表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
殿下と結婚したくないので男装して破滅ルート回避したい  作者: くるねこ
2、お兄様には関わりを持ちたくありませんので領地経営に専念します。
23/69

11






「オパールだ。」

「オパール! 母様が好きな石!」


透視で全体を確認し、あまり大きな塊ではないことが解った。


 「ここではこんな物しか出ないの?」


近くを飛んでいるクリスに聞くと


「まさか、オパールは恥ずかしがり屋だから石も隠れてんだ。もっと掘ればたくさん出てくるよ。」


精霊オパール。

何度かデンファレの魔力目的で屋敷には来ているようだがその姿は見たことはない。

宝石の精霊の特徴として名前の宝石と同じ瞳を持っている。

オパールの瞳なんてきれいなのだろうな。


 きれいに周りを掘って出てきたオパールは四歳の僕の両手に乗るサイズ。

大人なら片手に収まるだろう。

クリスがすぐに祝福をかけるため


「よかったらクレソンのお母様にお近づきの印に」

「いいの! ありがとうスカミゲラ」


嬉しそうにカバンにしまう。

さて、ローマンやみんなに見せるためにもう一ついい物を見つけたい。

透視で目を凝らし、クワで掘り進める。




 お昼過ぎ、収穫を持って屋敷に戻り、昼食後に魔獣討伐へいつも通り向かう予定だったが


「バンダ様はお呼び出しですよ。」

「えー!」


一様、朝から一緒だったが全くしゃべらず、石取りよりも魔獣討伐を楽しみにしていたバンダは文句を言いつつ、着替えに戻った。

僕らは一日のほとんどを楽な繋ぎ姿でいる。


「バンダ行っちゃうんだ。」

「じゃあ、今日は協力はしないで、一人で討伐してみよう。もう大丈夫だろ?」

「うん!」


こっちもこっちですっかり泣き虫は止まり、魔獣に魅入られているクレソンがいる。

将来進ませる方向を間違えただろうかと考えてしまう。






 それからまた数日たち、リコリス家へ戻る日。


「まだここにいたい!」

「いったん帰らないとご両親は心配で仕事も手につかず、寝不足で食事も喉を通らないらしい。」


そういうとウッと声を出す。


 オーキッド侯爵家へ戻り、迎えに来た馬車へ乗り込んでしばらくもしないうちにリコリス侯爵家へ到着した。


「お帰りなさいスカミゲラ、クレソン!」


出迎えたはアマリリスで、


「ただいま戻りましたアマリリス姉様!」


そういうクレソンに少し驚いた顔をしつつ、


「有意義な旅行になったようね。デンファレ様からお手紙をもらっているわ。クレソンは魔獣に臆せず立ち向かう勇敢な戦士になられたと」

「デンファレ様からですか?」


領地では会っていないデンファレがなぜ? 

と、いう顔のクレソンだが


「一緒にいたエキナセアさんからお話は聞いているそうよ。風邪が思いのほか治らず、顔が出せないことを悔やんでおられたわ。またいつでも領へいらっしゃいですって」

「はい! また近いうちにお邪魔します。アマリリス様の領地には魔獣は出ないのですか?」


座って話そう。

サロンへ誘導するとメイドが飲み物を出してくれる。


「海辺の魔獣はまた山の個体とは違うでしょうから今度一緒に行きましょう。わたくしもレベルを上げる必要もございますし」


貴族の令嬢のレベルは基本十から高くても三十前半だろうか。

アマリリスは現在十二で、クレソンは今回で二十まで上がっている。

この年にしては珍しい数値だ。


「お供します!」


おや、思いのほかクレソンの方がアマリリスを好きな様子だ。

ゲームでもアマリリスのことをしたってはいるが怒られるのが怖い、女性が苦手とあった。

原因は幼少期にアマリリス本人から婚約者としてしっかりするように、跡取りとして恥じないように言われ続けたことが原因で婚約者というよりは姉や教師のようなものだった。

でも、この様子からすると数年後には婚約なんて話も出るかもしれない。

回避すべきか、本人同士が好き合っているならば横から口出ししないで置くか、まあ、何があったら義祖父様にでもいえばいい。


 荷物をほどき、少し疲れたと言って部屋に戻る。

そこから転移術で再び領地へ戻った。


「ローマンは戻った?」


待ち構えていたエキナセアに聞くと


「先ほど戻られました。それと一つ報告が」


執務室への階段を上がりながら聞く。


「掘り出されたオパールなのですが、実験で一つだけ祝福無しで持ち出てみた物がありまして、ローマンの話では祝福無しでも祝福のあるホワイトオパールよりもはるかに価値があるブラックオパールになったそうです。そこで、もう一つ実験がしたいと」

