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殿下と結婚したくないので男装して破滅ルート回避したい  作者: くるねこ
1、悪役令嬢に転生したけど、私のスキルがチートすぎてやばい……
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2






 中に入ってきたバンダは不機嫌で笑ってしまうと執事服を投げつけられた。


「ごまかすの大変だった。」

「なんて言ったの?」


きれいに直してからローマンに渡す。


「僕が執事の役だって言っておいた。」

「ありがとう。バンダは頭が良いから助かるわ。」


ローマンに話の途中だが風呂に入ってくるように言う。


 おままごとということもあってか、準備が長いと思っていたらワゴンには軽食も乗っていた。

コックが用意してくれたのだろう。

サンドイッチにスープ。

水の入ったグラスとティーセットにはクッキーが付いている。

おままごとというより貴族ごっこの様だ。


 執事服はさすがにぴったりサイズとはいかず、お金が溜まったら用意するとして少し大きそうだが我慢してもらうことにした。


 転生者やゲームの話はあまり信じてくれなかったが飢え死にしそうだったというローマンは食事ができれば何でも手伝うと言ってくれた。

ひとまずの給料はギルドで報酬をもらってからだ。


 「それでは、お二人がどんな仕事ならできるのかステータスを確認させていただけますか?」


ローマンは元執事と言う話だ。

姿勢もいい、物腰柔らかで接しやすい。

いったいどこの家だったかとバンダのステータスを見せながら聞くと


「数年前に没落したルドベキア家のマナーハウスに務めておりした。」

「ルドベキア男爵領地ってこれ?」


バンダに渡していた売り出し中の土地の紙が開かれる。


「そうです。ここです。なぜこれを?」


不思議そうにするバンダだが私は


「お金を貯める目的がここなの。ここを購入することなのよ。ローマンがこの土地に詳しいなんてラッキーだわ!」

「……ここは購入しても何もない土地ですよ。魔獣も多く、領民も住み着けない。」

「解っているわ。表向き引きこもる場所が欲しいだけだから」

「……解りました。ギルドへも出品者にも交渉は私がいたしましょう。では、次はデンファレ様です。」

「ありがとうローマン。でも、私ステータスの出し方わからないわ。」


なぜバンダが簡単に出せたのかが不思議だ。


 ステータス画面は空中に魔法で画面を出すことで見ることができる。

レベル、称号、スキルなどが見られるのだが、三歳未満どころか五歳でも出すのは難しという話だったと思うのだが、バンダはなぜできたのだろうか。


「では、デンファレ様、心の中で四角い画面を思い浮かべてください。それをこちらへ引き出すのです。」


いやいやいや、意味わからないよ! 

私の心の声なんて聞こえるわけもなく、当たり前のようにいうローマンだが、


「できた!」


驚きで声が低くなってしまう、バンダに笑われた。


 だが、それ以上に衝撃だったのが私のレベルだろうか。

ローマンが固まり、私も眼が点になっている。


 Lv,2838。


 この国のレベルは基本高くて二桁だ。

稀に規格外もいるが、平民は魔力が少ないため一桁で終わることも多い。

貴族は産まれながらに血筋から二桁持っており、噂では国王はLv,99らしい。


 にもかかわらず、私は四桁。

魔王もしのぐだろうそのレベルにローマンが開いた口がふさがらない。

あれ、でもこの数字見たことある……。

私は記憶の中を探る前にその下のHP・MPを見て解った。


「前世の記録引き継ぐの⁉」


その声にやっと現実へ戻ってきたローマンがハッとする。


「デンファレ様…これは、いったい……」

「あ、えっと、たぶん……チートだと思う……」


バンダが興味津々に画面をスクロールするとその下には称号から、スキルからえっぐい物が書かれていた。



名前:デンファレ・ラン・オーキッド

年齢:二歳十か月

レベルLv,:2836

身分:侯爵家令嬢・魔術師・騎士・軍人・商人・暗殺者・治癒者・勇者・冒険者・狩人

HP:∞  MP:∞

スキル

遺伝:魔眼・ドラゴンスレイヤー・聖剣士・魔獣使い・吸血鬼・無音世界・一刀両断・ウルフ・魔女・属性エネルギー吸収・快の森・認識誤差・絶対零度のほほ笑み・動物変身・聖女・精霊の愛し子・女神の娘・神の寵愛・竜の寵愛・神の申し子・女神の申し子・竜の申し子・神の愛し子

特殊:暗殺・封印・結界・変装・狩人・治癒・神官・鉱夫・採取・感知・検索・捜索・探索・開錠・追跡・発掘・採掘・偽装・複製・修正・細工・分解・料理・裁縫・剣士・模倣・幻覚・幻術・転移・増減・増強

継承:聖騎士・聖女・魔女・魔王・鑑定・召喚・竜の子・占い師

獲得:冒険者・治癒者・魔術師・騎士・狩人・剣闘士・千里眼・透視・覇気・複製・猫の目

会得:学者・賢者・研究者・工芸家・医者・修道士・鉱夫・運転手・隠密・危険感知・危機回避・魔力遮断・魔力察知・魔力強化・魔力付与・武装強化:状態異常無効・自動回復・気配遮断・気配感知・全属性魔法遮断・全属性魔法反射・全属性魔法強化・全属性魔法回避・全属性魔法エネルギー吸収・打撃吸収・打撃緩和・打撃反射・打撃無効化・打撃強化

強奪:強盗・勝者・大金持ち

譲渡:聖女・魔女・魔王・大臣・伯爵位

属性:火・水・雷・氷・木・土・風・光・闇・音・毒・人体作用・無

職業:学生・商人・騎士・料理人・針子・暗殺者・冒険家・領主・鉱夫

      →次



 エッグイな! 

