜んでいた。

 その後、村長と爺さんがどのあたりに村を作るか、その場所がどのような場所かなどを話し始めたために俺はその場を後にして準備を始めることにした。

 準備というのは、もちろん引っ越しの準備だ。

 それというのも、俺と母さんは爺さんとともに行くことになったからだ。

「テイルは、自分の部屋を片付けて」

「うん」

 それから、自分の部屋にあるものを、持っていくものともっていかないものに仕分けて適当にまとめておいた。

「母さん、終わったよ」

「そう、それじゃ、ちょっとこっち手伝ってちょうだい」

「うん」

 その後は母さんの手伝いでいらないものを部屋の隅にもっていった。

「こんなものかしらね。あとはテイルのものかな」

 それから、母さんは俺が持っていくものとしてまとめたものを見て、ある程度チェックをしてから魔法を唱えた。

 母さんが唱えた魔法は、空間魔法のうち収納魔法だ。

 この魔法は文字通り様々なものを別空間に収納するというもので、母さんのような元冒険者には必要なスキルとなる。なぜなら、冒険者というのは倒した魔物の素材や、採取した薬草、食料やテント、などなど多くの物を運ぶ必要がある。

 この魔法が使えないと、リュックなどを使う必要が出てきて大荷物になってしまうし、荷物量の制限までついてしまうそうなるとまったく稼げない。ということで冒険者になるとまず覚える魔法だそうだ。

 また、この魔法、魔力量が増えれば増えるほど容量が大きくなるらしく、聞くところによると母さんの容量はとてつもなく大きいようだ。


 そうして、そんな準備をした昼過ぎついに俺が5年間過ごした村から離れる時が来た。

「それじゃ、みんな、先に行っているわね」

「うむ、我らもあとから行くからな」

「ええ、待っているわ」

「そろそろ、いいかのぉ」

 爺さんがそういうので、俺たちは馬車に乗り込んだ。

「それじゃ、みんな、先行ってるね」

 俺がそういっている間に馬車が動き出した。

 こうして、俺はリップ村を旅立った。


「わぁ、すごい、風景があっという間に過ぎていくね」

「うん、速いよね」

 馬車の中、俺の向かい側には馬車の窓から外の風景を見ているウレサがいる。

 なぜ、ウレサがいるのかというと、ウレサの父ガレウスおじさんが村長の息子で次期村長だからだ。

 なんでも、新しい土地の状態を見たり、みんなが来るまでにある程度の土地の整備をしたりとしなければいかなく、一足先にガレウスおじさんとサディおばさん、それとウレサの3人が俺と一緒に行くことになった。

「ほっ、ほっ、楽しんでいるようで何よりじゃ」

 俺の隣で爺さんが俺とウレサを微笑みながら見ている。

「すみません、侯爵様、私やウレサまでこちらに乗せていただいて」

 ウレサの隣で母さんが恐縮している。

 ちなみに、この馬車には俺とウレサと爺さんと母さんが乗っている。

 そして、その馬車を引いているのは……。

「ヒヒーン」

 スベンだ。スベンは嬉しそうに馬車を牽いている。

 ここで思ったが、そういえば俺はまだ自分が住んでいる国などについて書いていなかったので、今のうちに説明しておこう。

 この国は、サルナエース王国という国王のいる国で、国土についてはよくはわからないが、母さんによると、この辺りの国では結構大きい方だそうだ。そして、リップ村があったのはその中でも、シャエッグ伯爵領といいこの国でも比較的税金が高めに設定されている領地となる。そして、俺たちの進路は、そんなシャエッグ伯爵領から、北東に5日、隣のガエアレーノ男爵領の領都を通過し、さらに北に6日進んだところにある、バラエルド伯爵領の先に6日進んだところに位置するカペリオン侯爵領に向かっている。

 そんなわけで、道中それぞれの領都で領主にあいさつをしながら、延べ17日ほどでカペリオン侯爵領、領都にたどり着いた。


「大きな街」

 カペリオン侯爵領、領都エンデトール、ウレサが言ったように、これまで通ってきたどの街よりも大きい。といっても、大都会東京を知る俺としては、そんなに大きくは思わない。

「うむ、エンデトールは王都に次ぐ大きさを持つ街だ」

 爺さんによると、これでもこの国では大きい方らしい。

「この国の王都は、ここの倍くらい大きいわよ」

 冒険者時代、あちこちの街を渡り歩いていた母さんがそういった。

「へぇ」

 これから、俺が住むことになる。しかも、いずれは俺が治めなければならない街が大きな街と聞いて、少しおじけづきそうになってしまった。

 まぁ、俺が治めるといっても、まだまだ元気な爺さんがいる以上ずっと先だろう。

 そんなことを思っていると、街の門にたどり着いた。

 といっても、こちらはカペリオン侯爵が乗る馬車、門番に止られることなどあろうはずもなくすんなり街の中に入っていった。

 そうして、街の中央通りを抜けて北側最奥に領主が住む家がある。

「えっ」

「大きいー」

 俺は驚愕し、ウレサは無邪気にはしゃいでいる。

 何せ、それはどう見ても城だったからだ。

 異世界物の小説を読んでいると、貴族というものは屋敷に住んでいるものと思っていた。しかし、考えてみれば、日本でも大名が住んでいたのは城だし、海外でもよくなんとか城とかいうけど、王が住んでいた城もあれば貴族が住んでいたという城もある。

 そう考えればおかしくないのか。

 そんな城にたどり着くと、そこには、左側にずらっと並んだメイド、右側には執事が並んでいた。

「「「おかえりなさいませ」」」

 俺たちが馬車から降りるとメイドと執事が一斉に頭を下げながらそういった。

 なんとも壮観な光景だ。

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