「黒くなったオパールにも祝福ができるのか、さらには祝福しても元に戻らないのか、ってところ?」

「その通りです。」


同い年とは思えないほど従者の仕事や振る舞いをするエキナセアが僕から見ても年上に見える。

ローマンの真似をしているからだろうか。


 執務室に入るとローマンは机に三つの石を置いていた。

すべてホワイトオパールだが、祝福がされているのは一つだけ、残り二つはまだ何もされていない。


「お待ちしておりましたスカミゲラ。エキナセアから聞いていますね?」

「うん。ひとまず、これ二つを持って一端王都まで飛んで戻ってくるよ。」


そういいながら石を持ち、姿がこの場から消えるも数秒でまた、執務室のドアが開く。


 「想像よりもきれいだ。でも、精霊オパールはどう思うだろうな。領地から出た石が自分が作りだした価値よりも高いなんて」

「気にすんな!」


窓からダイヤが入ってきた。

しかも今日は可愛らしい女の子の精霊も一緒だ。


「その子がオパールだね。きれいな瞳だ。」

「デンファレ様のキャラがぶれてきていますよ。」

「そう?」

ぶれてる? 

男の子っぽくしているつもりなんだけけどな。


 「もともとは俺らの魔力の結晶だ。石になった時点で俺らからは分離した状態、それがどうなろうが気にしないさ。」

「じゃあ、これに祝福はできるの?」


本題を聞く。


「ああ、できるさ。もともと、精霊の祝福なんてなんにでもできるんだ。な、オパール。」


ダイヤの後ろにくっついている女の子は小さくうなずき、黒くなったオパールに手をかざす。

祝福により、一気に色彩が鮮やかになった。


「この前の雷獣のお礼もある。また仲間紹介してやるから!」


なんて言いながら飛んでいってしまった。

さて、雷獣関係で何かお礼を言われることがあっただろうか。




 再び王都へ、鑑定をしながら歩いているとこの世界ではオパールの採掘量がほかに比べ少ないということもあってかその価値はダイヤモンドを有に数倍行く。


「これを売って帰りにギルドで職人の募集を見て帰ろう。今年中に店舗を出したいし」


店舗の下見はできている。

内装もほぼ終わり、家具はアバターから出した。

在庫もそろそろ溜まってきたし、王都の店舗、オーキッド領の店舗ともに準備はできている。

売れると解っているからには品切れの価値も必要だがどれもこれも品切れにはできない。

特に、王都の店舗になくて、オーキッド領の店舗にはあるという限定品の量産がまだなのだ。

どちらの店舗でも天然石のブレスレッドの製作・販売はするが領ではブレスレッドに付けるチャームも用意する。

その代わり、石の種類は少なく、王都の方が多い。

対比をつけてどちらの店舗にも足を運んでもらいたいし、季節限定、周年限定なども用意している。

告知無しで入れ替えもするし、接客は一組が店内にいればほかの客は締め出す。

予約なしのレースだ。


 ライト氏の宝石商へ到着し、ローマンが今日は子連れなんだねと言われていた。

笑ってしまうと


「この方はリコリス家のスカミゲラ様です。デンファレ様の従者になるための勉強も兼ねて、今後も連れてくると思います。」

「これはこれは、リコリス夫人にも、いつも御贔屓いただきまして、最近はアマリリスお嬢様の物も購入いただいております。」


そういえば、最近雰囲気の違うアクセサリーを付けていた気がする。


 本題のオパールの話になる。


「これはなんてすばらしいんだ……。まだ、店舗の予定がないのならぜひ卸してほしい。このぐらいのお値段でどうでしょうか?」


電卓もどきをたたき、見せてくれる。

ローマンの背中に数字を書く。


「まだ我が領地でも量が少ない。」


電卓もどきの数字をゼロにして、打ち直す。


「このぐらいでないと」

「……いいでしょう。加工品が完成したらまた連絡いたします。」

「よろしくお願いします。」


転移魔法で領地へ帰る。






 リコリス家に戻り、クレソンはアマリリスが構い倒しているため、若干拗ねているネリネに勉強を見てもらっている。

前世の記憶があるためかこの世界の学力に何ら不安はなく、現在四歳だが、ネリネと同じ六歳の勉強に入りつつある。


「スカミゲラは優秀だな。」


そう言って頭をなでてくる。

教本を閉じ、部屋へ戻る準備を始めたら


「失礼しますネリネ様。乗馬のお時間です。」

「ああ、すぐに行く。」


従者が呼ぶため、僕は早めに帰ろうと思っていると

「スカミゲラも馬になれる練習をそろそろ始めるべきだ。」

「僕、一様乗れます。」


乗れちゃうんです。

あまり練習せずとも乗れるチートのおかげで何ら問題ない。


「そうか…」


残念そうな顔をしつつ、乗馬着へ着替えに行ったので僕も部屋へ戻った。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