こんな状態で三歳スタートってエグいよ本当に! 

ローマンを驚かせないように心の中で叫んだ私は最後に次への矢印を見つける。

何かと思って開くと



アバター→

アイテム→

好感度→


なんてあったためアバターを開くと



アバター↓

整形→

ヘアー→

ドレス→

トップス→

ボトムス→

靴→

ペット→

背景→

エフェクト→

小物→

宝石箱→


      →次


なんて出るためへアーから現在の金髪巻き髪とは正反対の大和なでしこ、黒髪ストレートを選択するとバンダは


「似合わない。」


と、言ってストロベリーツインというピンクブロンドのツインテールと選んできた。


「可愛らしいですが、これは人体作用の魔法の中でもとても高度、国でも扱える人間は今はもういないでしょう。」


そのいいかたでは昔はいたのかと聞くと


「戦時中の諜報部には多く在籍していたと聞きます。」


攻略キャラに人体作用をメイン属性に持つキャラがいた。

彼は無能をアピールするために女装していた。


 「あ! 男装しよう!」

「急に何?」


バンダは明らかに面倒ごとになるという顔をする。


「デンファレとしては領地に引きこもりだけどバンダはやる気がなさそうだから自分で情報を集めないといけないと思っていたんだ。だから表向きは引きこもり、裏としてどこか適当な家の養子になれるような子に変装しようと思っていたんだけどこれがあれば男にもなれるし!」


整形から顔を変え、髪型は貴族の子供らしいボブカット、銀色の髪の横髪を残して後ろで結んでいる。

デンファレは赤い目をしているが紫あたりにしておいた。

服装もガチャで出した男物の服をだすともう完璧貴族の令息


「すごくない!」

「声はデンファレのままだよ。」


バンダに言われ、意識して少し低くすると


「どうかな?」

「デンファレ様はスパイにでもなるおつもりですか?」


ローマンに聞かれる。

確かにスキルには暗殺者があったがそれはゲームでの話、こっちの世界でなるつもりはない。


 「あとは何ができるのかな?」


洋服系は解っている。

ではペットを開くと十二支が並んでいた。


 このゲーム、攻略キャラが十二人+シークレットキャラだったため十二にちなんだものが登場する。

その一つが十二支であり、攻略キャラの使い魔になるのだ。

鼠の人可哀そうとはじめ思ったが思いのほかこちらもエグかった。

服の中から出るは、出るはの鼠の大群に令嬢が発狂していた。


 無難な兎を出してみる。

きゅるんとした眼をしているが野兎サイズはでかい。

デンドロの肩によく乗っていたが三歳児とあまり変わらないとはどういうことかと、十八歳のデンドロの肩大丈夫だったのかと心配になる。


 「ねえ、背景とかエフェクトとかって何?」


バンダが聞いてくるため項目を開く。

イラスト付きの項目を開くと火の玉が出る。


「これだけよ。」


使って見せたが顔の近くに出たそれは熱い。

なぜだ⁉ と、驚く。


 レーザービームなんて、コンサートで使うような演出用の灯りなのに、突然どこからか放たれた光線は窓に直系一センチほどの穴をあけた。

うっそ~……もう私は放心、バンダは興味津々で溶けて穴の開いたガラスを見る。


「これは魔法ですね。」


ローマンがもう、何が起きても動じないという様子で私のステータスを見ている。

地面から花が咲くフラワーカーペットを選ぶと周りからどんどんとツタが広がり色とりどりの花が咲く。

現実にはあり得ない。

一つの種から咲く花はどの世界も一色だ。


 ローマンが修復魔法が得意でよかった。

ガラス窓はきれいさっぱり元通りになった。


「これでデンファレ様たちの実力が解りました。明日からさっそくギルドへ向かいましょう。ですが、一つ問題があることをお分かりですか?」

「問題?」


ローマンに小首をかしげながら聞き返す。


「長時間お屋敷を留守にするということはメイドにすぐにばれてしまいます。」


確かにそうだ。

今日はバンダに大事な話があるから入ってこないでと言ったため誰も来なかったがそう何日も通用しない。


「私もここにいることが不信に思われるでしょうし、誰か、秘密を共有できるメイドや従者はおられますか?」


従者は皆お父様に付いている。

それ以外の男性は馬丁や庭師などの下働きが多い。

そうなるとメイドだが、私たち付きのメイドはほとんどがお母様付きからの移動のためすぐにばれる。

しばらく考える私にバンダは


「ロドデンドロ親子は?」


ロドデンドロ親子。

最近オーキッド家で仕えることになった東の国からの移民。

夫シャンシャボに妻アザレア、娘が二人おり、姉がカルミア、娘がエリカだ。

エリカは私の三つ上ということもあり、遊び相手という役割もある。

カルミアは十歳以上離れているため毎日忙しそうに働き、アザレアはお母様付きのメイド、シャンシャボはお父様付きの従者だ。

家族そろっての就職が希望だったのを母が快く引き入れた。


「そうね。あの一家ならまだこの家にもなれていないから口裏合わせも協力してくれるわ。」

「悪い人たちですね。」


ローマンはそういうが自分の提案だということを忘れていないだろうか。


 早速エリカを捕まえる。


「姉ですか? 姉でしたら馬小屋の修復の手伝いへいっていますよ。」


大変だ。

あの穴を塞がられては困ると急いで馬小屋へ飛び降りる。

そう、飛び降りた。

ここは三階。

馬小屋は当たり前だが外の地上にある。

窓から飛び出すと後ろから


「お嬢様⁉」


なんてエリカの声がしたと思ったがすぐにくぐもった声に変わった。




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